Valentin’s2026

さて明後日に迫っているバレンタインデー、一昨年の当欄では「原材料高騰でバレンタインチョコが一昨年比較で平均4.5%の値上げとなった」と書いていたが、以降価格高騰が落ち着く気配も無い。カカオ豆急騰によって総務省では東京都区部チョコレート100gの平均価格が2025年12月で404円とここ3年間で約2倍の水準と発表されており、帝国データバンク調査では今年のバレンタインチョコの1粒価格が2年連続で過去最高値を更新している。

このバレンタインに先駆け毎年恒例のイベントとしては三越伊勢丹系の「サロン・デュ・ショコラ」に高島屋の「アムール・デュ・ショコラ」が挙げられる。今年は毎年書いている個人的に刺さった商品の詳細は割愛するが、今年も過去最多招聘の世界のトップパティシエによる独創的な商品はもとより、今や“推し活”の対象にまでなった日本人シェフの台頭も奏功し“義理チョコ文化”が消えゆくなかこれらイベントの市場規模は拡大の一途をたどっている。

肝心のカカオ豆相場は先物がピークからはかなり下落してきているものの、物流・人件費から包装資材まで諸々なコスト増からこちらに出店している著名パティシエのそれは冒頭の1粒平均価格どころかこれの軽く数倍となっており、いま最も強気に価格転嫁が通る食品なのは間違いないところだろう。とはいえここまで原材料費が高騰したことで百貨店商戦では代替カカオともいえる商品も各所で登場してきている。

そごう西武ではカカオ豆の代わりにコーヒー豆を原材料とした商品をラインナップし、高島屋もエンドウ豆などを原料とする代替チョコが初登場、他にもひまわりの種を原材料としたモノまで登場しているが、環境意識の高まるなか代替食品の抵抗感をどこまで払拭出来るかが焦点か。いずれにせよコスト高由来のチョコレート価格の上昇トレンドはこの先もしばらく続きそうで、今後は割安へ靡くか本物追及かの二極化がますます顕著になって来ようか。


米予測市場の可能性

さて今年も熱狂のうちにNFLの王者決定戦スーパーボウルが終了したが、これに絡む予測市場における取引量が過去最高を更新する見込みという。この予測といえば週末の日経紙夕刊総合面では「金融商品兆半ばくち化」と題して、投機ニーズを取り込んだ博打的なサービスの人気が急増し、取引所や予測市場は高まる需要を取り込もうと新しい商品展開を急いでいる旨の記事があった。

確かにこの市場は一昨年の米大統領選を機に人気に火が付きその後裾野が広がってきた経緯があり、上記のスーパーボウルに絡んでも近年の予測市場運営大手の台頭が影響し従来のギャンブルアプリ運営のフラッター株等はスーパーボウル開催まで23年ぶりの長期下落を記録した。またきな臭い事例としてベネズエラを巡り「同国大統領が今年1月末までに退陣するか?」との取引で米攻撃情報を事前に入手したインサイダー取引の疑いの事例も取り沙汰されている。

そういった件を尻目にCME(シカゴマーカンタイル取引所)は上記のフラッター傘下と共同で予測市場のプラットフォーム展開を開始し、CBOE(米シカゴ・オプション取引所)も予測市場に似た設計の商品投入を目指し証券会社と協議中といい、ニューヨーク証券取引所を傘下に持つICE(米インターコンチネンタル取引所)は予測市場運営のポリマーケットに最大20億ドルを出資するなど従来の金融市場先物大手が次々に参入の考えを示している。

調査機関の一部推計では大手事業者の週間取引は1年で10倍に膨らんでいるといい、別の米調査会社は2030年までにこの予測市場は年間取引高が1兆ドルに拡大することを見込んでいる。今後の過程で規制強化等の動きも予想されるものの、機関投資家等へ顧客層が広がれば予測市場から市場心理やイベント結果の確立を定量的なデータとして得ることで新しい金融商品が出来る可能性もあり、この市場が新たなオルタナティブ投資の選択肢となる期待も出てくるだけに今後もこの市場は注目しておきたいところだ。


節分2026

本日は節分。節分といえば「恵方巻」だが、昨年の節分ではこの恵方巻の材料のコメや海苔が前年から約1.2~2倍に高騰、帝国データバンク調査の平均価格が初めて1000円の大台を超えた旨を書いていた。あれから1年経ったがなお騰勢止まらずといった感じで、同調査の平均価格は1173円と前年比で11.7%と大幅に値上がりし昨年に続き2年連続で10%超の値上げになっている。

