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増復配機運

NYが史上最高値を更新し続けている事に刺激され、日経平均も本日はネックとなっていたアイランドリバーサルを捉えて来た。

素地として好業績も一部あっただろうが、そういえば今月に入ってから日経あたりでは好業績背景に中間配復活や増配の上場企業が相次ぎ、配当は初の2兆円越えとの記事があった。

まあ一般には結構な事だが投信等が一部構成銘柄の都合で集中買い、配当落ち前の手仕舞い等でボラタイルになるケースもありフィルターとして健全か否か微妙なところでもある。

また昨今のM&Aブームを背景に、大義名分では個人還元を謳っていても本音は防衛意図が見え隠れするケースもあり額面通り受け取れるものではない。


当限並み?

さて7月だったか一度触れた「PTS」活用の件であるが、15日に先陣を切ったカブドットコム証券では昼間の約1%の売買代金で推移していると今週の大手紙には出ていた。

末尾には重要情報が流れた場合の基準や投資家保護の整備が不可欠とあったが、確かにこの点は気になるところではある。

早くもトヨタ株あたりはそういった動きが出た模様だが、そもそも株価に係る重要事項、修正等のディスクロは引け後が通例であり現状上記の売買代金ではそれこそ商品の当限並みの板の中で勝負するようなもの。

各社どういった基準で臨むかだがシステム等含め、暫くは投資家側も以前書いたリスクの中でも執行リスクに注意しながら臨むべきだろう。


改善計画

さて持ち株会社移行が固まった東証は水面下で人事の噂がにわかに先行しているが、金融庁も絡めた思惑は未だ尽きないだろう。

金融庁といえばSECの検査に引っ掛かったとかで週末に札幌証取と福岡証取に業務改善命令を出していたが、売買審査体勢が不十分でシステムリスクに対する認識が低かったとか。

8月アタマに「トコロ相場」として著しく乖離した取引員株の値が付いたのも確か福岡証取であったと思うが、やはりその辺がクローズアップしてくるのは自然な成り行き、改善計画提出は来月末であるが先行きは如何に。


最終売買日

モルガンの誤発注で乱高下した日経平均であったが、そんな中を阪急、阪神の上げが目立っていた。

そのうちの阪神電鉄は気が付けば明日が上場廃止ということで本日が最終売買日、一応TOB価格を上回って引けたわけだがこれで100年以上の上場の歴史が幕を下ろす事となる。

村上ファンド浮上からちょうど一年であったが、買い占めそのものよりも当時のCB取引を絡めた一連の巧妙な株価操作が出来るスキームこそ当初からスポットが当てられるべきであったかもしれない。

まだまだこうした予備軍は幾多もあるが殆どが何故か表面化してこない。


勝利者不在

本日付けで、王子製紙が先月2日より実施していた北越製紙へのTOBが締め切られた。

いろいろ物議を醸し出した末に敗北、不成立の線が濃厚であるが今回の場合は業界首位が絡んだ案件であっただけに、成功の暁には日本の企業再編が次のステージに入ろうかというところでもあった。

7月にも同様の内容でコメントした通りの結果となったが、当時「以前とは違ってしっかりしたビジョンが背景にある事は発展途上ながら一歩前進しているか。」ともコメントした。

結果こそこうなったものの試みは第一歩、何れ世界標準の時が訪れようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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