362ページ目   雑記

はたして連携効果は?

さて、昨日の日経紙で目に留まったのは三井住友銀行が富裕層向け金融サービスに参入する旨の記事か。この件は既に年明け早々に欧米型の本格的富裕層向けサービス参入意向と発表していたのだが、その頃はサプライズな二度目の巨額増資の方が話題であまり取り上げられなかった経緯がある。

一昨年にバークレイズに出資、そして昨年には大和と別れる原因となった日興コーディアルの完全小会社化が為されており、これらの連携で高収益が期待出来る富裕層を囲い込むのが狙いとしているが、一般的なイメージからしても国内系メガバンクのプライベートバンキングというのはその歴史自体が浅いからかどうもピンと来ない。

ところで全体像を測る意味でWorld Luxury Index(EUR)などを見てみると、なるほど昨年の春先に底を打ってからは見事なV字型の急回復を遂げている。実際、日経MJなどではリーマンショックから一年余りが経ち、富裕層の高額商品の購入意欲が回復傾向にある事が詳細に載せられていた記事を目にした。

斯様にエントリーには好都合な時期ながら、その商品の中身が重要なのはいうまでもないが、もう一つ上記の通りイメージというものも大きな課題だろう。これは以前にも書いたように日系老舗ホテルと侵食著しい外資系ホテルのそれにも似た部分が幾つかある。

つまり、コンサバ系の顧客はその特性から日系にとってはありがたい存在とはなろうが、昨年シャングリ・ラホテル東京がオープンした時に当欄で書いたようなイメージを覆すハード以外の部分をこうした客層に見せる事が出来るか否かにかかっているといえるか。


今年は家系?

昨日はバレンタインデーであったが、今年の場合日曜日という事もあって殿方・御婦人方共に一部にはホッとしている向きもあったとか?ただ年に一度の祭典とあって売る方は商戦に変わりなく、休日バレンタインを考慮してチョコレートドリンクやらチョコレートビール、中にはチョコレートフォンデュなどという創作系も今年は目立っていたところか。

ところで昨年のバレンタインでは、男性から女性にプレゼントする「逆チョコ」なる現象を当欄で取り上げたが、こんな現象に掛けて森永などは逆ダースや逆小枝などの期間限定モノを発売とか。さて今年はコレに加えて女友達同士でチョコを贈り合う「友チョコ」などもトレンドに上がっているが、前にも書いたようにいずれも欧州では当たり前の光景で逆に改めて日本らしさを認識させる。

さて、有名処を集合させてイベント化するものなど伊勢丹なんぞが代表だろうが、幾つかは当該の人気ショコラティエが来場しサイン会や試食会を行うなどの参加型が盛況。これも年々大規模になってきているような気がするが、差し詰めフレンチの「ひらまつ」が有名シェフを招聘して一度にこれら味わえるという先に話題になったイベントを彷彿させる。

ともあれ大店でも大量閉鎖の時代を迎え苦悩が続く百貨店業界において一時の希望の星になるや否や、このバレンタインも歳暮系の意味合いを帯びてきた昨今、今後の動向にも関係者は目が離せなくなってきたのではないか。


世界に誇る伝統技術

さて、年末からやっている三井記念美術館で開催されている特別展もそろそろ終了が近くなったので立春を過ぎた頃、「柴田是真の漆×絵」展を鑑賞してきた。

花鳥画系が好きなので以前から絵などはマークしていたが、今回はエドソンコレクションの逸品の数々が里帰りするということでこれら実物を見る機会に恵まれた。前々から特に観たかったのが、粋と遊びを得意とする中でも「だまし絵」ならぬ「だまし漆器」の類であったが、果たしてどれも本物を越える「だまし」以上の素晴らしさであった。

例えば、同コレクションの「砂張塗盆」などはどう見ても銅に錫、鉛が頃合良く寂れている感じが絶妙なのだが、まさかこれが紙器とは驚く。また竹製の「瀬戸の意茶入」などはこれまたどう見ても陶器にしか見えない。他にも「紫檀塗香合」や「花瓶梅図漆絵」などはその名の通り、どこから見ても紫檀にしか見えないもので、何れも種明かしをした時の客人の反応もまた至福の瞬間であったのだろうと思う。

