大阪最後の一等地
私事だが先月に「グランフロント大阪」で開催されたイベントの応援のためそれこそ10年以上ぶりに大阪に行ってきた。久しぶりに歩いた梅田の街並みは懐かしくKITTEなど新しい商業施設等も出来ていたが、新しい商業施設といえば先週末にはこのグランフロント大阪の目と鼻の先に「グラングリーン大阪」が先行開業しており、日経紙でも大々的な全面広告が出ていた。
このJR大阪駅北側の“うめきた”は大阪の最後の一等地といわれているが、広大な公園の南北を挟む形で北街区には商業施設やホテルが、そして南街区にはオフィス等が入り総事業費は6000億円という。これら様々な機能がそれぞれ有機的に結びつき街全体が盛り上がる姿を目指しているというが、そういえば都市戦略研究所が発表している「都市特性評価」では4年連続で大阪市が1位だったのを思い出す。
このランキング、交通アクセスのよさや経済力が評価されてのものだが、一方で大型オフィスの少なさやホテルの少なさは否めずそういった事で東京一極集中も長年目立っていた。今回はこの辺の課題を埋めてゆくもので、オフィスエリアへは来年に塩野義製薬やクボタなど大阪発祥のプライム企業が本社を移転し、ヒルトンは日本初進出ブランドのキャノピーを開業している。
こういったビジネス空間だけでなく斯様に広大な緑地公園を中心として商業施設や観光等で国内外から人の誘致を狙う街創りは、最近の東京でも「虎ノ門ヒルズ」や「麻布台ヒルズ」に見られる通りで“都市のオアシス”を謳い都市と自然の共生がコンセプトになっている。おりしも今後は関西万博も控えており、この大阪でも自然と都市の融合を掲げた新しい街が未来に繋がる拠点になってゆくかどうか注目したい。