凍結解除の是非

先週に経済産業省が発表したガソリン全国小売平均価格だが、原油価格の下落に伴い政府の補助金の支給額も減っていることなどを背景に2週連続の値上がりとなっていた。ところでこの政府補助金といえば、ガソリン価格発表と日を同じく行われていた衆院予算員会で、国民民主党代表から補正予算案に賛成する条件としてトリガー条項の凍結解除を求められたのに対し総理は解除を検討すると表明している。

当欄ではガソリンが13週連続の値上がりを演じるなど高騰が止まぬ8月に「凍結されて久しい特例税率上乗せ免除なるトリガー条項が再度思い出されるが、そろそろ特例法改正の機運は出てこないのであろうか?~凍結解除に今はまさに好機だと思うが。」と書いていたが、政府側はこれまで解除には慎重な考えを一貫して示していた。

それでもなお財務大臣はトリガー条項を発動すれば1兆5千億円の巨額の財源が必要になると慎重な姿勢を崩さないが、ガソリン補助金の予算総額は既に6兆円超に膨らんでいる。先に発表された石油元売りの4-6月期決算は大手勢が軒並み前年同期比2倍以上の好決算に沸いていたが、GS価格への反映が見えにくいなかモヤモヤしている消費者も多いのではないか?

また直近の会計検査院検査報告では、このガソリン補助金の二重交付など過大交付が見つかり、基金の62億円を投じたGSの価格モニタリング調査も資源エネルギー庁調査と重複しているなど無駄遣いが指摘されている。そもそも論で政府の温暖化ガス排出量実質ゼロ目標に自ら逆行している政策との指摘がなされるなかはたして排除は叶うのかどうか、先ずは行方を見守りたい。


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