インデックス運用の功罪

さて、先の日曜日の日経紙朝刊の一面を飾っていたのは「株指数運用市場を席巻」と題して、低コストで市場平均並みの成績を狙うのが効率的との見方が強まった傾向から本邦市場で投資信託の8割、年金運用の7割が株式市場で株価指数の構成銘柄を丸ごと買うインデックス運用が急速に広がっている記事であった。

これを先導するGPIFは日本株投資における運用比率を2001年度から倍増させているが、倍増といえば日銀によるETF買いもまた然り。異次元緩和策の一環として年6兆円分の購入を目標としているが、日経平均が下げに転じたホワイトデー以降から約1ヵ月で8,970億円分を購入し、その規模は昨年度の株式投信への純資金流入額の実に約7割に相当するほど。

この影響もあって地政学リスクが高まっている割に日経平均がまだ下げ足りないと感じている向きは多いと思う。またインデックスは指数に組み入れられていれば内容に問題があろうが割高だろうが、個別で見ればチキンレースの域でも自動的に買う玉石混合で健全な株価形成に影響が出る弊害も指摘されている。

他にもコーポレートガバナンスコードへの逆風を懸念する声もあるなど上記の件含めいろいろと出始めたが、斯様に最近はかつて予想もしなかった過ぎたるは猶及ばざるが如しのような偏重傾向が各所で表面化する時代になりそれらに対する課題が今後も彼方此方で議論されてこようか。


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