291ページ目   雑記

特化REIT

ウクライナ情勢をめぐっての不透明感から株式市場も不安定な動きとなっているが、そんなマーケットでもREITはその性質上比較的安定している。このREITに関連しては先週末の日経紙に介護施設や病院に投資するREIT普及のため運用会社向けの指針案をまとめた旨が出ていた。

こうした介護施設や医療施設専門のREIT創設解禁の動きが出てきたのは昨年秋頃だが、これまでは施設運営側の財務状況が把握しにくく投資リスクの高さから上場は叶わなかった経緯がある。最近はこの辺が現況三井系等大手中心にして続々創設の動きが出てきている。

同紙によれば海外ではヘルスケア関連のRIETが普及しており昨年末時点の時価総額はREIT全体の11%を占めるが、それに対して日本は1%未満と心もとない。上記のような土壌も整備されれば上場促進で機関投資家から個人まで運用の選択肢がまた一段と広がることになってこようか。


希薄化は買い?

週明けの日経平均は4日続落、ウクライナ情勢の緊迫化に加えて北のミサイル発射の報もあり個別では防衛関連がにわかに活況となった反面、活況だった新興系が軒並み安となっており、週末にストップ高で張り付いていたミクシィなんぞは本日も余勢を駆って序盤大幅続伸となるもあと急転直下で往って来いの急反落となっていた。

ところでこの株、週末には公募増資の発表をしたものの、上記の通りストップ高まで買い上げられたのがとりわけ話題になっていた。こんな増資報道でもストップ高まで買い上げた例として記憶に新しいのは2011年の年明け早々のJVC・ケンウッド・ホールディングスが思い浮かぶが、この時も約27.5%の希薄化見込みの弱材料を跳ね返してのストップ高が話題になった。

当時はこれに連れて増資懸念のあったりそなHDも先取りするような恰好で連れ高したが、希薄化懸念よりも資金調達による積極戦略に期待大との後講釈もどうもしっくりこない。こんな数年前でなくとも新興のファイナンスものといえばクルーズも第三者割当で新株予約権を発行すると発表しストップ高まで駆け上がったが、この辺は現況から乖離するなんとも強気な行使価格がポイントになっている。

結局のところ売買の主導権を握っている向きしか値動きの予測はつかないがファイナンス絡みは一般にはまさに鉄火場、話題の新興株は今や東証一部の主力と互角の商いを集めるだけに呑まれない管理が必要になってくる。


隙間に咲いた徒花

さて、今週はインターネット上で流通する仮想通貨「ビットコイン」の取引所大手であるマウントゴックスが「顧客保護のため全ての取引を当面停止する」と謳い取引を停止するとの報が話題であった。

これによって主要取引所で流通している同価格は前日比20%越もの急落を演じたが、肝心な模の詳細も不明瞭だけに暗雲漂う。預託者の中には「お金を預かる会社なのに非常識」等という意見が相次いだが、私から見れば所管する官庁も法制度もない誰でも開設できる取引所に大切な資金を預ける方こそ非常識というしかない。

そんなワケでここまで騒ぎが大きくなるに官房長官も記者会見で「実態は金融庁、警察庁、財務省など関係省庁で情報収集している〜」等と述べていたが、上記の通りでこれらが監督しているワケでもなくそもそも監督機関自体が存在しないので、現状として今回はどうしようもないだろう。

この一件で同通貨に基づくデリバティブも影響を受けることになったが、短い歴史のまま幕を閉じてしまうのかどうか引き続き今後の成り行きが注目されるか。


さっそくLINE

本日の日経平均は急反発し1/30以来の15,000円大台回復となったが、高寄与度銘柄のソフトバンクが急騰した影響も大きい。このソフトバンク、朝方からにわかに確信犯的な買いが舞い込んで動意付いていたが、同社株急騰の背景は同社がLINE株式取得を目指しているというブルームバーグの報道に刺激されてのもの。

ちょうど昨日は対話アプリ系の買収話について触れ、このLINEについても「〜相次ぐ買収熱で今年上場見込みのLINE株式を擁するネイバーは株式交換案等と早くも株価武器の選択肢も囁かれている」ともコメントしていたが、それも束の間さっそくブリームバーグがリークした恰好である。

企業買収はデリケートな作業だけに当の関係企業側は一連の報道には憶測についてはコメントしない等と当然の対応をみせているが、なるほどこの辺が出し惜しみ的なIPO日程の背景にあったとなれば説得力がある。今年最も熱いIPOの前評判があっただけに対話アプリなんぞに興味を惹かれない向きでも、株式ではネタがゴロゴロ転がっており今後も面白いマーケットになりそうだ。


対話アプリバブル?

先週話題になった報にはあの米フェイスブックが190億ドルを投じたスマホ向けの無人対話アプリ最大手ワッツアップ買収の一件があった。この対話アプリ系では同じく今月に楽天が無料対話アプリのバイバーを9億ドルで買収との報があったばかりだが、こんな大型買収の後では9億ドルで買えたかどうかの声も聞こえ、楽天社長の「このタイミングで買収しないと無理だった」とのコメントも妙に現実味を帯びてくる。

さてこの2兆円近くの買収もコンタクトしてからわずかに10日前後、かつて日本でも未公開企業への投資が一部新興勢中心に過熱したことがあったが、イグジットの青写真は全く違うとはいえあの当時もロクなディーデリもせず中には数日で相次ぐ買収をこなしていた光景と一寸だぶって見えてしまう。

それにしても米マイクロソフトがスカイプを買った時でさえ85億ドル、今回は従業員50人そこそこの会社に2兆円近くの値札というからやはり桁違いで凄い。こんな相次ぐ買収熱で今年上場見込みのLINE株式を擁するネイバーは株式交換案等と早くも株価武器の選択肢も囁かれているが、一方でこの発表後の同社株は競争激化懸念から8%安、上記の楽天株も5%安に沈んだ。

そんなワケで昨今のこんな対話アプリを巡る光景をバブルそのものと指摘する向きもあるが、結局のところバブルか否かは未だ顕在化していない有料顧客を囲い込むという基盤の収益化の是非如何に懸かっているといえようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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