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統合効果

昨年夏に両社が資本提携に向けた交渉に入る事が報じられてから年も明け、新年度から三越伊勢丹ホールディングスが発足している。

初日に日本橋本店の前を通り掛ったところ様々な演出でお祭りムード満載であったが、この誕生祭も先に統合があった大手とは趣向の違いが出ていて各々のカラーを感じた。

一方株式の方であるが初日は基準値に対して堅調スタートを切ったものの、G・Sが投資判断を売りとした事からあとは3日続落模様、屋台骨の売上低迷に加えてシステムコストの増大や三越業績のリスクを挙げているが、さてこの統合で実際にどうテイストが変ってゆくのかが他とも併せて関心事か。


変化する投信不信

本日はご存知受け渡しベースで株式の方は実質新年度入りとなるが、結局は朝方の配当権利落ち分といわれる部分を埋め切れず終い、出来高・売買代金共に今年最低を記録する薄商いとなっていた模様。

ここ全般スルスルと戻したもののリンク債絡みの投信中心に懐疑心強く今後の株価に戦々恐々の面もありとかで、この手では先週だったか日経あたりにも載っていたがリスク限定型投信があり、次々にノックイン価格に抵触し一転リスク型投信に変った経緯があるとか。

ここへきて国民生活センターにもこうした関係の苦情や相談が急増している模様だが、金商法で説明やら広告規制やらでガチガチに縛っても要点を抑えなければトラブルは尽きず、以前にも目論見書やらに触れた事があったが今だに替えた方がいい表現は山ほどあり責任転嫁より先ずはそうした改善が急務だろう。


不当価格

イースター休暇明けのNY株式市場は投資家心理好転から金融株中心に大幅続伸となっていたが、その切っ掛けとなったのは昨日触れたJPモルガンによるベアー・スターンズ社買収価格を一気に5倍に引き上げるという発表であった。

もともと驚きの2ドルであったが理由が不透明で、社員を巻き込み訴訟を起こす株主がごまんと居るという噂からオプション市場ではコールの引き合いが強く値も其れなりの値が付いていたが、この手の話は市場から消えていった企業では幾らでもある。

以前当欄では「上場廃止となった企業の中には、リクイディティー問題を武器にファンド勢がトンでもない安値で株主に対しての提案を行った例もあった。」とコメントした事があったが、そのカネボウがまさに直近では話題である。

同社に関しては株主が上記の理由で裁判を起こしていたが東京地裁は会社提示の2.2倍を妥当とする決定を下している。

これが価格算定の透明性を問い直す切っ掛けとなるか否かだが、算定評価その他関係機関の面子がマッチポンプという構造上の問題がある場合はこの辺はまだ難しいだろう。


米の山一?

先週は足利銀行に触れたが、同じ金融でも世界でここ市場の話題を攫ったのは米国五位のベアー・スターンズがJPモルガンによる救済合併を受けた事だろう。

新聞でも同様の事が報じられていた物もあったが、約40年ぶりの非銀行救済という事態で真っ先に頭に浮かんだのがあの山一の日銀特融、当時富士銀に貸付られたモノを山一に又貸ししたのに酷似しているではないか。

そういえば山一自廃の時は確信犯的な関係者が挙って同社株をカラ売りに走っていたのが思い出されるが、ベアー・スターンズも年末には約170ドルから先々週には約60ドル、そして結局は2ドルで株式交換であるから10億ドルの価値の本社ビルやPBRも何もあったものではない。

PBRといえば東証一部のそれも一倍割れが六割に達した旨を日経紙で見たが、昨今その三分の一とか四分の一とかなると元の資産自体が疑わしい、まあ何れにせよたった六日で株価が名門大企業を潰す具体例が久し振りに出たわけで改めて金融の取り付けの怖さを露呈した形だ。


一石二鳥の狙い

今日は移動先へ向かう途中に新生銀行の本店前を通ったのだがそういえばこのビル、モルガン傘下の投資ファンドに売却すると先週発表していたのを思い出した。

さてこの新生同様に国有化銀行の民間譲渡といえば数度触れてきた足利銀行だが、結局は野村証券系の投資グループに3,000億円超で譲渡する方向で最終調整に入ったと金融庁が発表している。

一昨年に当欄で触れた時に「〜一説には地銀連合が有力らしいが、一部大手証券系の背後に控える有力筋は不良債権化した担保付不動産が最大の旨みだとの観測もある。」と暗に匂わせておいたが果たしてと言うかやはりと言おうか野村が競り落とした格好。

一般的には有力視されたのが退けられ大逆転劇と見られているが再編まで視野に入れた政策もちらつき、何れにせよ同行国有化は4年半でピリオドを打ったがここから上記行よろしくどんな刈り取りが始まるか注目。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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