タカ派姿勢維持
さて、3年ぶりの対面開催で注目された米ワイオミング州で行われた経済シンポジウム、所謂ジャクソンホール会議でのFRB議長講演は成長鈍化などの痛みを伴ったとしてもインフレが抑制されるまで当面金融引き締めが必要という見解が示された。これを受けてNY株は1000ドル超の急落となり、主要3指数はこの日の急落で8月上昇分を全て吐き出した格好となった。
市場ではこのところインフレがピークを越えればFRBの利上げペースが鈍化するとの楽観的な見方から、VIXも20ポイントに絡んだ動きが継続されていたが週末は3.78ポイント高の25.56と急伸、終値としては6週間ぶりの高水準を記録する事となった。これらを受け国内株式市場も本日は東証プライム銘柄の約9割が下落し、日経平均は約3週間ぶりに28,000円の大台を割り込んでいる。
マーケットは株価など往々にして先回りした動きをとるものだが、利上げ途上での将来の利下げ織り込みの動きは政策効果の面からあまりよろしいモノではなかったというところか。斯様に市場と対話しながらの金融政策の舵取りもその匙加減が難しく映るが、次に注目される8月の米雇用統計から次回のFOMCまでまだ折に触れ振らされる場面も出て来ようか。