問いかける美術品
さて週初にはサプライズ決算となったジャフコの件を書いたが、決算と言えば業績にプラスして思わぬ益金が舞い込むパターンもある。先週の日経夕刊マーケット面「注目株を斬る」で取り上げてあったDIC等がそのパターンで、同社が保有していた絵画が売却されたことでその利益が13年12月期連結決算に計上される旨が書いてあった。この譲渡益が103億円と巨額であったことから、これによって俄然含みが見直され直近でも年初来高値を更新している。
ところでこの絵、抽象画の巨匠バーネット・ニューマンの「アンナの光」なのだが、バーネット・ニューマンといえば今年5月に行われたサザビーズのオークションで4,380万ドルの落札を演じ、コンテ落札額の市場最高記録を塗り替えたという一件があった。額も額だが一面コバルトブルーに塗ったキャンバスに白線が1本描いてあるだけ?という超絶シンプルな絵にこの値が付いたのが話題沸騰であったのが記憶に新しい。
この「アンナの光」も同氏の作品中最も大きく圧巻ではあるものの、やはり一面レッドに縫ったキャンバスに白線が書いてあるといった上記のコバルトブルーが赤に変わっただけ?にも見えなくもないシンプルな物。確かに抽象画は見る人によってはほんとうに紙一重の部分があり何とも言えないが、それにしても思わぬ値が付くものである。
同品を保有していたのが千葉のDIC川村記念美術館で勿論のこと同館の目玉であった訳なのだが、この手でBSを洗ってみるとこのDIC始めとしてウッドワンや、ポーラなどが挙がるが、ポーラのガラス器など私も観た事があるが珍しいものも多くほんとうに素晴らしい。昨日に続いて美術品絡みの話になったが、こういった含みの視点で企業を見るのもまた面白いものだ。