114ページ目   雑記

Vで蒸し返し

さて、4月には松山英樹氏がゴルフ4大メジャーのマスターズ・トーナメントで日本人初の優勝を飾ったのが記憶に新しいが、この興奮冷めやらぬままこれに続いて今度は女子ゴルフのメジャー、最高峰ともいわれる全米女子オープンで周知の通り笹生優花氏が大会史上最年少タイでの優勝を成し遂げている。

松山氏のマスターズ・トーナメントからまだそう日が経っていないものの、株式市場ではまたぞろ関連銘柄に対する蒸し返しの動きが一斉に出て昨日は前回ストップ高となったシャフト製造大手グラファイトデザインはじめゴルフウェアのデサント、ゴルフ場運営の東急不動産HD、またゴルフ場予約サイト運営のゴルフダイジェスト・オンラインも一時10%の大幅高を演じていた。

本日も日経平均が反落となる中、上記のデサントは続伸し年初来高値を更新、また東急不動産HDも続伸し年初来高値を更新している。前回も書いたが息の長い相場へ発展する可能性は望むべくもないご祝儀モノとはいえ、このコロナ禍で蜜にならずプレーの出来るゴルフ人気は実際高まっている模様で蒸し返しの持続性もこの辺が背景になっている部分が大きいか。


白紙小切手?

さて、前回当欄でSPAC(特別買収目的会社)について取り上げたのは4月半ばのことでその際の末尾にて日本では未だ解禁されていないと書いていたが、先月末の日経紙総合面では「日本版SPAC解禁検討」と題し政府が米国で広がったこのSPACの解禁を検討、今月に閣議決定する成長戦略に明記する旨が出ていた。

これが先行している米では今年1月から3月で既に調達額は750億ドルに達し、IPO全体の実に70%以上をSPACが占めるなどラッシュの様相を呈している。直近でもSPACを通じた上場で過去最大といわれるシンガポールの配車大手グラブが今年中に米ナスダックに上場する見込みだが、アジアでもそのシンガポールが上場ルール案を公表、香港も年内には解禁との一部報道がある。

とはいえ先行した米でも最近は会計慣行にメスが入りトーンダウンしている模様で斯様にSPACも賛否両論喧しい。雑な言い方になるがいってみれば福袋のようなモノで、○○円相当の中身とのフレコで並んではいるものの開けて見るまで、つまり買収決定まで当局の財務諸表チェックが出来ないだけに事前にミスリードがあった場合など袋を開けた時のリスクは考慮しなければならない。

日本ではかつて解禁を検討したもののユニコーン級のタマの少なさなどから結局は見送りになった経緯があるが、今回は政府内で産業の新陳代謝が活発になるとの期待があり2022年以降の解禁を模索としている。賛否両論あるものの、この件が解禁となった暁には長らくスタートアップ企業の調達の課題であった選択肢の多様化が一歩前進するという事になるのは確かなだけに注目しておきたい。


廃材のバリュー

さて、今日は欲しかった洋菓子の再販通知が来た。と言ってもこれは製品を成型する際に出た端の部分を売る所謂ジャンクモノだが、この製品自体大量に作っているワケではないのでこれがなかなか出て来ず忘れた頃に出ても直ぐに売り切れになってしまうシロモノ。一頃の大量消費の頃は廃棄されてしまっていた物でも、SDGsな最近はこれら無駄無くという気運になってきている。

ところで先の日曜日の日経紙でもカカオの廃材から作ったチョコなど菓子のプロジェクトで地球の環境問題を考える旨の特集が載っていたが、文中の食レポ?は「かなりクセのある苦味」、「ザラリとした舌触り」、「粉っぽい食感」とどれも微妙な言い回しが気になる。それでいて値段もジャンクならまだしも、高級ビーントゥバーの逸品とほぼ同じ札がついているのも個人的には正直釈然としないところ。

食に限らずこうした気運から捨てられていたビニール傘を使ったバックなどの製品の類もたまにTVで紹介されているのを見るが、もともとゴミだったものを現代アートなら兎も角もいくらリメイクの手間を挟むとはいえ数万円の札を見るに何ともという感。フェアトレードの類の品にしても然り各々で賛否が分かれようか。


脱日銀トレード

本日の日経紙マーケット面には「日銀、ETF購入ゼロ」と題し、5月最終日の昨日も買い入れを見送り結局先月は買い入れに動かなかった旨が載っていた。月間ベースでは2013年春の異次元金融緩和開始後で初めてゼロとなった格好だが、最後に観測されたのが4月の21日にTOPIXが大幅続落し1900ポイントを割った時の701億円購入というから確かに久しく鳴りを潜めている。

周知の通り日銀は3月の金融政策決定会合で年6兆円程度としてきたETF購入目安を撤廃の政策修正を表明していたが、上記の購入はこの表明以降初の事であったもののこれまでの一定の下落率というような単純推測では肩透かしに遭い、マーケット関係者の間では悉くコレと言った法則?で測れなくなったのは否定できないところだ。

ところで日銀といえば先に発表された2020年度の決算では保有するこのETFの時価から簿価を差し引いた含み益は21年3月末時点で15兆4444億円と過去最高を記録、実に前年の50倍に急拡大している。財務体質が一層株価に左右され易くなっている背景を鑑み新法則?探りもよいが購入論議と並行し出口政策も自ずと意識されて来ようか。


脱炭素気運

さて、先週は米エクソンモービルが開いた株主総会で気候変動対策の強化を求めアクティビストが推薦した取締役候補が選任されるに至った。またオランダでは同じく石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに対し裁判所が大幅な二酸化炭素の排出削減を命じる判決を言い渡すなど脱炭素に向け世界的な企業に厳しい要求が相次いでいる。

この辺は先週金曜の日経紙社説にも「市場の力を脱炭素社会への移行に生かせ」と題し、上記の例を挙げ日本企業にとっても自社の環境関連の取り組みについて積極的に情報を発信する必要があると書かれていたが、直近では伊藤忠商事がインドネシアで建設中の石炭火力発電所について契約満了を待たず売却交渉を模索と石炭火力から完全撤退の方針を固めた事が明らかになっている。

この手の長期売電などの美味しい案件からの撤退は通常で考えれば理解に苦しむが、脱炭素は自然になるわけも無くIOC会長の言葉よろしく?実現する為には企業側も犠牲を払わなければならない。経産省など太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した事の証明書を公的機関が発行、価格も安くし一般企業が買えるようにする新たな市場創設取組を打ち出しているがまさに世界規模で気運が高まってきている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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