路線価2026

本日は国税庁が相続税や贈与税の対象となる2026年分の路線価を発表している。全国約31万地点の標準宅地の平均は、外国人向けのホテル需要や再開発への期待感などを背景に前年比で2.9%プラスとなり、算出方法が現在のように変わった10年以降で最大の上昇率となっており5年連続の上昇となっている。

さてその上昇率トップとなったのは32.7%の長野県・白馬村でインバウンド人気などを囃しココは3年連続全国1位、それに続くのは同じく長野県の野沢温泉村、そして続く3位には北海道の富良野市がランクイン。都内で上昇率トップとなったのは浅草の雷門通りの27.5%、また標準宅地の変動率の都道府県別では東京都が前年比プラス9.4%で東京都が最大であった。

また今回は中野駅北口広場の22.4%や、高円寺駅北口商店街通りの19.8%に荻窪の19.7%上昇など中央線沿線の上昇も目に付いたが、5年前くらいの麻布十番と同水準まで上がってきている旨を大手不動産情報会社が指摘している。冒頭の通り「相続税や贈与税の対象となる」ものだが、斯様な上昇模様を見るに相続財産の割合の変化と共に相続税等の申告義務者も自ずと増加傾向になって来ようか。


糖尿病治療薬蔓延

先週末の日経紙投資面では、高値圏で乱高下している日経平均への不安からディフェンシブ銘柄のうち医薬品などに注目する旨の記事があったが、個別では肥満薬をイーライ・リリーに導出している中外製薬の名も挙がっていた。この肥満薬に絡んでは今月中旬には厚労省が糖尿病治療薬「マンジャロ」等の目的外使用を危惧し適正使用を要請する通知を全国の医療機関向けに発出している。

米国でも同じようにダイエット目的で糖尿病治療薬を使う向きが急増しているが、日経MJ紙ではこうした動きで菓子やスナック類の売り上げが減少している裏でこの薬による副作用対策商品の市場が拡大している旨の記事があった。唾液分泌低下にはガムやミント製品の売り上げが増加し、抜け毛や肌の弾力低下には薄毛対策製品が注目され、同薬品使用中の栄養不足に対してはスムージー業界に追い風が吹いているという。

米JPモルガンではこうした“GLP―1受容体作動薬”などを含むインクレチン関連薬の世界市場規模が2030年までに2000億ドル(約32兆円)に達するとの予測を出しており、日本もこれの後追いで市場が同じような軌跡を描くかどうかだが、それらと併せ薬品ポスト全体の水準動向にも注目しておきたいところ。


欧米並み水準狙う

一昨日の日経紙の金融経済面では「株・投信・債券「4割」へ」と題し、政府が2040年までに家計金融資産に占める株式や投資信託、債券の比率を40%に引き上げる目標を掲げる調整に入った旨の記事を見た。日銀のディスクロでは昨年末の時点で2351兆円の家計金融資産のうち現預金の比率は48.5%の1140兆円、そして株式などの3資産が占める比率は約23%にとどまっている。

23%にとどまっているとはいえ曲がりなりにもリスク資産の割合が20%を超えたのはこれが初めてではないだろうか?また現預金の比率にしてもコロナ禍が漸く落ち着きを見せてきた2022年の同時期の同比率は54.4%であったから、上記の50%割れを見るにリスク資産の比率と併せてインフレ型へほんの少しシフトしてきたと捉えるべきかどうか?

それでも他に先進国と比較するに例えばユーロ圏の現預金割合は約32%、米に至っては実に約12%程度になる。そうしてみるとインフレ型にシフトしてきたとはいえ48.5%はあまりにも諸外国と比較するに大きい。そういった事からの冒頭の政府目標なのだろうが、現残高を前提とすれば400兆円程度の残高増が必要になってくるわけで現在の日本の外貨準備の倍近くにもなる数字だ。

とはいえデフレ経済からインフレシフトで現預金の実質的価値が時間の経過と共に減少するケースでは株式などの資産を保有する方が合理的か。そうしてみると現預金が50%割れとはいえまだ半分近くあるのはインフレに対して脆弱なポートフォリオが続いているわけで、今後どの程度リスク資産が選好されこの政府目標に近づいてゆくのか推移を見守りたい。


期限無しの拡大

昨日の日経紙ニュースワードでは、通常の先物取引と異なり資金が続く限り投資家が契約のポジションを保有し続けられるのが特徴の「永久先物取引」が取り上げられていた。仮想通貨が主流だったこの取引もナスダック市場へのスペースXの上場によるショートスクイーズ現象などから注目が集まり、次に控える大型AI関連と相俟って市場拡大も予測されているという。

そういえばCFTCも予測市場の「カルシ」に対してビットコインの無期限先物を先に承認している。これまで無期限先物は海外の取引所を通じていたものだったがこの規制が緩和された形となり、これが叶うとなると満期無しの取引が24時間365日可能となる。またロールオーバーにも都度一定のコストがかかっていたが、長期にわたるポジション維持にも追い風になるか。

上記のカルシといえばポリマーケットと並んで商いを集めているが、この度の承認でデリバティブ取引所としての“顔”も持ち合わせることとなり事業としての幅も一層広がることになるか。いずれにせよ規制改革で投資家層の幅も広がってくれば市場の流動性、そして安定性の向上にもつながる期待も出てくるわけでこうした部分にも期待を寄せたい。


食品メーカーの憂鬱

さて中東情勢の影響が広がるなかで恒例の今月の食料品値上げ状況だが、帝国データバンクによる主要食品メーカー調査では6月値上げ予定の飲食料品は1078品目、前年同月比では約半分にとどまるものの先月比では約13倍と急増している。食品分野別では最多が調味料、次いで加工食品となるが、値上げ品目総数は早ければ今月中にも5年連続となる年間1万品目突破が判明する見通しという。

値上げもさることながら上記の主要食品メーカー各社にとっては中東緊迫が気になるところだが、27年3月期に中東情勢の影響でどの程度のコスト増を見込んでいるかの集計では主要8社で最大845億円になるという。こうした影響に対してはどの程度価格転嫁が出来るかが焦点となろうが、この物価高でただでさえ消費減退ムードのなか思い切った値上げは各社逡巡している感もあり、今後場合によっては業績予想の修正を強いられる向きも出てこようか。

とはいえ企業努力で賄えない部分では粛々と値上げは続く見込みで来月の値上げ商品は更に倍増予測だが、一部企業では従業員サポート手段として食事補助の非課税枠に注目据える向きも出てきている。いずれにせよ11兆円以上も投入した介入効果虚しく円安基調は変わらないうえ、中東情勢の影響も不透明なだけに引き続きこれらに注視しつつ身構える動きが続くか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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