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富裕層さまさま

本日はパレスホテル東京から豊穣の秋を祝うとして旬のレストランメニューやペストリーショップ新作から宿泊プランなどの案内が来ていたが、このパレスホテル東京といえば今月アタマの日経紙に平均客室単価が海外の高級ホテルの目安とされる10万円を最需要期3~4月に初めて超えた旨の記事があったのを思い出した。

ちなみにこのホテルの近所に位置する帝国ホテルも「ホテル御三家」と言われている割には外資勢との比較で料金の安さは否めないとかねてより指摘されてきたが、こちらも上記最需要期には平均客室単価が6万円近くまで上昇しコロナ前の3万円台から比較すれば随分と回復したものだ。

これら総じてインバウンドの回復に伴う富裕層の消費に則したものだが、冒頭のパレスホテル東京といえば富裕層の取り込みを推進するべくコロナ禍にスイートルームを増設していたが、首都圏に限らず栃木県の老舗、日光金谷ホテルなども富裕層を取り込むべく1973年以来の別館改装でスイートルームを新設している。

Gotoトラベルで都内のラグジュアリーホテル勢がほぼ半額で泊まれたのも今は昔、春にオープンしたブルガリホテル東京など一泊最低25万円からと現在では欧米富裕層に買い負け?てなかなか気軽に手を出せる値段ではなくなってきている。経済を考えるに喜ぶべきか悲しむべきか複雑な想いだが、今の円安を考慮すればまだまだ上昇曲線を描きそうで各施設の今後の動きも引き続き注視しておきたい。


補助金乱発

数日前に近所のSSで給油したところ前回給油時より若干ではあるが値段が下がっていたが、このガソリンといえば先月末には15年ぶりに過去最高値を更新している。周知の通りこれを受け政府は、本来今月末で終了予定だった価格上昇を抑えるための補助金を年末まで延長すると発表している。

前回当欄ではトリガー条項の凍結解除をするに今は好機だと思うとも書いていたが結局この部分は触らずに補助金延長を持ってきたワケだが、JAFなども先に自動車ユーザーが到底理解・納得できない仕組みを一刻も早く解消すべきとして「当分の関税率」の廃止などを政府に求める声明を出している。

しかしユーザーが到底理解・納得出来ない仕組みといえば度々取り上げた二重課税が最たるものだろうか。そもそもの話で税金に税金を課すこと自体に理屈が立たないワケだが、当然ながらこの辺についてもJAFは言及している。また特定のモノに絞る補助金に関しても依然として公平性の観点その他諸々の理由で賛否両論が喧しい。

ところで先に財務省が発表した2022年度の一般会計決算では国の税収は前年度比6.1%増の71兆円超と3年連続で過去最高を更新している。消費税など増加しているにもかかわらず一部からは更なる増税議論が出ているが、それは兎も角も税収が斯様に過去最高な時だけに制度見直しで還元が可能になる部分など再考すべき余地もあるのではなかろうか。


アクティブ型第1弾

先週末の日経紙マネーのまなびにはETFにもアクティブ型と題し、東京証券取引所にアクティブ型として先週に初めて上場した計6本のETF(上場投資信託)が取り上げられていた。海外では既にアクティブ型のETFが広がっているが、これまでの国内モノといえば日経平均などの指数に連動するようなパッシブ型のみのラインナップであった。

うち野村アセットの高配当などはこれまでも国内外のモノが幾つも上場しているが、シンプレクス等は「投資家経営者一心同体ETF」など個性的なネーミングを出してきており、他「PBR1倍割れ解消推進ETF」や高いROEを期待出来る「日本成長株アクティブ」などはまさに東証が現在各企業に改善要請している旬なテーマを持ってきている。

7月にJPXプライム150指数の算出が開始された際に、当欄では「~個人的にはPBRが0.6倍台から様々な株主還元を打ち出しPBR1倍に向かう過程で大化けした大日本印刷のような銘柄に大いなる魅力を感じたものだったが~」と書いた事があったが、特に上記の「PBR1倍割れ解消推進ETF」などはまさにこの辺にフォーカスを当てたものだろうか。

また依然として簿価ベースでは30兆円の政策保有株があるといわれているが、政策保有株をバランスシート上に多く保有する企業はPBRやROEが低い傾向にあるだけに「政策保有株推進ETF」などもこの辺を突いたものか。これら新NISAに間に合わせるタイミングでアクティブ解禁の運びとなったが今後も商品性の広がりを見せてゆくかどうか注目される。


手数料ゼロ時代へ

さて、先週末にはネット証券最大手と同2位の楽天証券が揃って日本株の売買手数料を無料とする旨を正式に発表している。SBI証券は今月末からオンライン取引を対象に日本株の現物と信用取引の両方を、楽天証券も来月アタマから日本株の現物と信用取引の両方について売買手数料が無料になる予定だが長年にわたる手数料競争も遂にゼロに到達した。

思えば手数料引き上げ競争を巡ってはリーマンショックの翌年だったか業界最低水準を各社で謳って1週間の間に計6回もの手数料引き下げ発表が為されていた時期などを思い出すが、冒頭の楽天証券が折しも上場申請した後のこのナーバスな時期に手数料競争無料化を打ち出すあたりに業界の競争の厳しさを感じざるを得ない。

そういった意味でもこの楽天証券のIPOに本件がどの程度の影響を及ぼすかも興味深いところだが、冒頭の双璧2社で昨年の東証における個人の売買代金シェアは8割近くにも上る事だけにこれと併せ2024年からの新NISAスタートを前に個人の売買活性化に繋がるかどうかこの辺に期待する向きもあろうか。

上記の手数料競争が激化していた10年以上前の日経紙では某ネット証券社長の手数料の安さを競うネット証券ビジネスはもう終わりだという旨の意見が謳ってあったのを今でも覚えているが、彼は今この光景をどんな想いで観ているのだろう?今後この2社と手数料収入構成比が異なる他社が彼らに追随してくるか否かも焦点だが、手数料ゼロ化がこの業界の再編の芽を顕在化させることになるかどうか要注目である。


主要4指数8日続伸

前日に節目となる33,000円の大台を回復した日経平均だが、本日もその勢いをかって続伸となった。8日に9月限のメジャーSQを控え、コールのショートカバーよりリクイディティーの高い先物へのロングの選択によって指数が押し上げられている面もあるが、なんだかんだこれで5月11日~22日以来の8日続伸となった。

時価総額トップのトヨタ自動車に日立製作所などのゼロイチ銘柄、三菱東京UFJ、三井住友FG、みずほFGなどメガバンク勢も揃って年初来高値更新した他、三井不動産や三菱地所など不動産大手も揃って年初来高値を更新していたが、そんなワケでTOPIXも日経平均同様に8日続伸となりこれでバブル崩壊後の高値を4営業日連続で更新することとなった。

他にJPXインデックス400も8日続伸となり算出開始以来の最高値を連日で更新、算出公表から日の浅いJPXプライム150指数も揃って8日続伸となった。この指数、グロースの色が濃いものの、長期でTOPIXをアウトパフォームしてくる試算も検証もされているだけに来年の新NISAの拡充に向けて誘い水の効果は高いか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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