オーバーツーリズム考

さて、週末に所用で久し振りに築地界隈に出掛けたがしばらく見ない間に何処も彼処も外国人観光客が押し寄せていて驚いた。それもその筈、政府観光局によれば今年1~9月までの訪日外国人数は1,737万人、そして先月は251万6500人と2019年比0.8%増となりコロナ後で初めて2019年実績を上回っている。

上記の通り築地も凄かったが、TV等では京都でも地元の人々が通常使いのバスに乗れなくなっている事態が報じられているのを見掛けた。こうしたオーバーツーリズムの問題に絡んでは確か先月には政府が観光客の急増による過度な混雑で、地域住民の生活に影響が出るオーバーツーリズムの未然防止・抑制の為の緊急対策を取りまとめ持続可能な観光に向けた取り組みを図る旨も報じられている。

対策には混雑状況に応じた鉄道運賃の引き上げや、通勤や通学への影響を抑えるため観光地への急行バスを導入など盛り込まれた模様だが、他に箱根等では名所の渋滞予測や飲食店等の混雑状況を集計し混雑していない地域店のクーポンを提供し分散を図っているようだ。海外でもオーバーツーリズムは課題となっており、伊ベネチアやインドネシアのバリ島では来年より訪問税を導入予定としている。

こうした問題ではあらゆるシーンで分散化が言われて久しくクーポン発行にしろ財源の問題等もあり実情はなかなかうまくいっていないが、世界の潮流は一極集中しているところに観光税などチャージを課し分散を図るものがトレンドになっている。訪日客は今後も増加する見通しだが、持続可能な観光の為にはこの喫緊の課題に対する舵取りが問われる。


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