250ページ目   雑記

秋の味覚

今の時期は秋の味覚サンマがほとんど毎日チラシで登場するが、先の日曜日付け日経紙・春秋にはこのサンマが近年のアジア周辺諸国の漁獲量急増で末端価格もその辺のシワ寄せが来ている旨が書いてあった。この辺はTV放映でもたまたま見かけた事があったが、卸値も5年で3割上昇となり今後も上昇見通しが強まる傾向という。

そんな背景もあって漁業管理を議論する国際機関「北太平洋漁業委員会」の初会合が今月はじめに開かれサンマに関しては同海域の公海で操業するサンマ漁船数を急増させないという日本案が採択されている。また水産物の規制強化といえばクロマグロも資源量が減少し漁獲規制導入で先高観が台頭している。

ここ近年は鰻の高騰が言われて久しかったが、上記の通り高級路線のクロマグロから庶民派のサンマまで何やら厳しくなってくる気配。高級路線といえばもう一つサンマと並ぶ秋の味覚の松茸も店頭で品揃えが豊富になってきたが、これまた地球温暖化の影響や林業衰退から里山の崩壊が影響して収穫高が急減してきている模様。一つ一つ特に日本人の味覚ばかりが枯渇に向かっているようでなにやら気味が悪い。


かんぽが刺激か

本日の日経紙社説には「契約者の利益を重視した生保再編に」と題して、大手生保による国内外での買収が活発になってきた旨が出ていた。国内では先月に日本生命が三井生命保険を買収した件が話題になっていたが、国内生保も時を経て再編機運が再燃してきた感がある。

現在生保の上場組といえば大手では第一生命保険だが、上記の買収では保険料収入や資産規模も同社を抜くことになる。とはいえこれがほんの再編スタートとの見方が多いのはやはり先に上場承認となった「かんぽ生命保険」の存在がやはり大きいか。16年3月期の経常利益は3割減予想とはいうものの、その規模は日生を凌ぎ全国の郵便局網を駆使出来る販売力は脅威だろう。

以前にも書いた事があるが、地銀業界よろしく人口減少等で環境変化も激しくなる中で中堅や外資系への動向も注目されはじめている。上記の第一生命以外でも株式を上場している中堅もあり、各社それぞれの思惑が一致すれば再編の枝葉はどんどん広がる。またM&Aも活発化してきており、かんぽ生命上場と絡めどういった構図に塗り替わるのかまだまだ注目である。


取引多様化

先週末の日経紙一面には「日本株売買シェア外国人7割超」と題して、乱高下が続いたここ最近の乱高下相場で概ね60%台だった外国人投資家の売買シェアが9月第一週には72.5%に跳ね上がり、実質最高を記録した旨が載っていた。

その背景にはここ最近の値動きの荒さを好機と見たヘッジファンドの活発な動きがあるが、斯様に乱高下が投機勢を増殖させるのかはたまた投機勢が乱高下を誘発するのか何れにせよ鶏と卵ではないがこれらは相互に関係。東証が新システムを導入した2010年以降は相次いでこの手のコンピューターで高速、高頻度に取引する海外勢が日本市場に参入し増加している事が伝えられているが、日本取引所の自主規制法人は今月に海外投資家の株式売買を専門に監督・審査する「国際審査室」を新設。

この手の取引が普及するに伴い分散注文から果ては国境を越えた取引まで取引実態の見えにくさが際立ってきたが、これまで売買審査部のスタッフが全て審査していたものを細分化する試み。これまで証券取引等監視委員会等の機能にしても日本は長年その手薄さがいわれてきたが、この辺のマンパワー拡充も市場成熟と共に課題になってくるか。


ベンチャーとホットマネー

昨日の日経紙夕刊の一面を飾っていた記事に「米投資会社が日本進出」と題し、米シリコンバレーに本拠を置く有力ベンチャー投資会社の500スタートアップスが日本に進出する旨が載っていた。政策や円安も追い風に成長が期待できる日本のベンチャーを発掘するという。

こうした有力ベンチャーでは米グーグル系が出資する教育ベンチャーが英会話ベンチャーの買収などを決めていたが、教育系ベンチャー企業対象10億円のファンドを今月設立したコマンドエヌなども500スタートアップ同様に米シリコンバレーの投資会社傘下で今年2月に設立され上場株式の取得に動いている。

例えば先月時点で学習塾を運営する東証一部の秀英予備校株式の9.75%を保有している事が判明しているが、この大化け効果の覚えで新たに発行済み株式の14%の大量保有が明らかになったエスケイジャパンは昨日のストップ高に続いて本日も2日連続のストップ高と破竹の勢いである。枝葉が分かれてホットマネーの流入も様々だが、末端への波及効果も投資への起爆剤となっている。


巨大企業の呪縛

昨日は村上ファンド等に絡めコーポレートガバナンスコードについて触れたが、会計不祥事のゴタゴタの影響で前期決算発表が遅れに遅れた東芝が各所の人事を見直し、このコーポレートガバナンス改革も打ち出すことになった。

とはいえ今回の会計操作の事件は、つい先週の2020年オリンピック・パラリンピック競技大会エンブレム使用中止騒動と同様にどうも責任の所在が有耶無耶にされたまま幕引きが為されてしまう気配が濃厚だ。日経の社説にもこの問題を日本市場の不信につなげるなと書いてあるが、この手の企業にありがちな呪縛は容易には是正されないというところか。

ところでマーケットの方だが、特設注意市場に指定する方針という。過去記憶に新しいところではオリンパスやその前のIHIのそれがあったが、経済界の重鎮を数多く輩出した企業のこんな失態で頼みの外人勢への心象というか市場全体へのイメージもまた懸念されるところで、これらの払拭が急務になってくる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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