体質
本日の日経紙には「証券、顧客と長く深く」と題して、野村や大和など証券各社が金融資
を手厚く持つ高齢の顧客等と長く深い関係を築くために営業正社員の定年を最長で70歳まで伸ばしたり、遺産相続等の相談に乗る専門家を支店に置くなどという試みに取り込んでいる旨が載っていた。
斯様に短期的な証券売買による手数料収入への依存から脱して個人投資家との信頼関係を重視した質の高い営業への転換を目指すとしているが、この課題はもうバブル崩壊後あたりからいわれて久しいが結果的に収益構造はあまり変り映えがしていないのが実情か。
確かに一昔前の仕切りや不抜け売買の営業など、入社してくる新卒はその言葉さえ知らない向きも多いだろうがやはり回転してナンボの部分は要だ。販売にしても証券会社や銀行は今が旬となっている投資家人気の高いテーマものを次々と新しく設定、リスクの大小に関わらず大々的に営業をかけ旬が過ぎれば解約の嵐だが、その頃は既に営業の主力からは外してしまっている。
この辺が手数料稼ぎの道具という批評が多くなる所以だが、それでも並行してここ数年で漸くいくつか販売手数料無しなど投資家目線を謳うファンドも出てきている。とはいえ純資産額はまだまだ僅かで、今後数十年にわたって続いてきた上記の構図に変化が出てくるや否やこの辺の動きが注視される。