287ページ目   雑記

仮需崩壊とPKO?

ちょうど2週間前の06/22の当欄では「想定内のクラッシュ」として、一週間の下落率が約13%と2008年以来約7年ぶりの大きさとなった上海総合指数を書いたが、先週末も前日比5.77%安の3,686.915と続急落、その週末までの3日続落では約14%も急落するなどまさに「山高ければ谷深し」といった状況になっている。

また末尾では、政府が株高維持を重要政策としているだけにこれ以上過度の株安を容認するのかどうかにも今後の関心が向かうとしたが、やはりというか需給悪化防止の為にIPO承認の当面停止を決定、こうした制限に加え大手証券21社も総額約2.4兆円以上を株式投資に充てることを柱とする下支え策を発表してきた。

しかし需給悪化防止策はいいが、ブルームバーグによれば現状で上海と深圳両取引所での信用買い残の時価総額に対する比率は2日時点で4.4%と急落が始まる前の12日の3.6%から更に上昇、規制対象となっていない信用買い入れを含めればその比率は実に9%を超えるといい、対してショートは0.03%未満というからこれはもう需給悪化進行の典型だろう。

いずれ近々訪れるのは確定していたこの崩壊、こんな国を挙げてのPKOも懐かしいが発展途上市場では結局自国なりのやり方で試行錯誤しながらしばらく学習してゆく以外に方策はなさそうだ。


コーポレート・ガバナンス元年

さて、東証に上場する3月決算企業の41%が総会を開いた今年の株主総会のピークから約1週間が経過したが、ピークといっても同一日に95%以上もの企業が総会を開いていた一昔前と比べるに随分と分散が進んできたものだと今更ながら感じる。

ちょうど二年前の当欄では「株主総会変遷」と題して、末尾に「株主総会も時世其の時々のカラーが色濃く出て面白い。何れにせよ今週月曜日に書いた長期投資家誘致も株主との対話がキーになってくるだけに総会も益々重要性が増してこようか。」と書いた事があったが、この対話と言えば今年は企業と株主の双方に対話を促す指針が適用された初の総会となった。

3月に当欄で対話型に転換として取り上げたファナックは例年の約2倍の時間を割くなどかつてのIR消極姿勢から大転換、他企業も株主還元や成長戦略等具体的な発言が相次いだがやはり総じてROEが役員選任等も含めてあらゆるものの物差しになってきている傾向が顕著であった。今年のコーポレート・ガバナンス元年が、双方の距離を縮め好循環の起点となるのかどうか大いに期待したいところである。


政策株圧縮期待

さて月替りの本日も証券各社のレーティングが各銘柄で上がってきたが、これまでTOPIXを牽引してきたメガバンク系ではCSがみずほFGを投資評価ニュートラル継続ながらも目標価格を引き上げていたのが目に付いた。

同行といえばちょうど1か月前に他のメガバンクに先駆けてコーポレートガバナンス報告書を発表するなどしており、保有意義が認められる場合を除き政策株は保有しないと明記、政策保有売却を通じ資本効率が高まるとの先取りもあり数量もこなせる事で大商いを演じてきたのがこれまでであった。

当欄では新年度入りした4月あたまに「持ち合い解消促進」と題し上記のような銀行以外で百貨店を挙げ、末尾で今後は持ち合い株の最後のあぶり出しが促進される可能性が高くなるかと書いたが、斯様に政策保有株は囃された銀行だけの課題ではなく他業種にもわたり企業全体の課題、今後も呪縛の解放に注目したいところ。


人材登用リスク

ここに来てにわかに入ってきたニュースにトヨタ自動車の常務役員が米国から麻薬を密輸したとして、警視庁から麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたとの報があった。疼痛を和らげる医療用麻薬の一種である錠剤を国際郵便で輸入したという。

同薬は良く知られるモルヒネに比べて約1.8倍の効力があるというシロモノであのマイケル・ジャクソン氏も常用していたとされるモノであったというが、どう見ても正規の手続きを経ていない真っ黒な輸入方法が問題だったようだ。

しかし、同役員といえばちょうど2か月前の今年の4月に初の女性役員として鳴り物入りで同社役員に就任したばかり。グローバル人材活用が共通の課題となり人材多様化をちょうど推進している矢先の海外人材登用のリスクが改めて表面化したような一件であったが、今後の対応が課題になりそうだ。


養蚕革命

さて今週はたまたま見かけたWBSの中で、ちょうどGWを挟んで新宿のグッチで行われていた現代美術科のスプツニ子!による「Tranceflora・エイミの光るシルク」なる特設展が取り上げられており、そこで展示されていたドレスに使われていた光る絹糸にフォーカスがあてられていた。

これを見た時に昨年に同じ糸で作られた十二単の存在を思い出したが、同展で使用された絹糸も農業生物資源研究所が2008年に開発したオワンクラゲやサンゴの遺伝子を組み込んだ遺伝子組み換え蚕の繭から作られたモノで、紫外線を当てると光る特性があるユニークな物。他にもクモの遺伝子を組み込み通常の1.5倍の切りにくさを備えたクモ糸シルクなる物もある。

ところでシルクといえばかつて養蚕業は世界を席巻し、先物市場にも前橋乾繭や横浜生糸が上場していたものだが今や新興国に押されて風前の灯火となり先物市場からもその姿を消している。それがここへきて上記の通り付加価値を持ったシルク開発技術は、再生医療から化粧品までの利用拡大を視野に入れつつ再度日本が先行しており、産業化確立を視野に入れた動きとなっている。

昨年は養蚕業の象徴であった富岡製糸場が、日本の近代化遺産で初の世界遺産登録となった。衰退してしまった養蚕農家も、こうした将来の私達の生活をも変える可能性を秘めている技術応用をもってもう一度世界遺産と共に立て直す大きなキッカケになるかもしれなく今後も期待したいところだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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