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利益相反?

サブプライムローンの余波で大手金融機関が相次いで巨額の損失を強いられ、直近ではシンガポール系SWFから米メリルリンチが出資を受け入れる等発表している中で先週発表されたG・Sの9〜11月期決算はすこぶる好調で、通期では営業収益と当期利益が何れも過去最高を記録している。

それもその筈、サブプライムローン絡みの資産担保証券のショートで軽く4,000億円以上の利益を上げたのだから一人勝ちで笑いが止まらないだろうが、これを反映してか同業数社の経営トップがボーナスを返上する中で同社CEOのボーナスは総額80億円近くになるとこちらもサプライズ。

しかし一方では同関連証券の販売をせっせと続け、顧客といえば可也の損失を被っているわけだから利益相反の観点からはどうなのだろう?こうしたケースを見ていると以前の日債銀他案件売却の際のアドバイザリーの一件もにわかに思い出される。


投資の障壁

さて11/29にも触れたように今や世界を席巻しているSWF(政府系投資ファンド)であるが、日本でも自民党が月初に設立総会を開くなど来年度中の国営ファンド設立を視野に入れる動きが出ている。

現在日本の外貨準備は世界二位となっているが、米国の貿易赤字等をい背景に新興国始めとしてドル資産に偏重したリスクを減らす為に運用多様化が進む動きの中を遅ればせながらそうした機運が出て来たものか。

ただ、縦横無尽な中東系オイルマネーなどとは毛色も違い、為替介入時の副産物?から続いてやはり米国債が絡んでいるだけにこの辺は国の事情もあって慎重論も出ている模様、昨日もサブプライム対策基金の融資要請等されていたようだが目的そのものである投資に集中できない複雑な事情を抱えてまだ紆余曲折か。


やり得?

本日は昼に元証券関係役員と会っていたのだが、金商法その他いろいろ話していた中でインサイダー系の課徴金制度の話題も出た。

一部にご存知の通り先週、金融審議会のワーキンググループは課徴金制度に対してその金額水準や対象範囲を拡充する事で合意、金融庁は同取引に対して現行の2倍超への引き上げを検討する模様とか。

関係者の間では前々から言われていた事だが、運悪く?見つかってしまった場合でも現行は利益が残るのがほとんどで所謂やり得状態が実際のところ、欧米ではその何十倍も取られるケースが大半で漸くこの辺にも見直しが入る事になるか。

ただ今迄のケースを見るに魔女狩り的なものか対照的に雑魚がほとんど、中間層では悪銭をつかんだ経緯があっても現在表舞台で普通に活躍している面々も多数で、まだまだ掏りぬけられる輩は続くとか。


未知なる株主

週末には各紙で生保二位の第一生命保険が、平成10年度をメドに会社の形態を現在の相互会社から株式会社に転換した上で証券取引所への株式上場を目指す方針である事を明らかにしていた。

当の第一生命はこれらの報道を「方針を決定したものではない」としているが、いずれにしても同社はベトナム生保の買収やこの報道と同じくして来春はインドへ進出等の決定しており、内外の事業拡大には財務面での競争力を付けなくてはならないのが課題という事で思惑充分である。

ところで生命保険各社の保険金不払に関する調査結果も明らかになっているが37社で964億円とか、上場すれば厳しい経営監視のもとでこの辺もキチンとディスクロされるのかどうかだが同時にTOBリスクも出てくる。

「仮に弊社が株式会社化を行った場合でも、お客さまとのご契約に基づく保障内容に変更はございません」としているが、ファンド系の対策やらいろいろとややこしそうでもある。


税のトリック?

本日の株式市場は後場から先物主導で買われ3日ぶりに急反発となっていたが、株式といえば昨日の閣僚後の記者会見では渡辺金融担当相が株式等の配当と譲渡益に掛かる税率を本則20%から10%に軽減する証券優遇税制について「決して不合理という事にはならない」として継続を要望していた。

いまだ08年税制改正の焦点となっている同問題に関しては、今や例の宴会同席問題を巡って主要なキャストとなった額賀財務相が配当税率軽減のみで3,000億円の減収になると言っている事もあって政府税調側などは既に規定路線の如くに進めているようだがさてどういう方向になるのだろう?

そもそも企業自体は一部怪しいところを除けばしっかりと法人税を納めて原資を捻出しているわけであり、これにまた税金を掛けるというのはどうも個人的には腑に落ちなく二重課税としか取れないその必要性が分からない。

「金持ち優遇」との批判も一部に関しては解るが、年金資産のシェアその他考慮してみれば各層の存在からもう少し見方も変って来るのではないかとも思う次第。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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