61ページ目   株式

新陳代謝の構図

さて、先週金曜の日経紙一面には「世界の株、時価総額最高」と題し、5月末の世界株の時価総額が76兆ドルとなり、2年ぶりに最高を更新した旨が載っていた。かつての時価総額上位企業であった銀行や資源の顔ぶれは一変し、その牽引役となっているのは米アップルや米アマゾン等のIT企業という。

米アマゾンといえばつい先週には初の株価1,000ドル突破を達成していたが、1997年に上場してから20年で分割等も考慮したその株価は実に約500倍となるなど大化けを果たしている。時価総額もトヨタの3倍近くに膨らんでいるが、日本はそのトヨタが時価総額1位である。

先週末に漸く2万円の大台を回復してきた日経平均だが、上記のトヨタは年初比でマイナスのままで、IT分野で牽引する企業の不在で指数は一桁の上昇率とその出遅れ感は否めないところ。斯様に米市場と相違する環境下でこのトヨタ等のコア系の動意薄は長期資金の流入不足も意味しており、この辺の構図の変化が今後の持続性と絡め焦点となってくるか。


中小型偏向

本日の日経紙マーケット面には「IPO指数高水準」と題して、過去1年間に上場した企業の値動きを示す「QUICK IPOインデックス」が昨日に約10年4ヶ月ぶりの高値を付けた旨が載っていた。主力を本格的に買い辛い中、相対的に業績への影響が小さいIPO株に資金が向かい易いという。

そういった意味合いでは新興マーケットも、13年に時価総額が17兆円を超えていたものの相場低迷等で16年2月には7兆円を割るまでになっていたジャスダック市場など、個人投資家を中心とした資金が向かった結果週明けにはこの時価総額が2015年9月以来、約1年8ヵ月ぶりに9兆円を超え本日も東証マザーズ指数と共に4日続伸となっている。

外部環境からは足元英国の爆発テロ事件や騰落レシオの高止まり等々主力物色が躊躇われるなか、来月から再開されるIPOと併せてこうした新興へのシフト鮮明化が持続することになるのかどうか引き続き注視しておきたい。


コンサバ堅持

本日の日経紙投資情報面には「緩和競争に揺れる東証」と題して、世界的なカネ余りのなかの資金調達手段としての上場誘致の為に、世界の主要取引所が議決権に格差のある種類株等の上場を解禁するなど緩和に向けた動きが各所で出ている旨が載っていた。

種類株といえば2006年の会社法施行で国内発行が可能とはなっているが、上場企業となると記憶にあるところでは3年前に上場したマザーズのサイバーダインくらいしか思い当たらない。他にLINEなど上場時期がずれ込んだ背景にはコンプラや決算書関係の他にこの種類株発行がネックとなったとの報が記憶に新しい。

株主平等の原則を重視する東証としての譲れない部分があったのだろうが、同紙文中の末尾にも「三越理論」という言葉が出てきておりこの辺に関しても他との温度差は否めない。先月末には「デリバティブ市場混戦模様」として世界の取引所を挙げたが、世界標準をどの程度意識してゆくのかが今後焦点となって来ようか。


電子化の波

さて今月のあたまには臨時株主総会について少し触れたが、株主総会といえば先週末の日経紙には「株主総会 電子化じわり」と題して、東証一部企業の半数近くがインターネット経由で議決権を行使できる仕組みを導入、これによって行使率が前年から増えてきた企業もある旨が書いてあった。

電子投票は一昨年のコーポレートガバナンス導入によって加速してきたが、株式関係の電子化といえば8年前からスタートした株券電子化の時は一寸した衝撃であった。これによって破綻株券コレクターや街金の一部業務等々には支障が生じるハメになったが、一般的ではそれらを凌ぐ紛失・盗難からの解放、発行体側もコストや作業軽減等々になったのはいわずもがなである。

今となってはこの一昔前の株券電子化も随分と前の出来事にも感じてしまうが、今後は斯様に電子化もこの議決権だけではなくインターネットによる招集通知の発送などにも広がりそうで、今後も株主・企業双方の負担軽減を目指して電子化が加速してゆくのは想像に難くないか。


出足順調

さて、ちょうど一週間前の先月30日には「スシローグローバルHD」が再上場を果たした。このスシロー、知名度もあり8年ぶりの再上場という事でそこそこの注目度であったが、蓋を開けてみれば約200万株の売り気配でスタートしその初値は公開価格の3,600円を4.7%下回る3,430円と冴えないスタートとなった。

公開規模が760億円と大きく、そもそも公開価格も仮条件下限で決まっていた事や同じ日に上場した旬なAI関連の「ユーザーローカル」の人気に資金が流れた事も影響した感は否めないか。とはいえ今年公開価格を下回ったモノは同社と「マクロミル」の2社のみで、他は同じく上記のユーザーローカルや「ほぼ日」等25社が大きく公開価格を上回っている。

斯様に今年のIPOの出足は順調で、日経紙によれば1〜3月に上場した企業数は前年同期から約2割増の27社と07年の43社以来の多さという。当欄では約ひと月ほど前にIPO企業の業種の多彩化を書いたが、これらを映してか過去1年間に上場した銘柄の値動きを示すQUICK IPOインデックスも約10年ぶりの高水準で推移、今後のIPOと併せ上場ゴールが死語になってゆくか否かその推移が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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