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土用の丑2026

さて今週末の「土用の丑の日」に向けて街の店から大型スーパーまでウナギ商戦が盛り上がっているが、4月の“春の丑の日”でも書いたように今年の場合は昨年豊漁だった稚魚が成長して市場に出回り国産ウナギの月別卸売り平均価格は昨年の4月が5307円であったものが、今年4月には2983円と4割も安くなっている事などを背景に消費者には優しい価格が彼方此方で見られる。

とはいってもこのウナギ、国内のウナギ供給の約7割を輸入に頼っている状況で漁獲量もやはり天然資源に依存しているだけにその安定感は安穏としたものではない。そういった事で養殖など官民挙げて精力的に取り組んでいるが、水産庁は卵から育てた世界初となる完全養殖のウナギの試験的一般販売も始めてお5月には三越日本橋などでこの試験販売を開始している。

ただその価格は冒頭のウナギなどと比較するに約2.5倍となかなかの設定。では生産コストはといえばこの稚魚1尾あたりの生産コストは現在のところ水槽の自動給餌器等の工夫もあり約1800円だが、10年前にはこれが実に40000円であったから飛躍的に下がっているが、それでもなお天然モノの約3倍にもある。

この辺も今後は現在の半分以下までコストダウンを図りたいとの努力目標らしいが、更なる工夫などを図り完全養殖ウナギが一般に手の届き易い価格に収れんしてゆくのかどうか、そんな想いも馳せながらとりあえず“お得な価格”で食べられる今年の美味しいウナギに感謝しながら舌鼓を打ちたい。


官製相場食色彼方此方

本日の日経紙グローバル市場面には「金利急低下「GPIF」の影」と題し、昨日の20年物国債入札が異例ともいえる好調さを示したのを背景に金利が急低下した旨の記事があった。この辺は巨額の資金を動かすGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの所謂“クジラ”の買い観測が出ているわけだが、斯様なクジラを動員してまでも金利を低下させようとしているとの観測に警戒感も募る。

そういったことで昨日こそ長期金利も低下したわけだが、一向に霧の晴れない中東情勢の緊迫化を背景にして世界中で金利は再上昇傾向にあるのは周知の通り。とりわけ日本の場合はこうしたことに加え、先に所謂“骨太の方針”原案をきっかけに財政健全化と日銀利上げ日程の“ズレ”がより一層警戒され先進国の中でもかなり早いペースで長期金利が上昇してきた経緯がある。

斯様な状況が続けば国債が売られ、円に対する見方もどんどん厳しいものになってくるわけで冒頭のような思惑も湧いてくる。しかし最近はこういった“官製相場色”の話が良く出てくる。為替介入はもとより一寸前には原油先物市場介入の奇策が取り沙汰され、今回のGPIFによる国債購入観測だ。バブルを知る世代には崩壊後の“PKO”の失敗が記憶に新しいが、昨日のバブル期を彷彿させる時価総額光景と共にこちらもまた当時を彷彿させるものだ。


ダブルスコア級再編劇

本日はヤマダ電機に買い物に行ったのだが、ついこの間家電激戦区の池袋にヨドバシの関東最大店舗が開業したのを思い出した。池袋はビックカメラやヤマダも旗艦店を構えているがこの業界ではこれに先駆け最大手のヤマダHDと、大手エディオンが経営統合する旨の報もあったがが、連結売上高約1兆7千億円を誇るヤマダにエディオンが合わされば約2兆5千億円、2位に位置するノジマでさえ1兆円にも満たないわけだからダブルスコア級となる。

ヤマダHDは既に2021年に大塚家具を傘下に収め住宅やリフォーム事業の強化をしておりPBブランドにも注力しており、エディオンもリフォーム事業を拡大し2022年にはニトリとの資本提携し共同開発を進めている。両者とも目指しているのは暮らし全体を提案するライフスタイル企業への転換だが、今回の統合が叶えば圧倒的なスケールメリットも手中に収めることになる。

