今週初めには経産、農水両省が中部商品取引所が申請していた鉄スクラップの上場を認可したが上場は10月、取引要綱等既に出ているが世界初とあってどんなものか興味深いところである。
どんな業界にも取引慣習というものがあって、一般に商品が新規上場する際にはこの部分を軽視した為に鳴かず飛ばずという経験を既に東穀や東工取もしている。
この辺は非常にナーバスな部分で両者納得という均衡点はまず見出せないであろうが、少しでも歩み寄る部分が今後出て来ると上場後は可也今迄と違った物となって来るのは必至であると思う。
先週は出来高が8万枚突破と、ザラバ移行後の最高を更新したゴムのストップ安が本日目立っていたが、同じTOCOMでも軽油は出来高がたった1枚と明暗。これについては既に休止の方針を表明しているが、これが影響したか続く形で福商も小豆を休止の方向で打出している。
各所とも銘柄リストラ開始といった格好となっているが、こうした部分での代謝は是非活発化して欲しいものだ。
取引所側としては一般と当業の天秤で采配難しい場面もあるだろうが、この辺も取引所間でいずれカラーがハッキリしてこよう。
G・SがWTIやロンドンの金スポットのリンク債を原資産とするワラントを発行する事になった事で、コモディティーには今ひとつ不得手な証券関係者からのヒアリングが多い。
このワラントに関しては当欄で何度も触れているが、直近では3/10付で「石油ワラント」についてコメントしている。
今回はよりフィジカルに近いものとなり、またいろいろな合成ポジションが幾つも考えられそうだが、こういった商品の販路ももう少し拡大してくると垣根を越えたいろいろな意味での啓蒙活動に大きく貢献出来ると思うのだが。
昨日の続きだがTOCOMは他に豪スマーツ社の市場監視システムを来年から稼動させるとも発表している。
スマーツの件は前々から言われていた事で、特にディーリング部門においては対策を協議しているところもあったような話も聞いているが、効果のほどは如何だろう。
これによって摘発した相場操縦に近いケースでも先ず会員に確認するとTOCOM側は表明しているが、先にコメントしたリクイディティー問題に深く係わっている部分だけに宝の持ち腐れにならねばよいが。こ
れに限った事ではないが、将来の為に目先に走るような特定者優遇策は避けてほしいものだ。
TOCOMは先週の理事会で、第2四半期の出来高が予算を10%ほど下回った事を明らかにし懸念を表明した。
会費収入が絡んでくるのでナーバスな部分と思うが、稼ぎ頭の石油製品が営業日の約半数をストップ制限に抵触させている状況では穏やかではあるまい。
リクイディティーというのはやはり要で上場株式等廃止基準にはこの項目が謳われるくらいだが、これに比べれば商品は何を基準に上場維持が為されているのか不可解な物も散見される。
それは兎も角、今回はキーコモディティーがこの状況になった事でTOCOMは原油よろしく主力二製品の取引単位引き下げを検討に入るが、この状況を改善する為のプライオリティーをどう采配するのか興味のあるところ。