138ページ目   雑記

悲観を呼ぶ悲観

週明けの日経平均は新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず投資家心理が一段と悪化するなか、OPECプラス会合でも協調減産が決裂した事を受け業種を問わず売りが加速し昨年の年明けの急落以来約1年2ヵ月ぶりに節目の20000円を割り込む大幅続落となり、TOPIXも2016年11月以来の安値水準となった。

東証一部の時価総額はここまでザッと130兆円あまりもの減少を見せ上記の通り本日もさながらセリングクライマックスのような四桁暴落となったが、スパイラルな売り圧力で落ちるナイフを積極的に拾う動きは殆ど見られず日銀の粛々としたETF買い入れが先週末同様に1002億円行なわれたのが不気味に目立つ。

日経VIも前週末比で11.30ポイント高の47.71と急伸、斯様な状況から夜間取引に入ってからも19,000円の大台をも割り込む大幅続落を見せたかと思えば急速に戻してプラス圏に浮上する局面もあり、合せてオプション市場もプットが夜間に入り更に倍化したのも束の間、高値から2時間も経たないうちにあっという間に4分の1まで売られるなど東日本大震災やリーマンショックを彷彿させる動きを演じている。

昨年から凪のように横這いだった為替もここ数日であっという間にはや101円台にまで上昇、主力企業の想定為替レートを考えるにここまで僅かに残っていた業績の踏み止まり期待も諦めに変ってきているが、日銀のETF買い入れコストも意識される水準に迫るなか先物中心とした暴走に振り回される展開はまだ収まりそうにもないか。


流出と流入の危機

本日の日経紙商品面には「和牛仔牛6ヵ月連続下落」と題し、新型コロナウイルスの感染拡大で国内の和牛消費を支えてきた訪日客層の減少等から肉相場安が加速、仔牛価格にも下押し圧力がかかる悪循環などで1月は前年比で約5%安となり前年比割れは6ヵ月連続となるなど価格下落が顕著になっている旨が出ていた。

ところで和牛といえば当欄ではブランド化とその保護に関して昨年末に和牛の海外流出を防ぐべく法整備を固める方針の旨を書いていたが、同日の経済面には和牛遺伝資源の海外流出を防ぐべく生産者側の裁判所に差し止め請求や刑事罰含めた法制度が出来る旨が書いてあった。

この手の対策は急務の課題だっただけに些かの後手感は否めないが、まだ他にも日本で10年前に品種登録されたブランドサツマイモの紅はるかなどお隣の韓国で正式に輸入されたものではないにも関らずこのコピーが蜂蜜サツマイモなる名前で今や栽培量の4割を占め、シンガポールや香港などに輸出攻勢している旨を先月のWBSでも観た。

昨年は農産品の輸出目標として掲げた数字が未達に終るなかこうした輸出攻勢は本邦戦略にも影響してきそうだが、TPP発効で冒頭に関して言えば安価な肉やまたフルーツなども然りでこれらが幅広く流通してくるなか本邦のブランド保護問題の重要性はますます増して来ようか。


Super Tuesday

本日の日経平均はVIXやVIが高水準を維持し戦々恐々のなか、日銀によるETF買い入れ観測や米大統領選に向けた民主党の候補者争いを巡り中道派の前副大統領が複数の州で勝利を確実にしたと伝わり、海外の短期筋などが先物へのカバーを入れた事もあって辛うじて小反発となった。

序盤でこそサンダース氏がアタマ一つ抜きんでていたわけだったが、ここへきてバイデン前大統領が予想外の健闘を見せた事が本日のマーケットにもサプライズとなった格好だが、どこで流れが変わるかわからず大統領選に向けた候補者選びは益々激しさを増しているという感か。

しかし米大統領選に向けた米民主党の予備選等が集中するこのスーパーチューズデーもさることながらTV等で多くの学生達が授業が始まっているにも関わらず投票の為に何時間も列に並び、マイクを向けても自身の言葉でビジョンをしっかりと語っている光景を目にするにこの辺一つとっても投票に行きたがらない日本の若年層との違いに危機感を覚える。


令和元年なでしこ銘柄

本日は女子の健やかな成長を祈る年中行事の雛祭りであったが、東京都心の方は午後には17度を超える4月並みの暖かさとなった。今月中旬にも今年の暖冬傾向による商戦の変化を取り上げたが、なんでも雛祭りとしては54年ぶりの暖かさで観測史上3番目の暖かさだったらしい。

その辺は兎も角も今年は新型コロナウイルスの感染拡大懸念で各所のひな祭りにちなんだイベントは何所も自粛ムードとなっている模様だが、ひな祭りといえば当欄では今から7年前にも一度取り上げ今年ではや8回目となる女子社員を積極活用し経営効率も高いという女性が活躍出来る企業として所謂「なでしこ銘柄」が今年も東証で粛々と選定された。

JPXの令和元年度選定企業一覧を見てみると一番上にはカルビーがあるが同社はSDGs食品ロスの関連銘柄でもあり、また大塚ホールディングスも生保系のSDGsファンドの組み入れ銘柄上位になっていた経緯もあり、この辺のカバーなどESG投資が活発化してきている近年はこうした部分に配慮した事業活動の傾向が各社顕著になってきている感がある。


アカデミー賞もSDGs

さて、今年第92回となる映画界最大の祭典でもあるアカデミー賞ではメーク部門で日本のカズ・ヒロ氏が二度目の受賞を果たす快挙となったが、もう一つは韓国の映画「パラサイト」が作品賞など4部門を制するという非英語の映画では初の賞を獲得するといういつもとは違った光景が話題になっていた。

さて、アカデミー賞といえばレッドカーペットにセレブが豪華ファッションで集結するのも定番の光景だが、もう一つ印象的だったのは今回はサスナビリティ(持続可能)がテーマだっただけに女優のグッチのドレスも英アカデミー賞で着たドレスをリメイクしたものあり、また別の俳優のプラダのセットアップも廃プスチック等を再利用したリサイクルナイロン素材を使用しているものなどこの手が目立った。

そういえばこのプラダは5月にブランドとして初めて日本で予定していたファッションショーが新型肺炎の影響で延期となってしまったが、ファッションショーといえば先に英ロンドで開催されたトミーフィルフィガーのショーではオーガニックコットンやリサイクル素材等を使ったこれまたサステナブルファッションが話題となっていた。

これまでレッドカーペットなどの衣装は1回のみという最初で最後の着用が美の定義であったものだが、斯様にサステナビリティを敢えて選ぶという今年の授賞式を見るに美の定義が変わりつつあるこうした光景はファッション業界の歴史が変わる節目を予感させるに十分かもしれない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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