株主総会
さて先週は株主総会のピークであったが、今年の場合は決算期終了間際に起きた未曾有の国難で多数の企業業績に大きな影響を及ぼしたことや、この流れからの利益配分も今年は義捐金等絡んで一部変化もあるなどで例年とは一寸その色を変えた総会も多かったようにも思う。
一方で震災に絡んで渦中の企業ははたしてかな個人株主から厳しい発言が相次いだが、厳しい発言といえば議案提出を通じて彼是物言うファンド系などはすっかり影を潜めている。当欄でも何度か取り上げたこの手の代表系の「米スティール・パートナーズ」は昨年末にサッポロHD株を全て売却して以降すっかり噂も聞こえてこないが、3月末ベースの株主名簿でも外資系ファンドが日本企業の株を買い増す動きは目立たないという。
これら外資系ファンドは一部新興国市場へ舞台を移しているという話も聞くが、先月はあの「村上ファンド」を率いた村上世彰氏の有罪判決も最高裁で確定している。ココも所謂アクティビストとして有名であったが、法を犯した実質の部分は兎も角も一連の過程での利益至上主義全ての部分を否定してしまっている部分は現社会においてなんとも矛盾を感じざるを得ない。
裁く側からすれば水が清くなったのだろうが、外から見れば特異な非常識を日本に感じている業界関係者は多数。彼らがいい意味での緊張感をもたらしていた当時から比べるに、現在の株式市場は売買代金ひとつ取ってもその凋落ぶりが著しい。株主の変遷を見るにつけそんなことが頭に浮かぶが、水清ければ魚住まずもまた市場か。