家電業界といえば当欄では今から14年前の2012年にビックカメラによるコジマ買収を書いたことがあったが、その時には「業界上位同士による再編劇にステージが変わってきた」と書いていた。人口減少の社会の中で家電に限らず小売業はビジネスモデルも変わりつつあるうえ、圧倒的規模を持たなければ生き残れない時代に入っている様をひしひしと感じる今回の大型統合だ。

そういったところでは冒頭のダブルスコア級ではドラッグストア業界でも昨年のイオン傘下のウエルシアHDとツルハHDの経営統合も記憶に新しいが、他にもホームセンターやスーパーにコンビニしかり。人口減少の社会の中で小売業のビジネスモデルも変わりつつあるだけに、今回のガリバー誕生でまた他の企業や業界にも与える影響も少なくなく合従連衡の新たな波がまた来るか。


大・中小で二極化

先週に経団連は大手企業23業種248社の夏のボーナスの平均支給額を公表しているが、それによれば企業の好調な業績や毎月の賃金上昇が反映され比較可能な1981年以降で最も高くなり初の100万円の大台に乗った模様だ。これで5年連続の増加というが、中東情勢の影響などが懸念された日銀短観も市場予想を超える5期連続の改善を見せ企業収益の底堅さが改めて認識されたかっこうだ。

大企業の設備投資額は前年度比で11.5%増となり今回のボーナスと併せ斯様な数字は賃金や投資などの循環が回りはじめたことを示すものともいえるが、この大企業の方はそれとしても雇用の7割を支える中小企業の方のボーナスはどうなっているのだろう?出るだけマシとの指摘もあるなか、帝国データバンク調査では平均で50万円にも満たない数字が出ており上記の大企業平均のほぼ半分ということになる。

それでも今年の春闘での平均賃上げ率は最終集計で大企業が5.01%と昨年より0.33ポイントマイナスと伸び悩んでいる一方で、中小企業のそれは昨年の4.65%から今年は4.69%と微増ながらも健闘が見られる。日本経済が新たなステージに入るのは大企業と中小企業の二極化がどれだけ緩和されるかにかかっているといえ、大企業のような循環の流れが中小企業にも及んで初めて皆が景況感改善を実感出来るものと思われる。


ダブルパンチ値上げ

さて、互いに停戦合意違反を非難していた米とイランが攻撃停止で合意との報道が出ているが、原油や石油製品の供給不安による影響は今月も表面化している。帝国データバンクによる主要食品メーカー調査では7月値上げ予定の飲食料品は2566品目に上っている。単月の値上げ品目が2000品目を超えるのは今年の4月以来、3か月ぶりのことで、上記の中東情勢などが品目数を押し上げている。

分野別では即席麺などの「加工食品」が1084品目と最多で、4月に日清食品が、そして6月に明星食品が価格改定を実施していたが、今月は“赤いきつね”や“緑のたぬき”の東洋水産に“スーパーカップ”のエースコック、そして“カップスター”のサンヨー食品の3社が一斉に値上げする。これに続くのが「パン」の1078品目で“ロイヤルブレッド”の山崎製パン、“超熟”のPasco、“ネオバターロール”のフジパンなど大手が一斉に値上げに走る。

外食系ではバーガーキングが2月に続き半年も経たないうちにバーガーからサイドメニューに至るまで2回目の値上げを敢行し、モスバーガーも15日から値上げ、すき家も円安による牛肉価格の高騰を背景として8日から牛丼を値上げ、昨年の値下げも今回の値上げで“往って来い”で元通りになった。またドトールコーヒーショップやエクセルシオールカフェも中東情勢を受けた包材高騰を背景に主力商品を23日から値上げする。

1か月前には「~11兆円以上も投入した介入効果虚しく円安基調は変わらない~」と書いていたが、そこから一時は1か月で更に3円近くも円安が進み約40年ぶりの円安水準に。中東情勢の悪化にこの円安も輸入コストを上昇させるダブルパンチで帝国データバンクの言う年間値上げ品目数2万品目台での着地想定を睨み今後も身構える動きが継続されようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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