民営化から20年

先週金曜に東証は東京メトロ(東京地下鉄)の上場を承認し、翌日の日経紙にも「東京地下鉄株式会社」の新規上場に伴う株式売り出しの全面広告が出ていた。来月にプライム市場上場予定ということで、2018年のソフトバンク以来約6年ぶりの大型上場となるが、実に民営化から20年を経て満を持しての上場という感じか。

現在は国が僅かに50%を上回るものの東京都とほぼ半分ずつの株主構成となっているが、双方同率の売却で売り出しの想定価格は1株1100円、来月8日からブックビルディングとなり正式な売り出し価格は15日に決定する。抜群の認知度を誇る同社に投資家の需要がどの程度積み上がるかだが、需要を喚起するために早くも同社は株主優待の導入を発表している。

鉄道系の優待は最近ではけっこうお得なモノも多くなってきているが、同社が発表したものを見てみると利用者も多い駅ナカ蕎麦のトッピング無料券などユニークなモノに加えゴルフ練習場や地下鉄博物館無料招待から定番の優待乗車券などラインナップしており、ほぼ毎日利用する向きにとってはそこそこ魅力的に映るモノとなっている。

その辺は兎も角も近年では総会でもお土産を廃止する企業が続出し、株主優待もまた東証再編による株主数規定緩和や株主平等性の観点から実際に特典を受け難い外人投資家などの批判を受け一頃は減少傾向にあったものだが、新NISAの導入でここへきてまたぞろ優待創設の動きも出てきている。分割の動きもそうだが、政策保有株の売却加速等も背景に改めて個人の存在が再認識されはじめているということか。


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