260ページ目   雑記

上場ゴール終焉?

さて、昨日の日経紙・風速計では金融機関が太陽光事業への融資に慎重になってきている旨が載っていた。この太陽光事業と言えば電力関連のベンチャーとして注目されてきたエナリスがあったが、ココは昨年発覚した不適切な会計処理の問題を巡って東証から1月末に特設注意市場銘柄に指定されている。

先の東証記者会見では最近のIPO銘柄の中には数か月で黒から赤に転落させてしまう例もあるという愚行に苦言を呈していたが、既に昨年発覚したこのエナリス問題のあたりから取引所側として何かしらの対策が必要との雰囲気が所内では出ていたようだ。

確かにやり玉に挙げられた企業の他にも数か月で業績を下方修正したり、不明朗な資金の流れが発覚したりした新興企業が多く最近では幹事にまで風当たりが日増しに強くなっていると報じるところもある。既に胴元はもとよりVC等関連機関も厳しい対応に変わってきているというが駆け込みで滑り込んだ向きがこうした部類にならないことを願うところ。


時を経て再び

さて、昨日は太平洋戦争末期にアメリカ軍の攻撃を受けて戦艦「大和」が鹿児島県沖で沈没してから70年の節目の日で、広島・呉市では追悼式が、また奈良・天理では慰霊祭が行われた。ところで戦艦と言えばこの「大和」の他に、同じくこの太平洋戦争で米軍に撃沈された戦艦「武蔵」も最近話題になった。

これは周知の通りで、先月マイクロソフトの共同創業者で、8年前から武蔵の船体探索を始めたという資産家のポール・アレン氏が、先月に武蔵の船体を比中部の水深1千メートル地点で発見し、船体の潜水調査の様子をインターネット上で生中継した件。映像を確認した日本の軍艦に詳しい専門家も間違いなく大和型の戦艦で武蔵であると指摘している。

これまで武蔵が撃沈された場所は戦闘記録から判明していたが実際に沈んでいる場所は確認されていなかっただけに奇跡の発見となったが、奇跡の発見といえば同じ3月には100年以上も行方が知れなかった江戸時代後期の浮世絵の巨匠、葛飾北斎の傑作「隅田川両岸景色図巻」も発見された件も報じられている。北斎壮年期の肉筆画の傑作ともいわれるだけにこちらも一般公開が待ち遠しいところである。


伝統的モデルからの移行

本日は日本取引所グループがCEOである斉藤氏が退任し、東京証券取引所の清田社長が次期CEOに昇格する人事を指名委員会で内定した旨を発表している。月末の取締役会で決定し6月の株主総会を経て就任というスケジュールだが同取引所の発足から2年余り、アジアの中核的市場構築を進める狙い。

アジア中核的市場構築という事だが現状で時価総額は昨年半ばで世界7位、同じアジアでは香港取引所が世界2位である。また昨年の現物株売買代金は世界6位で同じアジアの上海や深圳の中国主要取引所を下回っているのが現状。関係強化も視野に入れつつ海外マネー誘致もキーになってくるが、これに先駆け同氏は出遅れたデリバティブ分野の強化を急ぐのが課題という。

確かに欧州等を見ても上記時価総額で世界第4位だったドイツ取引所は、傘下に擁するデリバティブ部門の売上高全体に占める割合は4割に達し、現物株の売り上げは1割に満たないなどデリバティブで先行している。新CEOの経歴は大和で伝説の債券トレーダーだったという事だが、マーケットの精通者としてどうマネージメントしてゆくのかその手腕が注目される。


持ち合い解消促進

新年度入りとなった日経平均は日銀短観を受けて続落スタートとなったが、昨日末尾に書いたように2014年度の日経平均上昇率は約3割に上った。本日の日経紙にはこの間株価上昇を牽引した主企業が、値上げ力・訪日外国人増、高ROE・株主還元強化、米景気回復・大型投資の項に分かれて幾つか挙げられていた。

こうした事も寄与して大手銀行5グループと大手生命保険4社が持つ株式の含み益も2015年3月期末で、計18兆1000億円と前期末比で8兆円強増えその増加率は8割に達している。とはいえこうして含み益が膨らむ裏で、近年重視されるROE等の観点からは持ち合い株を保有する合理性が一段と問われるとも日経紙では指摘されている。

先に個別ではH2Oリテイリングが同業の高島屋株の売却を発表しているが、当欄でも先月に15年の変遷と題し「持ち合い合戦の呪縛から解放」と書いている。この辺に関しては再来月から導入されるコーポレートガバナンス・コードで持ち合いに関して中長期的な経済合理性を説明するよう求める件もあり、今後は持ち合い株の最後のあぶり出しが促進される可能性が高くなるか。


この一年

本日はとても暖かく何所も桜が満開となっているが早くも明日からは新年度、4月からはいろいろと変更点があり円安の影響もあって食品類の値上げも各種ある。ちょうど一年前は増税を目前にして彼方此方で駆け込み需要が見られたが、毛色の変わったところで金などもこの類で大手の田中貴金属は3月だけで販売量が前年同期比で5倍以上、石福金属工業も3月は前月比で6割も増えていた。

メタルと言えば本日の日経紙にはパラジウム相場が東京で約4ヶ月ぶりの安値水準になった旨が出ていたが、これも一年前にはウクライナ情勢絡めたロシアの生産への影響や南ア鉱山スト等の影響も重なりCBが発動されるほどの賑わいになっていたのを思い出す。

コモディティーはそれとしてストックの方も大証が大阪取引所として新スタート、またJPX400先物創設を表明したのもこの頃であった。個別ではロボットスーツを手掛けるサイバーダインが上場したのもちょうどこの頃、とこの一年でいろいろな姿を見せてきた株式市場だが2014年度の最終売買日は昨年比で4,379円高、その時価総額は129兆円の増加を見せた。来る新年度はどういった動きを見せるのか引き続き注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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