競争力強化の鍵

昨日の日経紙総合面には「東証、取引時間の延長検討」と題し、東証が仕事帰りの取引機会が増える個人投資家や、時差がある海外投資家の利便性を高めると同時に東証の国際競争力も挙げる狙いから現物株取引で夕方や夜間取引を軸に取引時間の延長を見据え証券会社などと調整を進める旨の記事が載っていた。

後場の時間延長や昼休みの廃止も含めた延長の具体策を練るとの事だが、この昼休み廃止論は今から11年前にも議論された件で、当時の当欄でも「欧米主要取引所は昼休みを設けないのが主流でグローバルな流れからもそういった機運になってきたか。」と書いていた。侃々諤々の末に辛うじて30分の短縮が叶ったが果たして今回は如何に。

そういえば昼休み撤廃論が出た当時は前引け・後場寄りのギャップを狙ってスキャルピングを狙う向きも多数居たものだったがHFT業者が蔓延る現在では随分と光景も変わっている。また当時はコストの問題もあって時間延長が対面メインの中小証券等の反対に遭った経緯があったが時代の流れで当時とは状況も異なってきている。

場が立っていない時間の材料を受けた取引は海外やPTSへという流れだが、PTSは米国の取引量に占める割合が約30%なのに対して日本では双璧の2社合計でも7〜8%程度と振るわない。私設取引も課題を抱え試行錯誤が継続しているが、何れにせよ取引システムの刷新が予定される2024年を睨み大幅な見直しが具現化する否か注目されるところ。


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