他の印籠など蒔絵ものもため息の出る美しさであったが、フト思い出したのが昨年の<バーゼルワールド>にて発表された新作の時計か。それは特に異彩を放っていた「ショパール」の「漆と蒔絵」シリーズで、2006年のジュネーブウォッチグランプリを受賞したモデルに漆と蒔絵が施された「五行五神」と「森羅万象」から成る六つの作品である。他に国内勢でもシチズンのカンパノラシリーズなどダイヤルに漆を使用していたが、やはり名家のショパールなどがこうした伝統技術を使用した意義は大きいのではないか。

明らかにこうした名作の下に日本の伝統工芸が、今日の世界的な高級時計人気の一翼を担っていると思うだけでもなにやら誇らしい気持ちになるし、また名家もこうした技術に歩み寄る事で東西伝統技術が融合した素晴らしい作品の数々が誕生すると思うとこれまたわくわくしてくるものである。


PIIGSと複合性

本日の日経平均は先週末の所謂「PIIGS」を絡めた財政懸念が尾を引いてか、2ヶ月ぶりに10,000円の大台を割り込んで引けた。南欧経済の脆弱性はかねてからいわれていたが、こんなソブリンリスクはファンドなどのバランス絡めた構造的な問題から日本企業などの業績と直接の関係はなかろうが、これら一部も売らざるを得ない状況と負の連鎖が起きている状態か。

ところでこんな造語も「BRICs」から始まって次は以前にも取り上げた「VISTA」、そして今度は「PIGs」、しかし前者は兎も角、南欧はなんともコッケイな名を着けられてしまったものだが、素朴な疑問でこんな幅広く役に立っているわりにどうしてその使われ方はロクでもないことの形容が多いのだろうか?この類ではダイコンなどもこれに当たるしまだ探せば幾つかありそうだ。

話は逸れたが、そんな上記の株式の状況よろしく商品相場においてもこれは同じこと。これらソブリンリスクからユーロに対してドルが上昇、そんなわけで一般的にはドルの代替資産として支持されていた金に売り物が殺到、加えて国内では受け皿という観点からドルよりも消去法的に円が買われ円建ての金など泣きっ面に蜂、先週末のTOCOMでは他も含めた貴金属4商品が全てサーキットブレイカーの発動となった。

しかし、先月はオバマ新政権の新金融規制案、今月はPIIGSのソブリンリスク台頭がマーケットを連鎖的に侵食しており、リスクマネーもとんだトバッチリからなかなか動き辛いが、前述の通りマーケットも複合的に繋がっている昨今この辺の構造も頭に入れておきたい。


節分

街中の商店などにはこのところ柊や豆などが店頭に並んでいるのを見るにつけ季を感じていたものだが、本日はご存知の通り「節分」である。元来、季節を分ける事から由来し立春、立夏、立秋、立冬の前日はいずれも節分なのであるが、やはり通常は立春の前日のみを指すのが普通か。

一般的によく見られる光景では年の数プラス一個の炒った豆(中には魔滅と書いてある処もあってなるほどと感心)を食べて無病息災を願うものだが、小さいうちはともかくいい加減年をとってくるとこの食べ方にも一苦労となかなか笑えない。

さて、相場関係では昔から「彼岸底」と共に「節分天井」なる格言があるが、米相場の頃なら兎も角、もう現代となってはマジメに株式のデータなんぞを拾ってみても殆どと言っていいほど相関性は無く、むしろいつも年初に書いているような十二支の年間展望の方が当たっているかのように見えてくるから面白い。

そういえば年初の相場予測では節分天井で11,000円以上を指摘する向きが一部大手証券始め幾つかあったが、理論的な根拠が無くても相場に携わる者としては自信のない相場観に色を添える意味合いも何処かにあって、使いたくなってしまうのもまた致し方ないところでもあるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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