174ページ目   雑記

煽りにAI

本日の日経紙には「不正取引摘発へSNS監視強化」と題し、金融庁がAI(人工知能)で遣り取りを解析し投資家を煽るような投稿で株価を吊り上げ自ら高値で売り抜けるような不正な取引を摘発する為にSNSの監視を強化する旨が出ていた。

SNSの進化で現代では射幸心を煽る手段も多岐にわたって来たが、ネット系で大捕り物のハシリとして記憶に残っているのはやはりバブル期に名を馳せた伝説の仕手筋を語り開設したサイトで新日本理化やルック等の株価を銘柄によっては5倍化まで急騰させ約60億円の売却益を抜いた事件?か。

しかしこんなSNS監視強化とかまさに現代ならではという気もするが、投資家を煽って誰かが売り抜けるのは今に始まった事ではなく一昔前では某雑誌の占いコーナーで選定されたというフレコミで二部品薄株を中心とした小型株が発売日からストップ高連発となったのも記憶に新しく、新聞の尋ね人で暴騰した銘柄もあった。媒体は変遷するものの悪知恵と人の欲は時を経ても不変か。


持ち合い株売却加速

さて当欄では先月22日に「買収防衛策廃止加速」と題し、その末尾では持ち合い慣習とも併せダブルコード導入で今後もまだ実施企業の減少傾向は続きそうだと書いていたが、この持ち合いといえば先週末の日経紙には上場企業が取引先との関係維持などを目的とした政策保有株式の圧縮に動いている旨が出ていた。

近年は所謂「物言う株主」がすっかり市民権を得る一方、斯様にコーポレートガバナンス・コード改定を経て政策保有株圧縮を求める圧力もあって「物言わぬ株主」が対照的に減少しつつあり、これが企業統治の向上や市場の効率化につながりそうだとの期待が大きくなってきている。

こうした動きが活発化してくると持ち合い株売却資金の振り分け先もまた課題となろうが、有価証券報告書の開示が今月末から始まることでこのディスクロで持ち合い株を新たに売却した旨の報告が為される企業が増加してくるのかどうか、先ずはこの辺に注目というところだろう。


サブスク

さて今週の日経紙夕刊・ニュースぷらすには「コーヒー代無理なく節約」と題し、月額飲み放題を賢く利用するなど節約するヒント等が出ていたが、こうした飲食モノに限らずアパレル、ファニチャーから動画音楽配信まで近年は本当にこの所謂サブスクリプションが巷を席巻している。

昨日の日経MJ紙でもやきとり屋展開のゼロスターが来月から定額制の手羽先食べ放題を導入する旨が載っていたが、会員数が増えようが基本コストにあまり変化のないデジタルコンテンツとは違って飲食の場合は会員数増加に比例してそのコストも膨らむだけに誤算から撤退組もチラホラ出てきている。

若年層のクルマ離れも言われて久しいが、使用頻度が毎日でなければ維持費を払い所有する必要性を感じない時代になっており私の近所のガソリンスタンドなどここ1年で洗車サービスまで無くなりほとんどレンタカー屋になった。この辺はアパレルもまた然りで車ほどでないにしろメンテ費用の観点からこれまた定額制が人気だ。

ITの発達で斯様な自動車シェアやアパレルのコーディネート提案など飛躍的に枝葉が広がる一方で上記の通り飲食サービスは明暗が分かれつつあり、今後のサブスクリプションは企業側も消費者も双方ここから取捨選択が進んでこようか。


文具業界もまた

本日の日経紙企業面には「コクヨ間接出資ぺんてるが反発」と題し、筆記用具大手のぺんてるが同社の合意を得ずにコクヨが東証一部のマーキュリアインベストメントを通じ間接出資している件で、経営の独立性が脅かされるとして同社への反発を強めている旨が載っていた。

この両者、今年2月のTBSジョブチューン「文具メーカーが大集結!他社のスゴいところぶっちゃけSP」では、ぺんてるの文字を書いたりイラストを描いたりする事の出来る筆ペン「アートブラッシュ」をコクヨの社員が絶賛するシーンもあり、微笑ましく映ったりしたものだがやはり社員と経営陣とでは事情は異なるようだ。

この件、一部にはぺんてるが本当は株式を持ってもらいたかったのは、上記の番組でコクヨと共にぺんてるの「アートブラッシュ」を絶賛していた同業大手のプラスであるという話もあるが、何れにしろ結末次第で構図が大きく動きそうな経営権を巡る身近な業界のゴタゴタだけに今後の行方も目が離せない。


同時並行

昨日の日経紙エコノフォーカスでは「現金需要なお強く」と題し、日米欧の先進国でクレジットカードなどを使うキャッシュレス決済比率の高い国も含む各国・地域で預金金利の低さといった金融環境などを背景として、ここ5年間に現金流通高が2〜4割増えるなど急増している旨が出ていた。

冒頭には駅の券売機からスマホで現金を引き出せるサービスが載っていたが、先の新紙幣と併せキャッシュレス決済手段が広がるなかでのこうした現金需要増の違和感について過日のTV放映でもコメンテーターが同様な事を言っていたのを思い出した。

当欄では昨年末にキャッシュレスの伸びしろについて書いた事があったが、当時も書いたようにクレカが普及している土壌というのも然る事乍ら、記憶に新しいサイバー攻撃による仮想通貨の大量流出事件や盗難パスワードの悪用事件等々キャッシュレスへの踏み出しに躊躇する材料目白押しな背景等もあり先ずはこれらの不安払拭も課題だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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