157ページ目   株式

看板を下ろす

本日の日経平均は海外の信用不安が再燃した事もあって4営業日ぶりに急反落となったが、そんな悪環境の中で大商いの下で続伸していた三井鉱山あたりが目に付いた。

同社は直近で優先株の処理で再生が完了し資源株としてテーマ人気にも乗っていたが、本日の日経紙にはオーストラリア証券取引所が年内にも石炭、2009年にも鉄鉱石の先物取引を始めると報道、指標性は未知数なものの投機資金の流入によっては先行き関連企業へ矛先が向かうとの思惑も出るところか。

ところでこの三井鉱山だが来年から社名を日本コークスに変更すると発表、約100年の歴史を持つ現社名が消えるわけだが財閥系の中で冠を下ろすのも時代の流れを物語っているか。


読まれていたテーマ

本日は寄り直後から先物に振られる格好で急速にダレた日経平均株価であったが、この影響でバルチック海運指数復活からここ地味ながらジワジワと高値を取ってきていた海運株も軒並み一服商状となっていた。

株式が先行して全般調整が入ったので指数からすればメリルやUBS各社で強気のレーティング継続も自然なところだろうが、あの四川大地震以降に煽りが顕著であった事から先週末の日経夕刊が僅かに触れていたように復興需要でも可也テーマとしての思惑が入り乱れている。

この大地震ではこうして各方面で需要創造する一方で、インフレ助長や見せたくない物まで露呈させてしまっている面も多々出て来たが、しかし昨年この用船絡みのファンド案件にも触れた経緯があるが大化け必至で実に着目点がよかったというべきであろう。


委任状争奪案件

ひと騒動あった例のインターネット検索大手ヤフーであるが、今度は米著名投資家のカール・アイカーン氏が株式を買い集めている事が発覚した模様だ。

氏といえばタイムワーナーや韓国の煙草会社に敵対的買収を仕掛けた所謂アクティビストとして有名であるが、今回も委任状争奪戦に乗り出し再度の買収実現から高値での売却を目論んでいるとの見方。

まあ委任状争奪戦に勝利しただけで企業が変貌を遂げるかとは一概に言えないが、いずれにしてもファンドはパフォーマンス志向、過去幾つもの企業を蘇生させ多額の利を齎した同氏だけに先の失望から売られたヤフー株は一転急上昇、転がり込む報道に株価も一喜一憂といったところ。

上記の通り一旦は破談となった格好の米マイクロソフトによるヤフーの買収騒動だが、株主総会を前に関係者の思惑通りに事が進むか否かまた面白い案件となってきた。


天災のタイミング

周知の通りオリンピックまで残すところあと僅かになった中国で、四川省を震源とするM7.8の大地震が発生した。

この手の災害報道によく見られるように時間の経過と共に惨状が明らかになっているが、株式市場は上海証取や深セン証取に上場している66社が取引停止となっている模様で、国内はこの被害状況等の手掛り待ちの中を特需見込みで建機関連に物色の矛先が向かっていた。

さて同市場売買再開後にあの阪神大震災時に見られたような個別への売りも含む物色がこちらでも再現されるのかどうかも気になるところだがそれは兎も角、先月中国については当欄でオリンピックを待たずして綻びが加速してゆくのかどうか注目としたが、人が創造した不安の障壁の次には天災が襲う等過去主要国にもあったその試練の巡り合わせにはい因果を感じる。


増配という演出

本日の日経紙一面には日生や第一等の大手生保が、契約者に約束した保証利回りに運用成績が及ばない所謂「逆ざや」状態が08年3月期決算で解消する見通しと出ていた。

逆ざやといえば生保と並んでメジャー投資家の年金逆ざやも懸念される中、この大手二社が逆ざやを解消するのは01年3月期の情報開示開始以来初めてらしいが、以前に増復配機運の項に書いたように一部は企業収益改善に伴う株式配当増等も寄与もあった模様。

ただ、いまだ本音はディスクロしたくない?基礎利益の部分は減る見通しとの事で既存顧客の解約防止や保険金不払い問題批判をかわしたりする為の守りの増配と指摘されているようだが、この辺を見ていると昨今個別企業においても幾つかが減益下での増配企業政策を取っているという現状と重なって見える。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

4

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30