規制と育成
さて、今年に入って静かな値動きで推移していたビットコインだが、昨日の後場に突如として急騰し18年11月以来の高値を示現したのが話題になっていた。これに連れて他のアルトコインも買われたほか、株式市場でも仮想通貨関連銘柄が数銘柄物色されるなどこの急騰が波及していた。
ところで仮想通貨といえば政府は先月中旬に仮想通貨の交換業者や取引に関する規制強策を盛った資金決済法と金融商品取引法の改正案を閣議決定している。規制の網の広がりで金融庁は現物以外の交換業者に別途金商法上の登録制を始めるなど、仮想通貨取引に新たな規制導入の運びとなる。
あの過去最大の流出事件から1年が経過したが、こうした流出リスクやら投機対象としての側面が独り歩きし、警察庁が先に発表したマネーロンダリング疑いのうち届け出が義務付けられた仮想通貨交換業者からの届け出は前年の10倍以上になった旨の報告も為されているなど本来は決済手段としての普及が期待されたテクノロジーの進化もSNS同様に負のバイプロは避けられない。
斯様に投資家保護の必要性が焦眉の急となっている事も背景にあろうが、これで大手中小を問わずに業者側としては登録を通過出来るだけの対応が求められることになる。何れにせよ規制と育成のバランスをどう図ってゆくのか腐心するさまは想像に難くないがまさに黎明期の生みの苦しみともいえる。