33年ぶり
さて日経平均の騰勢は週が明けても衰えず本日で8日続伸となったが、大引けで31000円台をつけたのは1990年7月以来、実に約33年ぶりのことでバブル経済崩壊後の高値を更新することとなった。この日経平均の高値に先駆け同じく33年ぶりの高値を付けていたのはTOPIXであったが、斯様に今回の急騰は大型株が牽引している色合いが強い。
大きな節目の3万円大台を破った背景には先に発表されたGDPも一役買っている。内閣府発表の2023年今年1-3月のGDP速報値伸び率は年率換算で1.6%の増加、プラス成長となるのは3四半期ぶりで市場予想を上回った。全体を押し上げたのが内需の柱でGDPの半分以上を占める個人消費ともいえるが、こちらもまたバブル期並みの光景が徐々に復活してきた。
三越伊勢丹の購買データでは昨年の年間100万円以上の購買顧客が約50%とコロナ禍前を上回り、中でも年間1000万円以上の買い物をしている人の比率は倍以上に膨らんでいるという。なるほど確かに三越の逸品会など訪れた際には各ブースで高額品が次々と成約され、顧客が満足気にふるまわれたシャンパングラスを傾けている光景が彼方此方で見られたものだ。
今から3年前には米の所謂GAFAMのたった5社だけで東証上場全企業の時価総額を上回ったのが話題になっていたが、先週末には株式時価総額が1兆円超となった企業が過去最多となった旨が日経紙で報じられていた。33年ぶりの株価水準と併せいよいよ失われた30年を取り戻す時と期待は膨らむが、この間に欧米の主要株価指数は9倍~12倍に化けているのを見るに本邦はまだ東証改革のゴールに向け漸く緒に就いたばかりという感だ。