305ページ目   雑記

J―GATEの課題

さて、先物やオプションをやっている向きなら今週は週明けの商いでおやっ?という感じになったと思うが、周知の通り日本取引所グループ傘下の大証でこの日はシステム障害が発生、上記のオプションなどデリバティブの取引が最大約4時間にわたって出来なくなったという一件があった。

同システムはナスダックOMXグループ製で2011年に導入したものであったが、トラブルの原因は日経平均オプションの売買に関する処理プログラムやら、サーバートラブル云々ということであったが停止したのは今回が初めて。

これで影響が出たのは現物との裁定が出来ずボリュームに変動をきたした点などだが、直近では昨年に東証で起きたデリバティブのトラブルや、その前のアローヘッドの障害等でも現物のトラッキングエラーで先物との裁定に影響が出た経緯がある。

この日経平均先物は米CMEやシンガポールでも取引されているだけに、それこそこの辺の信頼回復に時間がかかることなどになれば下手をすると取引の流出懸念も台頭し、またこれと同様に新興国への輸出等にも影響が出る恐れがないわけではない。

市場ではモルスタ世界株指数に組み入れられるとの事からTOPIX買い需要120億円同様の資金流入が想定されるとしてここ急伸してきた日本取引所株であるが、来年には大証にデリバティブを集約する予定となっており、他のアジア取引所との競争に勝ち抜く為のデリバティブ強化を打ち出している時だけに更に万全な大勢が求められる事になろう。


お国柄いろいろ

週初の日経産業紙には「息の長いタイの成長」として同国の昨年の経済成長率が年初予想の4%台を上回る6.4%に達した旨が載っていた。一昨年の大洪水試練を経ての伸びだけに今後にも期待がかかるが、最近のもう一つ緩い話題ではタイ政府系の格安航空会社ノック・エアが制作した水着女性のカレンダーに文化庁から物言いがついた一件もある。

見たところ別段不快に感じる部分など何処にも見当たらないと感じるが、当局によればつまるところ「女性の尊厳を無視している」ということらしい。一部特定向きが多いだけに航空会社のカレンダーは折に触れ話題になるが、この手ではメキシコの某航空会社はCAらのビキニカレンダーを出し、アイルランドの格安航空会社もインナーを纏ったCAのカレンダーなど出し、スペインの某航空会社に至っては更に進化?した物を出した経緯もある。

そういえば昨年だったか、ベトナムのジェットエアなど、ホーチミンからリゾート地へ飛ぶフライトのなかで女性によるダンスを機内で乗客に提供したところ、航空局から不適切なパフォーマンスとして形ばかりの罰金を科されたそうだが、この手の件こそお国柄が出るといったところか。賛否両論あろうが、まあ総じて築地のマグロじゃないが損して得取れでいいプレスになったのではないか。


円安駆け込み

周知の通り政府は、次期日銀総裁として金融緩和に積極的な現アジア開発銀行総裁を起用する人事を固めている。この報でドル円は一時2010年5月以来の94.77円まで上昇、お約束のように日経平均も年初来高値更新と高いが、こんな急激な円安によって高くなるのは何も株に限った事でなく輸入モノもまた然り。

高級ブランドなどこの手の為替動向(いつものことながら特に円安方向)には極めて機敏に対処し、仏のLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは日本のルイ・ヴィトン・ブランドの一部商品の価格を中旬に平均で12%引き上げている。

これで駆け込み需要あるや否やと注目はしていたが、某大手百貨店では同ブランドの今月1〜14の売上高が前年同期の2倍に膨らんだという。ただ全般でも主力の大手百貨店では今月に入ってからの高級ブランド売り上げが前年同期比で25%前後の伸びを、見せ何れも1月の伸び率を上回るという。

この辺の数値を見ても株高効果の力を感じるが、しかしこんな高級ブランドに限らず一般モノでも身近なところでガソリンは11週連続高、輸入小麦の買い付け価格も3週連続高となっており、値上げが全く気にならない向きは扠措きそうでない向きもそれなりに円安の恩恵を享受出来る投資関係など防御策?に嫌が応でも関心が高まってこようか。


隕石の真贋

さて最近のニュースでは、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州周辺に隕石が落下したとの報があった。被害地域は10地区に上り落下の衝撃で多数の負傷者が出た一件だったが、隕石といえばほとんどが海に消えるために地上へ来るのは希で落下の予測も天気予報のようにはいかないらしい。

これだけ大きな破片が落下したということでその捜索の方も気になるところだが、同州副知事によって隕石捜索は1日限りで週末には既に捜索を中止したことが明らかにされている。騒動沈静化の狙いとの見方もあるが、やはりというかその直後からにわか隕石ハンターによる偽物の出品がネットに相次いでいる模様。

一部にはロマンを誘う貴石だけあってロレックスのメテオライト等にも隕石が使われているが、世界初の隕石素材を配し時計の中心には太陽系を模したプラネタリウムが取り付けられているルイ・モネのメテオリスなど3億7千万円の値札が掛かる。また米大学にアマチュアが持ち込んだ隕石に85万ドルもの値が付いた件もあってこれに引っ掛け一稼ぎを狙う輩が出るのも自然なところだろうか。

昨日は金を取り上げたがモノによってはこの金の数十倍の値が付くわけだから凄い価値だが、ところで隕石といえば日本でも約一ヶ月ほど前に茨城県を中心に関東の広範囲で大爆発音を伴う先行が多数目撃されたとの報があったが、あれは結局何だったのだろうか?


助勢転じて阻碍か

先に発表となった2012年10-12月期GDPは前期比年率で0.4%減とマイナス幅が前期から大幅に縮小、円高是正や大型財政出動期待から政策主導で輸出や消費が待ち直しているというが、その円といえば週末のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本が名指しされなかったという安心感から大幅円安となっている。そんなワケで果たしてというか週明けの日経平均も冴えない週末の相場から一転して234.04円高の急反発となった。

まさに政府の思惑通りに粛々とコトが運んでいる感じだが、そんな一助となればとの思いからなのか今回のアベノミクスでは政府・与党の要人がアナリストの如く相場の具体的水準に言及する報道がやたらと目に付く。この辺に関しては週末の日経紙社説でも政治家は相場から距離を置いてと書かれていたが、確かに特定の思惑を誘発するのは間違いないところか。

昔も自民系で相場に言及し物議を醸し出した向きは居たが、世論も上げ賛成のなか訝しがる向きも少ないのかもしれない。こんな時代には一方で相場格言の一つ「相場のことは相場に聞け」というのを持ち出してトボけた政府要人もまた混在したが、確かに今はVIが高水準なだけにその影響度から波乱要因となるのは明白だろうし、何とか乗り切ったG20後のいま海外勢と新たな軋轢を作らない為にも自重するに越した事はないだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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