255ページ目   雑記

視聴覚

昨日の日経紙では朝刊・夕刊共に特許庁が直近で新しく認めた商標に絡めて、企業等が商標取得に向けて厳しくなりつつある審査突破を睨んだ動き等について書かれていた。先の新しい商標の中にはCMで流す音や声までが登録されたのは新鮮であったが、一寸前に揉めていた正露丸など思い出される。

上記の通り昨日の朝刊では「色の商標権、企業が争奪戦」として色彩に関しての企業の関心の高さも載っていたが、確かにコーポレートカラー等として各社この辺は周知徹底されているだけに登録獲得しておきたいところだろうが単色での登録はティファニーブルーなど一部に限られ事例が少ないという。

確かに個人的にも昔見たKOREANAIRのCMは、最後に企業ロゴが出るまでてっきりティファニーのCMと勘違いしてしまった事があったのを思い出したが、この辺が長年親しまれ認知度が高い物の証なのだろうか。他にもルブタンのあのレッドソールに関しての裁判沙汰の話もあったが、主観と客観が鬩ぎ合う商標権の世界は実に難解を極めるか。


撤退と進出

本日の日経紙一面には「中国高齢化、巨大市場に」と題して、ニチイ学館やエーザイ等が中国の急速な高齢化をにらみ現地向けのサービスに積極投資する旨が載っていた。日本で培った事業ノウハウを活用し、巨大市場の変化を商機として掴むという。

斯様に中国ビジネスに商機を見出す進出組がある一方で、先週末の同紙では日清食品HDが中国での即席麺合弁事業解消の報道もなされている。提携企業と戦略に温度差があったというが、同じ食品業界ではヱスビー食品が生産を打ち切り、カルビーに至っては商品戦略での意見の違いから合弁設立からわずか3年というスピード解消をしている。

他にも今年に入ってパナソニックの液晶テレビ生産打ち切り、NTTコムの事業計画頓挫、ホンダの新工場建設見送り等の報道もあったが、1-9月の中国への直接投資実行額は前年同期比25%減と中国経済の減速も影響したのか対中進出への衰えが顕著だ。かねてより様々なリスクから対中ビジネスの難しさは指摘されてきたが、個々の戦略とコミット次第で今後も明暗が分かれてくるのは想像に難くない。


銘柄共々不可解な動き

さて、昨日の引け間際に起きた不可解な動きとして黒田電気や三信電気の急落が一寸した話題になっていた。黒田電気は引け間際わずか1分そこそこで200円以上も急落、また三信電気も黒田電気とまったく同じ時間帯で150円以上もの急落が目を引いたが、両社とも当欄で取り上げた経緯があるように最近はあの村上ファンド関連が買い集めに走った銘柄として注目されていたモノ。

この引け際を挟んで証券取引等監視委員会による村上氏への強制調査が彼方此方で報じられこの急落現象も合点がいったが、容疑内容はTSIホールディングス株の株価操作という。空売りで不正に株価を下げたというが、当の銘柄は前身が同氏の買い集めから日本で初めてのプロクシ―・ファイトとなった東京スタイルという曰く付きの企業。

まあその辺は兎も角も、借株して利益を得る行為が今回強制調査を受けるハメになってしまった経緯が一寸不透明な感は否めない。最近では貸借指定で無い銘柄まで証券会社が貸すサービスを行っているところまであるが、この手がクロなら魑魅魍魎のヘッジファンドのショートなど殆どがこれに抵触してしまうのではないか?

沈黙を破って再度の同氏復活劇の背景には今年のコーポレートガバナンスコード適用に商機を見出したという部分も大きいとの見解を書いた事があったが、先週逮捕された仕手筋の大物代表も沈黙を破っての復活であった。両者共に相場操縦の金融商品取引法違反容疑で過去にケチがついていた者同士であったが、立て続けに挙げられるのを目の当たりにし正直こちらも釈然としない感は否めない。


今年の改正大綱

本日の日経投資情報面には、金融庁が2016年度の税制改正で要望している株式等の取引とデリバティブ等の金融派生商品取引との損益通算について、ネット証券等が個人投資家の賛否を調べたところ93%が賛成だったことが24日分かった旨が書いてあった。

この辺に関しては確かに今月中旬頃、「個人投資家に有利な税制改正に関するアンケートご協力のお願い」と題してネット大手からお伺いが来ていたの思い出した。その項目は未経験だった新たな投資商品に食指が動くかなど投資行動に変化が出るか否か等複数あったが意欲的な回答もあった模様だ。

税制改正大綱については今からちょうど4年前にも当欄で取り上げた事があったが、当時からこの株式とデリバティブの通算に関しては検討事項に盛り込まれ続けてきた。デリバティブ以前に損益通算といえば直近ではNISAもやり玉に挙げられていたが、総合取引所創設にも絡んで長年の悲願は叶うのかどうか実現の可否には注視しておきたい。


風雲児

さてちょうど一カ月ほど前の当欄では「因果」と題し、証券取引等監視委員会が金商法の疑いでバブル期に大物仕手筋として知られた人物を東京地検特捜部に告発する方針を固めた旨を書いたが、先週はとうとうこの本尊含む3人を東京地検特捜部が逮捕した旨が各所で報道されていた。

この逮捕劇でこれまであまり語られていなかった大学の大学院で助教をしているという長男の存在なども明らかにされたが、同氏はそこで数理ファイナンスを専門にして皮肉にも金融市場の数理モデルにおける流動性の問題などテーマに挙げていたというからなんともというか成る程といったところか。

しかし振り返ってみれば同氏はこれまで大量にカラ売りを誘い現引きも駆使した取組演出から全員参加の派手な相場形成を様々な銘柄でやってのけてきたのが記憶に新しいが、場立ちの連中が消え冷徹な高速売買が市場を席巻する時代にネットを駆使した相場形成で沈黙を破って再登場したのは昔を知る向きにはけっこう衝撃的であった。

場立ち時代に比べ貸借規制も含めはるかにキツくなった背景含めた現代ならではの短期決戦型であったが、やはり最終的にはこんな形で表舞台からまた姿を消す羽目になってしまったのも時代の変化を感じざるを得ない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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