352ページ目   雑記

大阪初上陸

さて今の時期、夜になるとリビングからは毎年恒例になったピンクリボン活動の啓蒙でホテルの外観をピンク色にライトアップした「ザ・ペニンシュラ東京」の妖艶な佇まいが見られるが、此処が出来てからはやもう三年が経つ。

丁度ここは「マンダリン・オリエンタル東京」が開業した後にオープンし当時は外資系ホテル戦争ともいわれたものであったが、東京が昨年の「シャングリ・ラ東京」のオープンで一服している時に先週末に大阪では米スターウッドグループの最高級ブランドである「セントレジス」が開業している。

位置付けでいうとヒルトングループにおける「コンラッド」のような立場だろうが、今まで大阪で外資系のアッパークラスというと「リッツカールトン」くらいしか頭に浮かばなかった。そんなことから十分な市場機会があると此処の地を選んだのだろうが、室料は7万円くらいからと国内では最高レベルに設定と強気の構えである。

長引く不況でホテル業界の経営環境が厳しい上に、折しも円高で海外観光客への期待も一気にトーンダウンと逆風下でのデビューとなるが、上位ブランドといえばもう一つ13年には英国系「インターコンチネンタル」も開業に向けて三菱地所等と交渉している模様。室料もオープン当初は優待やら記念料金の名目でお試し価格は定番なものの、稼働率を追う為にその価格帯が恒常化してしまうのが昨今の現象でもある。そんなジンクスを破る事が出来るのか否か大阪ホテル戦争の今後も興味深い。


形振り構わぬ競争

市場関係者には注目されていた週明けからの金融政策決定会合であったが、周知の通り日銀はゼロ金利を継続させ、国債や社債など5兆円規模の資産の買い取りも決定した。

日経平均もこれを好感して本日も大幅続伸となったが、分配金利回りなどみてもともと割安感もあったREIT指数も急反発、REIT指数が急反発となれば個別でも不動産ポスト始めとしてオリックスなどやはり反応が早い。またこのその他金融業ポストではそのメリットが意識されてADRではアイフルが上昇率トップとなっていた。

さて、そんな一方でコモディティーの方では一昨日取り上げた金が昨日も史上最高値を更新、量的緩和競争に入ってきた今の情勢を如実に反映しているが、ここ直近の上げ方を見ているとこれら金融上の政策が相当量のプレミアムを乗せてこの相場へと織り込まれている感もある。

兎も角これで「通貨安戦争」参加に続いて「量的緩和競争」にも着手したワケだが、当の円相場は政府・日銀が単独で円売り・ドル買いを実施した15日以来約3週間ぶりに82円台へと上昇、介入以降は円高是正局面があっても尽く一日天下に終っているが量的緩和といってももともとの絶対水準が低く、投資家のリスク選好度が高まればドル売りの構図がやはり思い浮かぶのは自然なところ。そんなワケでこの競争、はたして奏功するかどうか今後を見守りたい。


熱烈(冷淡)歓迎

さて、今月連休明け21日の日経紙には、野村の訪日消費関連株投信(愛称=熱烈歓迎)の派手な全面広告が出ていたが、本日はその設定日であった。

直近では尖閣諸島沖の領海での衝突事件を巡って一千人規模の日本青年上海万博訪問団の受け入れ延期を一方的に通告してきたり、レア・アースを出さんと圧力をかけたりSMAPその他のイベントまで中止含みとなるわで、中国政府は日本への強硬姿勢を様々な部分において一段と鮮明にしているが、お花畑な日本は上記投信のタイトル通りいろいろなシーンで中国を「熱烈歓迎」の構えである。

特に百貨店では売り上げに占める割合もあってこの姿勢が著しい。先に触れた今年の三越本店ワールドウォッチフェアでは中国人客の購買力にも期待をかけていたというが、それらは通訳まで会場に配した姿勢にも見てとれ、事実会場には慣れた手つきで逸品を手に取るそれらしき姿も見られ店側の絞込み姿勢が見られた。また先週触れた三越銀座には外人用の観光案内所を設け、銀聯カードには様々な割引特典が設けられている。

