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現物交換可

さて今週目に付いたものといえば週明けに日経紙一面に載っていた「東証が金ETFを来春上場」という記事だろうか。

これについては既報の通り先に大証がリンク債を絡める苦肉の連動上場投資信託を上場させているが、東証はその占有率から指標とされているあのステート・ストリート社の商品を相互上場させるという方針としており、勿論現物の裏付けが為されて交換が可能なものとなる。

この辺は前にも触れたが来月施行する改正信託法や金融商品取引法を踏まえてのものだが、本日は金融庁がETFにおける税制手続きを包括的に税額控除対象指定し簡素化する要望の旨が日経紙に載っており、着々と整備は整いつつあるようだ。

今年頭には同ETFの件でアジア初としてシンガポールに先を越された事に触れたが、今後の年金等の参入その他機関投資家の動向でこの遅れは取り戻せるか、また国内では取引所再編のトリガーになって来るか大いに関心を抱くところ。


メガ化

所用で三越に立ち寄った際に何かレイアウトが変ったなと思っていたら、有名シェフが監修したレストランやカフェを集めた「シェフズ&スペシャリティダイニング」なるものがオープンした模様だ。

それはそうとこの三越、先週には伊勢丹と経営統合を正式発表し来年にはホールディングス参加入りとなるが、百貨店に限らずマーケットに淘汰を求められている業界は生き残りへ競争激化し再編が著しい。

銀行という大波からスタートし、前にも取り上げた消費者金融、この百貨店等末端への枝葉はこの波に覆われているが商品業界果ては取引所も然り、必然だったのだがそうした機運が今の期に訪れているという事だろう。


門戸開放と野望

安部改造内閣の顔ぶれは決まったものの、特にこれが材料にもならず本日の日経平均は小動きな上に東証一部の出来高は大発会を除いて今年最低となっていた。

さてそれは兎も角、昨日からSBIホールディングス率いる私設取引システム「ジャパンネクストPTS」の運営がいよいよ始まり、初日の売買代金はといえば上記の通りサブプライムローン問題の影響からか様子見姿勢が強く結局一億円強となった模様。

この夜間取引、従来他社も個別に開設していたが参加者は同PTSを運営する証券会社の顧客に限られた為に、昨年に当欄でも何回か取り上げ指摘したようなリクイディティーにおけるリスクがあったのだが、ジャパンネクストの場合は順次他社も接続予定で何れにせよ日本最大規模となる見込み、将来は取引所化も視野に入れているらしいがこれによりこうした部分が改善されてゆくのかどうかその行方を見守りたい。


自然からのメッセージ

なかなか気の利いた言葉が見つからないがまあ単純に連日の猛暑なのだが、電気事業連合会は本日電力10社合計の21日の発電量が6年ぶりに過去最高を更新したと発表していた他、東京電力が予め合意した一部の需要家への電力供給を一時的に減らす「需給調整契約」に基づき大口需要家への送電抑制を17年ぶりに実施するという、電力供給の緊急対策に乗り出したとの報道も各紙に見られた。

既にこれの対象企業の一つである東邦亜鉛等は生産を事実上停止、話は違うがそういえば先月は例の新潟県中越沖地震で上場企業ではトヨタ筆頭にリケン等も操業停止に追い込まれた経緯があるが自然というか地球からの警鐘とも取れるのは気のせいか。

株価で見れば上記のトヨタやリケンも一時これらを乗り越え、その体力というかグループ力の評価からか切り返す動きをみせたものの再度株価は往って来い、株式も対象企業は操業停止リスクというのも昨今見ておかねばならないのかもしれない。


忘れた頃の清算

週末には最近の「サブプライムショック」に絡んで住専を少し引き合いに出したが、その住専関連から週明けの本日は帝国データバンクよりあの麻布建物が今年最大の負債5,648億円で破綻というニュースが舞い込んできた。

ご存知住専の大口融資先であった同社はあの末野興産と共にまさに当時を象徴していたが、関係者には株式市場の方が有名で小糸製作所買占め事件ではピケンズ氏のダミーかとの噂が当時絶えなかったのを思い出す。

昨今の市場を見るに当時でもこの狙い先にあったトヨタの行動は毅然たる物であったと余談ながら感心するが、一時フォーブス誌にも富豪で載ったバブルが久し振りに一つ消えた。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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