これら背景には前年比30%もの値上がりをしたコメはもとより引き続き海苔や鶏卵などの高騰も影響している。この帝国データバンクによる主要食品メーカー対象調査の今月の値上げは674品目で昨年にこの節分を書いた時の1656品目からは約6割ほどの減少となり、これで単月の値上げが1000品目を割るのが4か月連続となって値上げに一服感も見られる。

とはいえコスト上昇分を転嫁する動きは粛々と続いているが、要因別ではやはり人件費の上昇が顕著になってきている。一昨年はこの項目が約27%だったものが、昨年は約5割に達し、昨年末決定分の今年4月までの分は66%にまで上昇してきている。レートチェックで急騰した円も高市首相の外為特会ホクホク発言で再度トレンド回帰となっているが、これにこの粘着質な要因も相俟って値上げラッシュ再開の懸念はまだ拭えないか。


ようやく解禁?

さて、金の国際価格が今週は遂に1トロイオンス5000ドルの大台を突破している。一方で金と並びデジタルゴールドとも言われたビットコインの方は昨年10月の史上最高値から約3割安の水準にありその関連銘柄と共に低迷している。オルタナティブの一つとされることが多かったものだが、終息が見えてこない地政学リスク台頭の下ではやはり伝統的実物資産との明暗が浮き彫りになった格好か。

ところでこのビットコインといえば、今週は日本で2028年にも暗号資産(仮想通貨)で運用するETFが解禁される見通しとなった旨の報道があった。当欄では一昨年に米で悲願の承認が為された時に「~ところでビットコインETFの国内承認は叶わないのだろうか?」と書いていたが、当時の金融庁は指針改正で暗号資産を投資対象に含む投資信託の組成・販売を禁止しており運用対象である特定資産から外れていたものだが金融庁がこの制度を変える方向に舵を切る。

しかしこの暗号資産といえばこれまで古くはマウントゴックス事件やコインチェック事件にDMMビットコイン事件などいずれも数百億円規模の流出事件があり、そういった事も背景に投資家保護から投資対象としての扱いには二の足を踏んでいた経緯があるが、世界の仮想通貨の時価総額はこの3年で3倍に拡大しており課税にしても金融課税扱いしていないのは先進国で日本だけであったことで日本も漸く重い腰を上げる格好か。

紆余曲折ありながらも先に解禁となった米では同年にビットコインETFの運用資産残高がゴールドETFに肩を並べる水準に急増し、既に足元では約18兆円規模に膨らんでビットコイン時価総額の約6.5%を占めるに至っている。国内もこれでビットコイン等に個人投資家や機関投資家が投資し易くなるというわけだが、上記のように投資家保護が至上命題なだけに解禁までの牛歩感が否めないのはなんともという感じだ。


春闘2026

昨日は経団連の会長と連合の会長が2026年の賃上げについて東京都内で会談をもうけ、今年の春季労使交渉が事実上スタートしている。昨年はベースアップと定期昇給合計の平均賃上げ率が連合集計で5.25%であったが、5%超えは2年連続。連合としては今年も5%以上の賃上げ率を目標としているところだが、プライム上場の大手一角ではこの連合が掲げる目標を上回る賃金を打ち出しているところが続出している。

これらの中には円安を追い風に輸出でガッツリと稼いだり、或いは内需企業でも強気の価格転嫁で利益を積み増す企業が多いわけだが、一方で中小企業はというとこうした大企業のような恩恵が及ばず取引先にも十分な価格交渉が出来ていない等苦しい状況にあるところが多い。この辺は1月に施行した中小受託取引適正化法などに期待がかかるものの、賃上げにはどの程度の効力があるか未知数だ。

ちなみに昨年の春季労使交渉では連合が上記のような大手企業との格差是正を目指し6%以上の目標を掲げるも結果としては4.65%止まり、今年は更にインフレも加速する見込みで賃上げ余力など含め懸念が残る。政府が悲願としている実質賃金のプラス定着にはこうした中小企業の成長が欠かせず、大手との二極化の是正から中間層も恩恵を受けられるようになるかどうかが焦点だがその兆候が今年は見えてくるか否か注視しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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