174ページ目   雑記

にわか爆買い

さて、周知の通りの米対立を原因として深刻な急落に見舞われているトルコリラだが、最大都市のイスタンブールなどでは店側の価格改定が追い付かず、外貨ベースでの割安感が大幅に増した高級ブランド店には連日外国人旅行者が長蛇の列をなして殺到している模様が伝えられている。

ブランドによっては自国の約半額にまでなったケースも出ているようだが、欧州高級ブランドといえば先に発表された仏LVMHの1-6月期純利益は前年同期比41%増となり、仏ケリングも純利益が3倍近く拡大した模様だ。ミレニアル世代やエシカル志向へもターゲットを広げアジア地域も活気を取り戻したのが背景という。

そんな折に足元では米中貿易摩擦への警戒感が依然燻っておりアジア地域の消費意欲に再懸念も一部出ているものの、本邦では高額コト消費など中心に富裕層の高額消費が増えている旨が先週の日経紙夕刊一面を飾っていた。斯様な環境下で消費者の細かなニーズにどれだけ対応出来るかが鍵となろうが、冒頭の爆買い現象よろしく一点依存型のリスクも経験しているだけに各社の舵取りが問われよう。


きれいな花には棘が

周知の通り米国とトルコの政治的対立を背景にトルコリラが急落、他の新興国通貨にも影響が出始める等世界の金融市場が揺れている。対外債務問題等大きなところ以外でも末端の個人もFX取引はじめ、投信ではトルコ株やリラ建てで運用するモノが10日時点で50本以上、純資産残高は合計で約2500億円あるという。

リラなど新興国通貨建て商品の魅力としては先ず高金利というのが挙げられるが、インカムを貰ってキャピタルでそれ以上に取られるというリスクとは常に隣り合わせ。しかし高金利投信といえば構造上違うといえボラが一定の範囲に収まっていれば享受出来るというモノも多数発行されているが、今回のような事態になれば裏返しのリスクをいっぺんに被る事になる。

残高の多い欧州ハイ・イールド債券ファンドのリラ建てのモノなどここ3ヵ月で基準価格が23%低下していると日経紙に出ていたが、こうした時に独特の選好性というものが表面化するもの。手数料含めこうした時にこそ改めて欧米諸国の投信事情と比較するにその特異性がよく見えるものである。


アパレルの異業種

さて、今週アタマの日経MJ紙には「黒帯気分で押忍!」と題し、先月に空手を取り入れたフィットネス「ビーアイエフ・バイ・ナージー・ハラジュク」が原宿にオープンした記事があった。フィットネスジムといえば最近では先に挙げたシックスパッドステーションなど様々な形態が増殖しているが、空手フィットネスを手掛けたのはアパレルのジュンである。

同社社長曰く「姿勢を良くすると体幹が鍛えられる。そういう体で服を着るというのが一番美しく見える。」とのこと。殿方には残念ながらココは女性専用という事だが同フィットネスの公式アンバサダーには世界空手道選手権大会優勝者の女性を据え、ロッカールームのドライヤーは全てヘアビューザーという拘りよう。

思えばかつて同社はエアロビクスを世に広めた立役者としても有名だったが、これに限らず当欄で今年3月にも書いたようにここ数年はファッションの枠を飛び越え衣食住を含めたライフスタイルを提案するアパレルメーカーが増えている。異業種を組み合わせることでこれまでにない相乗効果がどう創造されるかこうした部分に今後も注目しておきたい。


知日家フレンチ

さて、今日はネットにラ ブティックドゥ ジョエル・ロブションのサマーセレクションの案内が来ていたが、ジョエル・ロブションといえば今週アタマには同氏がスイスで亡くなったという報を思い出した。著名なフランス料理のシェフといえば、今年は年明け早々にやはり3つ星シェフのポール・ボキューズ氏も亡くなっている。

ジョエル・ロブション氏といえば大の知日家としても有名で、94年にオープンした恵比寿の旗艦レストランを含めて国内で10店舗を展開している。妥協を一切しない完璧主義者で上記のサマーセレクションのようなアイスクリームなどのライセンス商品でさえ全て自身で納得のゆくまでチェックしていたという。

知日家だけに著名寿司職人とも交流があり、カジュアル路線のラトリエドゥジョエル・ロブションのロングカウンター形式など寿司店から発想を得たというのは良く知られる話。直近では先の西日本豪雨で被災した旭酒造の獺祭ともコラボし、パリ8区にサロンもオープンするなど日仏を繋ぐキーマンだっただけに残念だが今後氏の哲学がどう昇華されてゆくのかこの辺に期待したいところ。


新たなベンチャーファンド

本日の日経平均は反発となったが、高寄与度のソフトバンクGが大幅高となり相場を牽引した。昨日発表した同社の2018年4-6月期連結決算は営業利益が前年同期比49%増となり同期では過去最高を更新したが、これに大きく寄与したのが昨年立ち上げたファンドの事業利益で、2.3倍に膨らんだ模様。

ソフトバンクのというより孫氏の有望企業を発掘する目利き力は誰もが知るところで2000年に約20億円で投資した中国・アリババ集団などは保有分時価が実に15兆円に大化けしている。事業別の寄与度を見るにいよいよソフトバンクも投資会社としての色合いが一段と濃くなってきた感もある。

ところでファンド立ち上げといえば本日の日経紙投資情報面には「本田選手が挑む閉じた世界」と題し、サッカー日本代表本田選手が米の創業間もないスタートアップ企業に投資するドリーマーズ・ファンドを立ち上げた旨の記事があった。チームを組むのは錚々たる面々で早速野村HDは参加を決めている。

ソフトバンクのアリババよろしくフェイスブックも上場前に投資すればリターンが驚異の1万倍になったとも書いてあったが、かつてサッカー日本代表といえば中田選手なども金融の世界に手を広げていった経緯がある。本田選手の視点はまた一段違う所にあるが従来の金融業界の所謂慣習にとらわれない新たなベンチャーとして今後注目してゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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