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中小型偏向

本日の日経紙マーケット面には「IPO指数高水準」と題して、過去1年間に上場した企業の値動きを示す「QUICK IPOインデックス」が昨日に約10年4ヶ月ぶりの高値を付けた旨が載っていた。主力を本格的に買い辛い中、相対的に業績への影響が小さいIPO株に資金が向かい易いという。

そういった意味合いでは新興マーケットも、13年に時価総額が17兆円を超えていたものの相場低迷等で16年2月には7兆円を割るまでになっていたジャスダック市場など、個人投資家を中心とした資金が向かった結果週明けにはこの時価総額が2015年9月以来、約1年8ヵ月ぶりに9兆円を超え本日も東証マザーズ指数と共に4日続伸となっている。

外部環境からは足元英国の爆発テロ事件や騰落レシオの高止まり等々主力物色が躊躇われるなか、来月から再開されるIPOと併せてこうした新興へのシフト鮮明化が持続することになるのかどうか引き続き注視しておきたい。


失態百様

さて先月の話になるが、大津市で開催された地方創生セミナーにおいて博物館等の学芸員を指して観光振興を妨げる一番のがんと発言し釈明謝罪に追い込まれた地方創生相の一件があったが、昨日は先週の厚生労働部会においてがん患者関係者に働かなくてもいいと配慮に欠けたヤジを飛ばした自民党議員が謝罪に追い込まれていた。

双方ニュアンスは違うとはいえ安易にがんといった言葉を引用してしまうあたり既に身に沁みついている無意識型の部類なのだろうが、これより先にも会見で記者にブチ切れして注目を浴びていた矢先に政治資金パーティー講演で東日本大震災がまだ東北でよかった等の軽率発言の責任を取って復興相も辞任に追い込まれている。

更には不倫問題で重婚ウェディング疑惑と週刊誌で暴露された挙げ句に辞任に追い込まれてしまった経済産業政務官も記憶に新しい。斯様に次々と辞任やら謝罪会見が喧しく人事のみならず他にも各種疑惑の種が方々に散らばるが、一強安定政権下でしばしば特徴となる緩み弛みを如実に露呈している光景である。


東芝サイダー

さて、東芝による半導体子会社の東芝メモリーの2次入札の期限を先週末に迎えたが、4陣営が応札した模様である。競業先WDの反対姿勢に加えて独占禁止法、外為法等の障壁もある中ステークホルダーの思惑も交錯し早期売却の期待に反し一筋縄ではいかない感が満載である。

ところでこの東芝といえば、先週末には同社の会計不祥事を巡り同社株でカラを売って数百万円程度の利益を得ていた医師が、証券取引等監視委員会からインサイダー取引容疑で強制調査されていた件が報じられている。医師はその後に東芝病院に転職している事で内部情報のソースもその絡みとも推測されるが、相変わらず素人は脇が甘い。

ここ数カ月で発覚したインサイダー取引といえば先々月の旭化成子会社社員による旭化成株の損失回避売却があったが、上場企業の関係者にはインサイダー取引防止の名目で現在様々な規制や制約が課されている。それでもやはりザルなのは抑止効果があまり無い表れなのだろう。

一昔前とはケタ違いの調査力になってきた現代では上記のように摘発されてしまう素人も居るが、それでも株式に精通し巧みなストラテジーでリスク無しに取引を完結させている向きもゴマンと居るのは想像に難くない。リスク投資の啓蒙が謳われるなか、一括りの規制枠で特定個人を縛り投資機会が失われてしまうのは勿体ない話でもある。


ガレ・ドーム展2017

さて、今週は一昨日まで日本橋三越において恒例の「芸術と自然のふれあい ガレ・ドーム展」が開催されていた。今年も前回とは趣の異なる作品が小物中心に多数出ていたが、斯様に毎回あまり同系の作品が被ることがなく、またガラスケースなど邪魔に反射するものに遮られていないのが魅力的である。

以前に何度か出品された美術名鑑に載るような作品は年々少なくなっているものの、前回もドーム兄弟ではなかなか見たことがないパープルグラデーションのトンボとアイリス文花瓶など一部見る人が見れば思わず食指が動いてしまうような作品が此処はポツンとあったりするから面白い。

今回も珍しいポーチライトの商談に臨んでいた光景を目にしたが、そうしたモノ含めて個人蔵からの流れも少なくはないという。中にはその価値がわからず大ぶりの作品をなんと傘立てに使っていたという話も聞いたことがあるが、まだまだ今後こうした舞台に上げられコレクターから指名が掛かる事になるであろう作品群が数多何処ぞに埋もれているのは想像に難くないか。


都市鉱山世界一

さて最近は近所の小中学校でも「みんなのメダルプロジェクト」と書かれた黄色いボックスが設置されている光景を目にするようになったが、斯様に携帯電話やゲーム機、家電等からリサイクルした貴金属で2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会のメダルを作成しようとの活動が始動している。

当欄でこの件に触れたのは昨年の8月であれからいよいよ始動といった感じだが、先に物質・材料研究機構や北九州の会社等は試作品を作成済みで、廃家電からの回収量見込みもメダルを作成するのに十分足りる量を確保出来る見通しとなっているが、一先ず19年春頃までに金・銀・銅合計で約8トンの回収目標としている。

次期五輪のテーマは環境に重きを置いているだけに是非とも成功させて次へ繋げたいところだが、日本の日進月歩の先端技術を世界にお披露目し、メダリストの首にホンの僅かでも自身が提供した愛用品の一部がかけられるなど想像するのも夢がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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