宴席の賑わい今は昔
本日の日経紙投資情報面の一目均衡には「白酒バブル崩壊と中国経済」と題し中国を代表する高級白酒である茅台酒の流通価格が暴落している旨が出ていた。このブランドを擁する貴州茅台酒は昨年の今頃は日本で時価総額トップのトヨタ自動車をも凌ぐ時価総額を誇っていたものだが、今やその時価総額も認証不正問題の余波で高値から20%ほど下落の憂き目に遭ったそのトヨタ自動車よりも下に位置する。
先に発表された4-6月期GDP成長率は予想を大幅に下回っていたが、同社に限らず中国人の旅行需要失速が響いたマカオでカジノを運営する金沙中国や、宝飾大手の周大福珠宝集団もまた時価総額を減少させている。また欧州ラグジュアリーブランドの類を見ても、例えば最近アウトレットからの撤退が目立つグッチなど最大市場の中国で低迷したことが響き4半期連続で減収の憂き目に遭っており、高級ブランドコングロマリットの中でも低迷が目立つケリングの明日の決算発表が注目される。
しかし冒頭の貴州茅台酒もROE約30%を誇り海外の機関投資家にも注目され底堅い需要とブランド力で業界最大手として不変の地位を保ち、一時期は擁する商品の持つ希少性と換金性から金と同じ価値を持つとさえ一部でいわれていたものだがすっかりその輝きも色褪せている。斯様に不動産不況をきっかけに一気に逆回転が起きているが、はたして再度ブルーチップに返り咲く日は来るのか否か今後も注意深く見ておきたい。