260ページ目   雑記

資源受難

さて、昨日に引き続き日経紙一面からだが本日の紙面を飾っていたのは「資源安 企業に打撃」のタイトル。中国の景気減速の悪影響が先進国に波及し、業績の悪化に見舞われる資源関連企業が日米欧で相次いでいる旨が書かれてあった。

昨日の日経平均など大幅続落し01月16日以来、約8か月半ぶりに節目の17,000円大台を割り込んだが、斯様にこれに関して市場を揺るがしたのは直近ではスイスの資源大手商社グレンコアであろうか。恒常的な資源安を背景に経営危機観測まで台頭し、同社のCDS(クレジットデフォルトスワップ)5年物保証料率は7%に跳ね上がっている。

スイス最大級の商社がこんな事態になれば当然ながら国内勢も冴えない展開を強いられるワケで、昨日は首位の三菱商事が年初来安値更新、これと並ぶ三井物産も揃って年初来安値を更新している。VWの次はグレンコアと一難去ってまた一難の展開が続くが、商品低迷の恒常化を予測する金融大手各社の見通しには常に注意しておきたい。


盛者必衰

さて、先日はランボルギーニの新型スポーツカーであるアヴェンタドールSV限定モデルの発表記念パーティーが都内で開かれていたが、今回もまたこのお披露目時点で既に完売状態であった模様。ところでこのランボルギーニを擁する独フォルクスワーゲンだが、周知の通りディーゼル車の排ガス試験を巡る不正の報で連日紙面を賑せている。

この報によって当のフォルクスワーゲンはもとより自動車関連株が一斉に売られたのが目立ったが、これとは対照的にガソリンシフトと触媒の連想で24日の東京商品取引所のパラジウムは期先で176円高と急伸、貴金属の中でもこれに矛先が向かい一際堅調であった。

欧州は、例えばスキポール空港前などにはベンツのタクシーがズラリと並んでいるがほとんどがディーゼル車である。今回の件で斯様な欧州のディーゼル車一辺倒に変化が起きるとすれば上記のパラジウムとは対照的にプラチナは更に低迷が恒常化する可能性もあるか。

しかし、8月末に関係悪化から資本提携を解消したスズキもとんだとばっちりだ。保有するVWの発行済み株式約1%はこの事件で期末比約700億円も目減りしたというが、それでも取得金額の倍で売れる見込みというからこれはこれで不幸中の幸いか。ともあれ自動車界のLVMHともいわれるVWの余震が何所まで株式や商品に影響を及ぼすのかしばらく注目である。


秋の味覚

今の時期は秋の味覚サンマがほとんど毎日チラシで登場するが、先の日曜日付け日経紙・春秋にはこのサンマが近年のアジア周辺諸国の漁獲量急増で末端価格もその辺のシワ寄せが来ている旨が書いてあった。この辺はTV放映でもたまたま見かけた事があったが、卸値も5年で3割上昇となり今後も上昇見通しが強まる傾向という。

そんな背景もあって漁業管理を議論する国際機関「北太平洋漁業委員会」の初会合が今月はじめに開かれサンマに関しては同海域の公海で操業するサンマ漁船数を急増させないという日本案が採択されている。また水産物の規制強化といえばクロマグロも資源量が減少し漁獲規制導入で先高観が台頭している。

ここ近年は鰻の高騰が言われて久しかったが、上記の通り高級路線のクロマグロから庶民派のサンマまで何やら厳しくなってくる気配。高級路線といえばもう一つサンマと並ぶ秋の味覚の松茸も店頭で品揃えが豊富になってきたが、これまた地球温暖化の影響や林業衰退から里山の崩壊が影響して収穫高が急減してきている模様。一つ一つ特に日本人の味覚ばかりが枯渇に向かっているようでなにやら気味が悪い。


かんぽが刺激か

本日の日経紙社説には「契約者の利益を重視した生保再編に」と題して、大手生保による国内外での買収が活発になってきた旨が出ていた。国内では先月に日本生命が三井生命保険を買収した件が話題になっていたが、国内生保も時を経て再編機運が再燃してきた感がある。

現在生保の上場組といえば大手では第一生命保険だが、上記の買収では保険料収入や資産規模も同社を抜くことになる。とはいえこれがほんの再編スタートとの見方が多いのはやはり先に上場承認となった「かんぽ生命保険」の存在がやはり大きいか。16年3月期の経常利益は3割減予想とはいうものの、その規模は日生を凌ぎ全国の郵便局網を駆使出来る販売力は脅威だろう。

以前にも書いた事があるが、地銀業界よろしく人口減少等で環境変化も激しくなる中で中堅や外資系への動向も注目されはじめている。上記の第一生命以外でも株式を上場している中堅もあり、各社それぞれの思惑が一致すれば再編の枝葉はどんどん広がる。またM&Aも活発化してきており、かんぽ生命上場と絡めどういった構図に塗り替わるのかまだまだ注目である。


取引多様化

先週末の日経紙一面には「日本株売買シェア外国人7割超」と題して、乱高下が続いたここ最近の乱高下相場で概ね60%台だった外国人投資家の売買シェアが9月第一週には72.5%に跳ね上がり、実質最高を記録した旨が載っていた。

その背景にはここ最近の値動きの荒さを好機と見たヘッジファンドの活発な動きがあるが、斯様に乱高下が投機勢を増殖させるのかはたまた投機勢が乱高下を誘発するのか何れにせよ鶏と卵ではないがこれらは相互に関係。東証が新システムを導入した2010年以降は相次いでこの手のコンピューターで高速、高頻度に取引する海外勢が日本市場に参入し増加している事が伝えられているが、日本取引所の自主規制法人は今月に海外投資家の株式売買を専門に監督・審査する「国際審査室」を新設。

この手の取引が普及するに伴い分散注文から果ては国境を越えた取引まで取引実態の見えにくさが際立ってきたが、これまで売買審査部のスタッフが全て審査していたものを細分化する試み。これまで証券取引等監視委員会等の機能にしても日本は長年その手薄さがいわれてきたが、この辺のマンパワー拡充も市場成熟と共に課題になってくるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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