試金石
先週末の日経紙マーケット面には「日銀頼み裏で進む選別」と題して、先月末の金融緩和決定に従って決定後初となる5日のETF購入額が10月平均の147億円の約2.6倍の380億円に達したことが出ており、その辺と併せて日銀頼みの株高期待が広がっている旨が載っていた。
ところで文中には、週末から週初にかけての総株高の中にあってもジャスダック上場の日銀株は反応薄であったとも書いてある。確かにサプライズな発表があった31日の出資証券価格は前日比マイナスで引けており出来高も過去数日と変わらずと、前回の緩和時とは価格も出来高もまるで様子を異にしていた。
上場銘柄とはいえ株主総会もなければ議決権もない所謂普通の株式会社ではない日銀のそれは正確には出資証券ということで当欄では常にそう書いてきたが、その価格は長年円の信用力を測る目安とされ、また相場全体を映す鏡とも言われてきた。昨年3月に当欄でこれを取り上げた際には、「白から「黒」への交代劇で今後の政策もこの出資証券と併せ注目されてゆくことになろう。」と書いたがここからが正念場になるか。