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HFTの功罪

昨日の日経紙国際面には「米、超高速取引を規制」として、所謂HFTを活用する投資家の勝ちすぎに対してあまりにも不公平との批判が浮上し米国で各当局が調査に乗り出している旨が載っていた。

この米国ではHFTの売買が全体の5割程度にのぼっているというが、東証でもコロケーションの提供によってHFTの割合は一日平均で売買高の4割超にまで膨らんでいるが現状。確かに個人に無縁とされたこの手の取引も最近は中小型モノなどで明らかに個人の板を読んで刈り取る動きに出ているモノも見受けられるが、年明けから段階的に実施している呼び値変更もまさにこうしたHFTに対するお膳立てとも取れなくもない。

あまりに露骨な板の出し入れを見るに、市場はこれらに包囲され操作されているという一部の意見も信憑性を帯びてくるものだが、最近ではこれに加えて最近はSNS解析も絡めて動作させる向きも増えつつある。従前では想像もしなかったようなアルゴが走り何れもブラックボックスなだけにこの辺が何所まで進化するのか一寸不気味でもある。

フロントランニングめいた?ものも今や合法の範疇な時代になり大義名分的にリクイディティーに厚みをもたらすという点で社会的意義はあるものの、一方では冒頭の通り投資家間の平等性という点で均衡を探る課題が残るか。


復活の芽

先月は再開発の進む日本橋地区でコレド室町の2号館、3号館が新しく開業し、ココに入るお店の案内などが最近多く来るようになった。これまで新しいビルが出来るとその前に何があったかなかなか思い出せなかったものだが、此処は刃物の木屋や書店など一寸前の光景が鮮明に思い出せる。

それはともかく、この度の新館は今人気の処やら有名どころの老舗なども誘致し深夜まで営業する飲食店やオールナイトのシネコンなどなかなかこの地区には今まで無かった面白い構成になっている。余談だがこの開業に合せたのかどうか近隣の店も川床増設など俄かに活性化の試みがみられる。

テナント誘致といえばこんなお店以外でも目に留まったのはオフィス。うち一棟はアステラス製薬が丸ごと借りたというが、バイオの話題があれこれ絶えない昨今大家?の三井不動産は創薬関係ベンチャー誘致を進め薬事審査の迅速化など規制緩和をテコに事業化の後押しを狙っているという。

立地といい施設も最先端でお隣丸の内にも引けを取らないレベルなのは見るまでもないが、オフィス街の競争が激化しているのは周知の事実。直近で国土交通省から発表された公示地価はアベノミクスの影響で東京圏は6年ぶりに上昇に転じることとなったが、これまで地盤沈下がいわれてきたこの界隈も往年の輝きを取り戻す事が出来るのかどうか今後が楽しみである。


今年はギリギリ

本日は関東地方で春一番が吹いた。ご存じ立春から春分までの間に吹く強い南風を所謂春一番としているが、昨年は1日に観測されていただけに今年は一昨年のように観測されないのかとの予測も一部にあったが、あと数日を残すところでギリギリの春一番であった。

この春一番、感覚的にはだいたいバレンタインデー前後に吹くことが多いという憶えで、ここ最近同じような強風の日が多く何度かこれかなと思ったことが度々あったが、バレンンタインどころか今年は更にホワイトデーをも過ぎて昨年より17日も遅い登場となった。

こんな発表で四季の節目を感じるところだが、近年は異常気象が各所で見られその影響からか彼方此方で季節感のない光景を目にする機会がぐんと増えてきた。これにより毎年各種仕入れの目論みが大きく狂う場面も併せて増えているが、天候デリバティブなどその重要性が高まると同時にまた商機でもあるだろう。


時価総額と誘致力

週明けの本日も4日続落と引き続き軟調ムードの株式市場であったが、そんな中でも朝方から一際気を吐いていたのはソフトバンクだった。既に報じられている通り、出資している中国のネット通販最大手アリババが米国でのIPO手続きを開始したとの報が3兆円超ともいわれる含み益の思惑を誘った格好である。

このアリババ、当初香港での上場を準備していたが所謂パートナー制に取引所側のケチがつき矛先を今回米国に変えた経緯がある。この辺は香港と違って米市場ではこんな議決権に差のある種類株を持つ企業が幾つも上場しており、同社を巡る争奪戦が激しくなっていた旨が日経紙にも載っていた。

取引所の争奪戦といえばちょうど本日の日経紙特集では「マネー争奪 NY証取が独走」として、時価総額が東京証券取引所の4倍もある最も大きなニューヨーク証取が一際目立つ図も出ていた。しかしこうして並べて見てみると、それぞれこの数年の間に統合・身売り・買収が進みまた合併や敵対的買収を試みるも司法やら国の壁から断念したパターンがそれぞれ記憶に新しい。水面下の動きと併せ今後も折に触れ再編劇は表面化するだろが、さて次は何処の名が挙がるだろうか。


いろいろ見つかる

さて、ちょうど一週間前の日経紙春秋の文中には66年前から行方不明であった喜多川歌麿の肉筆画「深川の雪」が国内で見つかった旨が出ていたが、同作といえば「吉原の花」、「品川の月」等と共に「雪月花」三部作の一つとして知られる大作であるからこれは朗報である。

しかし今年に入ってから行方知らずであった貴重な品の発見の報が多い。これ以外にも昨年末には明治時代に極東一の豪華ホテルとうたわれた「長崎ホテル」の1,600点もの金銀食器が奈良ホテルで見つかったほか、滋賀県では旧豪商四居家の土蔵から85点もの慶長小判や正徳小判等が纏まって発見された報があった。

「深川の雪」は古美術商も営む美術館の副館長が2年ほど前に発見したというが、金銀食器は倉庫から、そして江戸時代の小判は土蔵の桐箪笥などひょんなところから見つかっておりまだまだ眠っているお宝はありそうな気配だ。

そういえば日本ではないが、先月には米カリフォルニア州ゴールドカントリーに住む夫婦が私有地で犬の散歩中に約1,000万ドル以上相当の1800年代半ばから後半に鋳造された約1,400枚の金貨を発見している。なんともゴールドカントリーの名にちなんだ話であるが、現代に解放された品々の背景を探るにそれぞれの秘話も興味深いものがある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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