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動き始めた大手

さて、その大台が変る度に取り上げられるビットコインだが本日の日経紙マーケット面では「ビットコイン上昇続く」と題して、仮想通貨の代表であるビットコインの価格が日本時間2日夜に1ビットコイン7,000ドル台に乗せ、5日には7,600ドルを上回る場面があるなど依然としてその騰勢が衰えない旨が載っていた。

こうした背景にあるものの一つがCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)が先月末に発表したビットコイン先物の上場計画であるが、先物といえばこれに先駆けて夏にはCBOEも先物上場を発表している他、レッジャーXがCFTCの認可を得てビットコイン・オプションの取引を開始している。

これだけの大手による上場計画となれば参加者増の期待が高まるが、実際に全米最大の取引所であるコインベースではこれが報じられた1日だけでも早速約10万人が口座開設した旨が報じられている。加えて先の8月の分裂に続いて今月中にもビットコインゴールドに絡む分裂思惑もあり、新通貨の権利取り思惑等併せまだまだ年内目の離せない展開が予想される。


実ってきた果実

さて、週末の日経紙一面にはトランプ米大統領がFRB次期議長にハト派のパウエル現FRB理事を指名した旨が載っていた。イエレン路線を継続し利上げペースも引き続き緩やかになるとの見方で金相場も連休前まで内外共にその水準を切り上げてきているが、またぞろ今月は金地金27キロを大型クルーズ船で密輸したとの事で那覇地検が関税法違反罪等で中国人ら4人を起訴したとの報が入ってきている。

さてこんな貴金属を使った不正錬金は論外として、先週末の日経紙マネー&インベストメントには「貴金属、株価調整に備え熱く」と題し一般では現物、先物からETF等々投資の選択肢が広がりを見せ、主力の金のみならず下剋上著しいPGM系貴金属もまた資産を分散する受け皿の一つになっている旨が書かれていた。

特にETF系は主力のSPDRが上場してはや10年近くになるが、後発の三菱UFJ信託の「金の果実」など上場時から27倍超と過去最高の水準にある事を同紙の記事で改めて知った。また「プラチナの果実」も金との価格逆転からその増加に拍車がかかっている格好で純資産残高は3年前のほぼ5倍の水準となっている模様だ。

このプラチナ含めたPGM系も上記の通り近年の下剋上でパラジウムが頭角を現してきており、本日も同シリーズ「パラジウムの果実」は年初から1万円ほど水準を切り上げて年初来高値を更新してきている。ETF活況が継続すればリクイディティの薄い他の組成モノへの波及効果も見込まれようが、斯様に選択肢の広がりは投資家の広がりを誘発し要のリクイディティの一助となって来ようか。


株高と富裕層消費

さて、本日の日経平均は第4次安倍内閣発足によるアベノミクス加速への期待感や、主力銘柄の上方修正から急反発し年初来高値を更新、21年4か月ぶりの高値水準となった。こんな株高を受けてかどうか最近は高級品を扱う一部で高額品がジワジワと売れ始めるような好影響も出て来ている模様。

例えば松屋銀座店では直近3ヶ月の高級時計の売上高が5割増で推移、また高島屋向かいの同店ウォッチメゾンでは先月の1~24日の売上高が前年同期の1.5倍となり、内訳も500万円以上の商品が昨年10月の4本に対して今年は24日までに5本売れ、その中にはリシャール・ミルの1,000万円超の商品も含まれている旨が一昨日の日経MJ紙で書かれていた。

宝飾品も米ティファニーの新展開シリーズの販売が好調な模様の一方で、この項の末尾には同じ宝飾大手のミキモトの場合売り上げに大きな影響はない旨も書かれていたが、とはいえ此処も9月から10月にかけて数千万クラスの1点モノの高級宝飾の新作公開イベントを開催、改装ではVIP向けの個室を設けるなど富裕層らを迎える準備に余念がない。

今の日経平均もアベノミクス再始動との思惑が背景にあっての株高第二幕を演じつつあるが、同様にかつてのアベノミクスのはしりで起きたような高額消費の盛り上がりの再来があるや否や小売業界としても各所で受け入れ態勢の準備を整える様はその期待値の高さを物語っている。


ヒルドイド神話

さて、本日の日経紙一面には「診療報酬マイナスに」と題して、厚生労働省と財務省は2018年度予算編成で医療行為や薬の対価としての医療機関が受け取る診療報酬をマイナスにする方針とし、今回は効果があるが価格が高すぎる医薬品を値下げする薬価制度の改革による減額にも踏み込む模様だ。

ところでこうした価格が高すぎる医薬品がある一方で安価な普及薬を保険適用で更に安く入手出来るのを悪用し、一部では美容クリーム代わりにこれを多用しているケースが話題になっている。保湿剤のヒルドイドがそれで私も何回か処方してもらった事があるが、確かに一部女子の間で実しやかにそんな話が喧伝されていたのを聞いた事がある。

元を辿れば一部女優・モデルが美容効果を謳ったとかで口コミの波が広がったという話だが、これまでも他目的での要処方箋薬で費用対効果が高いとされる薬は数多あった。とはいえこの美容目的の保湿剤利用を巡っては今月上旬に健保組合連合会が公表したレセプト分析調査研究で、実に年間93億円の薬剤費が無駄に支出されているというから看過出来ない。

斯様な状況に至りさすがに厚生労働省も保険適用外や一回の処方量制限の検討に入る模様だが、その線引きも難しく本来必要な患者からすれば甚だ迷惑な話だろう。美に対する飽くなき執念がこんな医療保険財政の圧迫要因になるまでに至っているとはとんだ弊害を生み出しているものだ。


ハロウィーンビジネス

さて、明日のハロウィーン本番を控え街の彼方此方ではイベントが盛り上がっている模様だが、今年は台風22号の影響で先週から屋外モノは受難、渋谷では降りしきる雨で寒そうな姿が其処彼処に見られ日本最大級ともいわれる川崎のハロウィーンパレードはこの影響で中止となってしまった。

ところで近年拡大するハロウィーンブームに乗って今年も各テーマパークも客層拡大を狙いホラー色を強化している模様。USJはそのリピーターの多さからレベルにより中学生以下禁のハロウィーンホラーナイトを展開し、ホラーとイメージが結びつかないピューロランドも小学生以下禁のゴーストピエロのホラーハウスを展開している。

確かに客層の観点から見れば、例えばこれから迎えるクリスマスやバレンタイン等は子どもやカップルがメインターゲットだが、ハロウィーンの場合は老若男女誰でも楽しめる事で子ども向けイメージの強かった上記のピューロランドなどにも大人向けアトラクションを展開出来る伸びしろが商機として浮上する。

事実こうした展開が数字に結びついて表れてきている模様だが、テーマパーク以外の部分でも特に商材を選ばないので様々な業種・業界がビジネスとして参入し易い素地を持っており、今後も各所の展開如何でその経済効果も益々の拡大が見込めようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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