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PGM下剋上

本日の日経紙マーケット面では「白金、下落が一服」と題し、ここ1カ月間値下がりが続いたプラチナの国際相場が週明けに付けた安値からショートカバーが先行し下落が一服している旨が載っていたが、このプラチナといえば先週は自動車触媒に使うパラジウム相場を16年ぶりに下回ったことも話題になっていた。

プラチナとパラジウムといえば当欄では今から2年前に「盛者必衰」と題し、工業需要低迷の環境から「〜パラジウムとは対照的にプラチナは更に低迷が恒常化する可能性もあるか。」と書いていたが、あれから2年が経過し果たしてというか遂にプラチナ価格がゴールドに続きパラジウムを下回る日が到来といった感じである。

パラジウムに先駆け既に当時からゴールドの価格をも下回っていた下鞘もいまだ解消せず2年8ヵ月超と過去最長の記録を更新し続けているが、これだけ恒常化するとクレジットカードなんぞもゴールドより格上のプラチナカードも肩身が狭い等との冗談も出てきそうだが、パラジウムカードは誕生当初よりプラチナより上位でカードのヒエラルキーもなかなか面白い。

しかしパラジウムの上鞘もゴールド同様に恒常化すると触媒もプラチナへのシフトさえ起きるとの見方もあるが、既に歯科の補綴などでは今月から保険適用の負担額が増加するなど末端への影響が現実のものとなってきており成り行きによってはメーカー等もその対応を迫られる事にもなるか。


VICEの活況

さて、米ラスベガスで起きた銃乱射事件の衝撃は報道等で日を追う毎にその酷さが更新されているが、何事もなかったかのように明け2日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が大幅に4日続伸し史上最高値を更新、個別では自動車関連や電気通信の上昇と共に銃器メーカーも物色されるという毎度の異彩を放っていた。

斯様に大規模銃乱射事件が発生すると防衛心理や、駆け込み需要期待からこのポストが買いを集めるのが市場のお約束でアルゴもそうプログラミングされているが、昨晩もオーリンが6%の上昇で過去最高値をも更新し、スターム・ルガーが4%高、そしてアメリカン・アウトドア・ブランズも3%超の上昇とベガスのカジノ株やホテル株ときれいに明暗を分けていた。

先に日経紙では北朝鮮情勢に打開の糸口が見えないなか、SRI投資の真逆をゆくVICE FUND(ワル者ファンド)が昨年末比で約16%値上がりし米国株全体を上回ったとの記事を見たが、東証でも北朝鮮労働党の創立記念日を前に石川製作や細谷火工の防衛本命株が急騰し年初来高値を更新している。

上記の事件は米国史上最悪の乱射事件とされているが、さてこの事件で米国の銃社会が変わるか否か、それは兎も角いずれにせよ内外共に株価指数が過去最高値や年初来高値を日々更新している中でVICE銘柄が急騰しこうした活況の一端を担っている様は或る意味不気味でもあるか。


ノーベル賞2017

今年もノーベル賞の発表時期到来といった感じだがテーマに餓えるマーケットもはや関連物色たけなわで、本日の日経紙でも「ノーベル賞関連銘柄に思惑買い」と題し2日発表の生理学・医学賞、3日発表の物理学賞、4日発表の化学賞等を囃して関連銘柄のIHI、日本コークス工業、小野薬品やカルナバイオサイエンス等への思惑買いが書かれていた。

昨年はオートファジーに沸き3年連続の日本人受賞となったこのノーベル賞であったが、昨年に続き4連覇なるかどうかというところで、上記の日経紙に載った銘柄以外でもその枝葉から市場を問わず突飛高している銘柄が既に先月から確認されているが、毎年これらの関連銘柄もその範囲が一段と拡大されている。

また、昨年大方の予想を裏切り?米のボブ・ディラン氏が受賞した文学賞はかれこれ今年こそ村上春樹氏と10年近くも言われ続けて来たが、こちらも恒例行事のようにマーケットでは文教堂HDや丸善HDを先回り物色する向きも居る。世界最大規模の英ブックメーカーで同氏は現在2番人気らしいが、はたして誰が選ばれるか一先ず5日の発表が待たれる。


ジブリショート沈静化

さて、先週末の日テレ系金曜ロードSHOWでは天空の城ラピュタが放映されたが、この放映となるとその度にツィッター上でのバルス祭りが話題になり、前回放送では1分間に34万件のバルスがツイ−トされた経緯があるが、先週末は1分間に約24万弱のツイートと前回には及ばずも多くの人がバルス祭りに参加した模様。

こんな社会的現象にまでなったバルス祭りだけに有名企業も同作品に絡めた企画やらを打ち出してくるケースが引き続いて散見され、ヘルスケアのタニタはバルスに挑みます!としてオリジナルの限定グッズ制作で前回に続いての挑戦をした他、日清食品のカップヌードル、タカラトミー、またキウイのゼスプリまでツィッターは盛り上がりを見せていた。

ところでジブリの作品といえばかつてはこの放映があるとその後為替が円高に振れ連れて株価も下落するというアノマリーが定着し、WBSからWSJまで取り上げた事で一頃は所謂「ジブリショート」なるトレードまでが流行ったものだったが、こちらはいつの間にか落ち着きを見せなかば都市伝説化しつつある。


アルチンボルド展

さて、日曜日で幕を閉じてしまったがそんな終盤に国立西洋美術館にて開催されていた「アルチンボルド展」に行ってきた。3ヵ月も開催されていると序盤にはなかなか出向かないものだが、この誰でも一度は何所かで見た事があるであろう寄せ絵の代表作が一堂に会する機会自体なかなか無く貴重だ。

エントランス手前から自分を映した写真がアルチンボルド風に変換されて一緒に2ショット写真が撮れるというSNSの為に用意されたようなコーナーもなかなか面白く、世界各地から集められ集結した代表作である春夏秋冬の四季シリーズはやはり圧巻でこれほど間近で見る事が出来たのには本当に感動した。

とはいえさすがにアルチンボルドの作品だけでこの会場を埋めるのは無理があるだけにその他いろいろな作品が展示されていたが、中には貝をモチーフにした瑪瑙の鉢や水晶製の平皿などの美しすぎる宮廷の調度品や、レオナルド・ダ・ヴィンチの画などの嬉しい誤算もありなかなか考えた構成だなと感心。

ところで現代でも形を変え脈々とそのテイストを受け継いでいるアーティストも居る。例えばポーランドの女性アーティストのアンナ、長らくハイブランド等のファッションモデルであった彼女はリアルな野菜や果物を膨大な時間をかけ接着剤無しで台紙に取り付けそれを再現した作品を展開しているが、絵画とはまた違う実に完成度が高い作品に仕上げておりいつの日か彼女の展も何所かで観てみたいものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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