20兆円クラブ

本日の日経紙投資面では、昨日の株式市場で日立製作所の時価総額が終値で初めて節目の20兆円を超えた旨が出ていた。当欄では昨年の1月に任天堂や伊藤忠商事の時価総額が初めて10兆円の大台を超え「10兆円クラブ」の仲間入りをした旨を取り上げており、この同じ時期に日立製作所もまた同クラブの仲間入りを果たしていたものだが、その後の1年でその時価総額はこの3社間で大きな差が出ている。

日本では「総合〇〇」と称されるコングロマリット企業がディスカウントされる傾向にあったものだが、長らくのデフレ下の構造改革効果で不採算事業が減少、事業売却などで利益が出易くなり売却益などで投資や株主還元など資本の有効活用を積極化する向きが増えて来ている。そうした効果もあってかコロナ禍以降は特にこうしたセクターはTOPIXをアウトパフォームしてきており、コングロマリットディスカウントの一括りでは語れなくなってきている。

これまで日本企業はしがらみの多い組織体系故に事業再編自体が遅々として進まなかった部分もあったが、東証の踏み込んだ改革等も背景に今後は上記のように経営資源を稼いでいるセグメントに集中投資してゆく動きがより活発化してゆくとも考えられる。コングロマリットディスカウント企業も今後ROE向上等が顕著になってくればコングロマリットプレミアムへと変貌を遂げる一歩になるはずでこの辺に期待したいものである。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