あれから12年
先週末で2万2千人以上が犠牲となった東日本大震災から12年を迎えた。東北の各地では追悼の催しが開かれ、都内でも日比谷公園で追悼の催しが開かれ献花台に花を手向けて手を合わせる人の姿が見られた。十三回忌ということで一つの区切りと捉える向きもあるが、食品なども台湾では10年以上にわたる食品輸入禁止措置が昨年緩和され食品輸出促進の機運も高まっている。
ところで昨年は福島の帰宅困難地域に若干の進展が見られたものの、除染、廃炉、その先の核ゴミの問題含め道筋がついているとは言い難いと書いていたが、1年経ってもこの状況は変わらず昨年末時点で累計4兆円を超えた除染費用は23年度以降更に兆円単位で増加する可能性があるなど処理費用は膨張を続けている。春か夏に処理水の海洋放出が始まり今年後半には溶融燃料の取り出しも始まるが負担の跳ね返りは不透明だ。
またロシアの暴挙が改めて原発問題と向き合わざるを得ない状況を作り出しているとも書いたが、年末には唐突に原発政策の大転換が決まり原発の運転延長や新増設を進める方向と政府は原発回帰の動きへ舵を切っている。原発関連株が不気味な物色をされるなかこの一連の動きに専門家の一部からは疑問視する声も上がっているが、いずれにせよ今後の議論と丁寧な説明は不可欠だろうか。