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立法不備

今週の日経紙経済面で見かけたものに「監視委、88銘柄で疑い」として、証券取引等監視委員会が日本企業2社の株価を吊り上げるなどの行為で不正利益を得たとして海外ファンドのセレクト・バンテイジに課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した件があった。

今回のは所謂「見せ玉」行為が咎められており、昨年昨年40億円越の納付命令が出たAPFがやった2社を舞台にした偽計や架空増資等の手が込んだモノと比較するに原始的なものだが、このほか86銘柄の株式についても相場操縦の疑いがあるとしている。ところで今回挙げられた課徴金は僅かに6万円、不正利益に比べれば微々たるものである。

この金商法では海外にいる業者や人物が不正取引した場合、刑事告発が難しく課徴金制度を使ったとしているが上記のAPFなどこのパターン、またファンドに限らず2年前のイー・アクセス社の元役員秘書によるインサイダー事件でも算定された追徴金では倍近くの差益が残る計算となり何処もヤリ得感が満載な結末となっている。

この辺は今やHFTが主流になり監視委としても手薄な中での事実認定に手間取ることに加えて、インサイダー等についてもつまるところ立法の不備に因るところが大きい。前々から一般との不公平感も一部指摘されておりこうした不満分子が悪知恵をつける前に早急なカバーが求められよう。


コーヒー乱戦

本日の日経MJ紙「1000人の家計簿」では缶コーヒーが取り上げられており、日経産業地域研究所調査では淹れたてコーヒーを販売するコンビニエンスストアの広がりによって1ヶ月あたりの缶コーヒー支出が1年前より減った最大の理由として代わりにコンビニコーヒーを買うようになったというのが最多になった旨が載っていた。

高グレードなわりに低価格を謳うコーヒーはマックあたりがハシリだったが、この成功で上記のコンビニを始めとして各所が続々と後を追うような構図になっているのが昨今で確かにこのコンビニのコーヒー、金のシリーズが大ヒットしたセブンイレブンが導入しほどなく私も試して以来こちらを利用する頻度が格段に上がっている。

そんなワケでこうした淹れたて勢に押される形で缶コーヒー市場は苦戦が続き、飲料メーカー各社集計では昨年売上は前年比でマイナスになったとも同紙で報じている。とはいえ最近はドラッグストアでも脂肪の吸収を抑え消費し易くする等を謳った特保モノの新種も目にするようになり、ガリバーネスレもニッチな部分で攻めを開始するなど熾烈な戦争?から斯様な創造も続々出てきておりまた新たな商機を生み出しているようだ。


ウエアラブル

本日の日経産業紙には「IT肌着 ヒートテックに続け!」として東レがNTTグループと共同開発した、心拍数などを測定しスポーツや健康分野などでの利用を想定した所謂ウエアラブル機器機能を備えた新素材肌着の記事が載っていた。

東レといえばなんといってもファーストリテイリングとの共同開発で大ヒットとなった「ヒートテック」が誰でも知っているところで有名だが、次のターゲットとして医療系に食指を動かしてきたというところか。ファーストリテイリングなどの衣料系で蜜月は解るものの、NTTグループ等の異業種はなかなかピンとこないが何処で融合するかわからないものだ。

しかし最近は彼方此方でウエアラブルが流行である。現状玉石混合で実際には日の目を見ないで消えてゆくだろうなと思うモノも多数だが、日進月歩で何れ各方面で不可欠になってくるものも続々と水面下で動いており今後が注目される。


キッズベンチャー

先週末の日経紙夕刊一面には「起業家塾 小中学生にも」として、起業家教育でもその対象を小中学生にまで広げたところが増えてきた旨が載っていた。小中高生向けのビジネススクール開設や、あのキッザニア東京でも監査法人トーマツ系のベンチャー支援会社が中学生を相手に店舗経営を題材にする等の起業家塾を開くなどしている模様。

確かに最近は全国規模で所謂キャリア教育が広がりつつあり、先月の同紙でも杉並の小学校で会社を立ち上げ実際にリアルで企業活動をした様子の記事を見かけたが、株券を発行し関係各所から出資を受けるなど昔の「ごっこ」風を思い出すに最近はなかなか本格的になってきたなと時代の流れを感じる。

しかし主催者、参加者共々思惑は様々だがいずれにしてもやはり児童期の実践型は得るものが多い。これで将来起業する向きが続出というわけでもないだろうが、そうでない向きも別な側面では将来の投資家育成という部分で大いに糧になっているのは結構なことである。


バレンタインも国際標準を

さて明日は恒例のバレンタインデー。だいだい何時も年明け1月くらいからこれに関する意識調査の結果などが出てくるが、先に日経産業地域研究所が1,000人を対象に調べたところでは予算平均は本命が最も高く、次いで自分用、一番下は当然ながら義理モノという結果になっていた。斯様に今年は「本命チョコ」に原点回帰、景況感改善から百貨店では何処も女性の懐に訴える構成になっている。

なるほど今年は「コンパーテス」の爆弾?を1つだけ隠したデンジャーローズや、付属のスコップやブラシで砂チョコから骨?を掘り起こす「ジュラシック」などユニークな定番モノに加えて、ラトビアの「エルミス・グスタフス」の単価が2万円に迫る物を始め、「カカオ・サンパカ」や「ショコラトリー・ドゥ・モナコ」等の単価が1万円を越えるような物も相次いでで投入されているのが目立った。

上記の「カカオ・サンパカ」など既にリーマンショック後に鳴り物入りで丸の内に登場しているが、今年のような大柄なパンプスデザインに金箔を貼り付けたバブリーな商品はこれまで見たこともなく、同じ商品でも一部アクセサリーを変えたりの限定色を打ち出すなど各社熱が入っている。

斯様にこんな光景からも景気回復熱が実に簡単に感じられるが、本来バレンタインデーとは男女互いに気持ちを贈り合うもの。高品質なチョコは世界中から集まるものの、女性が一方通行で贈ったり、それのお返しのホワイトデーなるものが設けられたりと日本は今だに諸外国からは奇異の目で見られているワケで、いつの日かこの辺がスマートにこなせるようなイベントに変わって欲しいものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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