それ以外にも此処日本橋界隈では横山町・馬喰町の問屋街事業者が連携し、この間まで開催されていた上海国際アパレル交易会に初めてブースを出展、買い付けに訪れる中国人バイヤーの受け入れも強化してゆく方針を出しているなど各所でターゲットになっている。

まあ、斯様に熱烈歓迎の構えを以って消費関連等に期待しても上記の衝突事件の絡みでは早くも中国企業が予定していた一万人規模の訪日旅行をドタキャンするなど、さすがその態度は国が違うだけにやはり旧態依然、そんな対日感情で基準価格も左右される商品になるのだろうか? しかしなんとも別な意味で旬な時期の設定となったものだ。


急成長と驕り

さて、本日の株式市場は先週末の米株高に助けられ全般反発していたが、とりわけここ堅調継続だったのは非鉄専門商社やそれらの回収大手の株であった。これらは周知の通り、尖閣諸島を巡る摩擦からさまざまな形で圧力をかけてきている一環としていわれている中国のレアアース禁輸との情報に反応したもの。

しかしこの尖閣諸島事件を巡っての政府の対応はなんとも腰抜けという感しか覚えないが、このレアアース問題、当欄では昨年の8月に取り上げた際には「〜レアアースは現状世界生産の97%を中国が占めている。一国に偏向という点では南アが生産する白金のそれ以上にものぼるが、バッテリーなどの二次電池の用で不可欠なもので現在代替可能な物が存在しなくその依存度が脅威ともなっている。」とコメントしていた。

果たしてこの辺の構造を上手く利用されたのが今回の一件ともいえるが、ある意味いろいろな問題と繋がる試金石ともいえる。市場参入規制なども昨日の日経紙にはトヨタのプリウスが吉林省長春での生産を予定しており、狙いはそのハイブリッド技術だろうと指摘していたが、出資比率51%の条件草案など心理戦含みで利用できるものは果敢に盛り込んでいる。

さてこんな心理戦の延長ですべて中国側の思惑通りに事が運ぶか否かだが、上記の日経紙のタイトル「レアアースは泥か宝か」を引用するのであれば、所詮この泥を宝に変えられるのは日本の技術であり、そのまま出し渋っていてもただの泥を保有する事になるのは中国側。採掘調査が各地で進む中、EV一つとっても市場としては未完成であり、政府も冷静になってこの辺を考えるべきであろう。


銀座伊勢丹?

さて、過日は知人から誘いがあり、(花人)赤井勝氏の装花展を観に新装オープン直後の銀座三越に行ってきた。氏の「うるおう装い」の方はなかなかユニークで、さすが様式にとらわれないその自由な想像力は大使館筋からの人気も強いというのも納得であったが、序にこの新装オープンの新店舗を一寸チェックしてみた。

先ず歩いてみてアネックスを持つ他店舗との最大の違いを感じたのは設計上いわゆる連絡通路のイメージが無いという点か。自分の立ち位置を把握していないと窓や屋外に出た時に飛び込んでくる風景で一寸錯覚に陥ったりするが、このフロアもブランドの壁を取り払っているなど従来のイメージとはガラリと違うし、伊勢丹メンズのテイストも随所に移植されている。

従来のイメージと違うといえば、何処の百貨店でも1Fは香水の香り漂う店の顔でもある化粧品売り場と相場は決まっていたものだが、今回はそれをB1に持ってきている。更にその下食のフロアはまさに異国のマルシェのイメージだが、この界隈では漸く伊勢丹のそれと肩を並べる食品フロアの誕生といった感じだ。

路面では私の好きな「ジャン=ポール・エヴァン」が新たに入ったりしていたが、同店始めとして少なくとも会話を交わしたスタッフの接客態度はどれも素晴らしい。オープニングレセプション用でないことを祈るが、総じて見た感じでは上記の通り銀座に伊勢丹が登場した感がするほどそのカラーが随所に塗られている。

三越と伊勢丹が経営統合したのは08年だが、此処で初めてこのHDのカラーが濃く出た百貨店の誕生という感じ。長らく百貨店不況がいわれ、当欄で既報の通りファストファッション勢の侵食が進む銀座では地域最大の商業施設の誕生となったが、有楽町一帯まで含めて周辺の百貨店勢はどう迎え撃つのか、今後もこの百貨店戦争から目が離せない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30