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慈善外?

各紙で報じられていたように、あのウォーレン・バフェット氏がモノライン数社に対して支援を申し入れたとの報を好感し、本日の日経平均は序盤こそ好スタートを切ったが後場は先物で潰され結局は小幅高に止まって引けた。

一連のサブプライム関連でもこのモノラインの格付けが問題視されていただけに、この維持さえ出来れば枝葉の部分も維持されるという構図で期待感が出てくるのも自然なところだが、当のモノラインでも巷で噂されているアムバック等は受け入れ拒否の構えとかでこの辺は推移を見守る必要があろう。

さて今回の金額は最大で8,000億ドルと実に大盤振る舞いだが、気になるのは今回の再保証提案対象になっているのが最上級の格付けを持つ地方債のみという点、再保証料は可也割高なコストになるという話も出ておりリスク資産は全く眼中に無い。

数兆円をポンと財団に寄付する慈善家の同氏、LTCM破綻の救済の時は不発に終ったがさて今回はどうなるだろうか。


Scapegoat

国土交通省が今国会へ提出を予定している空港整備法改正を巡って空港会社への外資規制を導入する方向になっている事について、本日の閣僚後の記者会見にて渡辺金融・行政改革担当相は金融担当相として改めて反対だとの見解を示している。

これに関連する話題としては昨年オセアニアからヨーロッパまで幾つかの空港の大株主になっている「マッコリー・エアポーツ」が、日本空港ビルディングの大株主にも登場し買収防衛策発動に微妙な保有比率で止めているあたりが思惑を呼んだものだが、まあダボス会議でいろいろとIRして来た矢先だけに解らないでもない。

ただ結局の場合、自分に都合のよい天下り先である器が買収された場合、後々利権が効率化の名のもとに侵されたくないというところが本音で、安全保障の問題云々はいいように使われているようにも見える。


SRI

一部のカード会社では今年もユニセフ支援の依頼が来ていたが大和證券は昨日、日本で始めての発展途上国向けのワクチン購入資金を手当てする債券「ワクチン債」を3月中旬から個人向けに販売すると発表していた。

発行体は予防接種支援の国際機関、国際金融ファシリティで起債によりワクチンを購入し途上国へ無償援助するという事だが、このところ以前にも触れたエコファンドやらCO2絡みの外貨定期やらSRI(社会的責任投資)が売り物の個人の金融商品が多様化しているとの事である。

元々の様々な素地は昔から何処でも存在し問題視されてきたものだが昨今機運の盛り上がりからヴィトンからマクドナルドあたりまで活動を謳い、益々こうした分野の拡大傾向は加速してくるものと思われるが、この手は時に政治絡みのものも入って来るであろうし今後は金融商品としてのその性格の棲み分けも論点となってこようか。


仮想買占め

本日の株式市場は米FOMCにおける追加利下げ観測から急反発となったが、ところで週末にあった珍事といえばトヨタを始めとした主力株ばかり合計六社の発行済み株式の51%を取得したという「EDINET」への書き込み事件である。

提出したのは川崎市の会社らしいが、大量保有報告をもっともらしく装うならまだしも総額20兆円を超える買い付けと言うし掲載が休日前の引け後というのも何処まで本気なのかどうも解せない。

当の本人は依然として「訂正報告の意思はない」としておりその意図は関係者のみぞ知るという感じだが、何れにせよ当局はこれを受けての対策チーム立ち上げを表明、不本意な形ながら金融庁の受理体制の盲点が浮き彫りになった形だが、ステージは違えどホンの少し昨夏公開の「ダイハード4.0」の1シーンが頭を過ぎった一件でもあった。


WRAP

米FRBの緊急利下げ等を受けて本日は取り敢えずの一服を見せた株式市場であるが、このところの急落から一定条件の下で元本が保証されるリスク軽減型の投資信託の元本保証外れが確定したものが20本以上に達したと日経紙に出ていた。

さて、比較的低リスクの投資信託といえばこれらに限定して運用するサービス「ファンドラップ口座」があるが、年明けには野村がこの最低購入価格を引き下げる検討に入ったとの報があった。

後発組は主流の最低購入価格の約半分に設定しての参入となっていたが、マル信やオプションと同様にステージこそ違うもののニーズを踏まえその速度は速くなってきているようにも思う。

これら含めラップ口座等はまだ日が浅く元々の概念から小口化も賛否両論あるが、本来あるべき機動的運用や手数料の観点から先々には商品の領域まで枝葉が伸びてくる動きとなるのだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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