316ページ目   雑記

取得目的

週末に入ってきたニュースに飲食店チェーンの東証一部「コロワイド」が、来月にも焼肉チェーン牛角などを展開する「レックスホールディングス」の株式66%をデット・エクイティ・スワップなどによって取得し、完全子会社化で傘下におさめると発表していた件があった。

このレックスHDといえばMBOによって2007年にジャスダック市場から姿を消して久しいが、先の11年12月期でも債務超過に陥っておりなかなか厳しい情勢が続いていた模様。日経紙では「居酒屋以外を強化」とのタイトルで居酒屋の不振店を焼肉店等に転換することも検討とも出ていたが、一部では逆境下の焼肉系に収益期待との見方に疑問を呈する向きも多い。

この辺に関しては傘下に抱える1,000店以上もの外食店のなかでも近年成長著しいブランドも抱えており実際のところこれらが狙いとの噂も出ている。余談だがこんな構図でふと思い浮かんだのが、ジャスダック「澤田ホールディングス」によるかつてのオリエント貿易の買収か。当時も体力が弱り始めていた業界の取引員買収を訝しがる向きも居たが、その裏では傘下の外為ドットコム狙いとの声も一部にあったものだった。

あれから数年、エイチ・エス・フューチャーズに社名変更した同社だったが明日を以って主たる業務である商品先物取引業を廃止する運びとなっている。


専業の厳しさ

本日も日経平均は先物主導で売られ5日続落、こんな地合い下では派手に乱高下する仕手系も幾つか出てくるがさしずめ直近ではジーンズ中心のカジュアルチェーン、ジーンズメイト株か。1ヵ月の間に100円そこそこから600円超まで急騰を演じたものの、先週末から一転して連日のストップ安の後もここ数日未だ終戦処理が続いているといった感じである。

ところでジーンズといえば、先月末にはあの「エドウィン」グループが投資の失敗を隠すために不正経理を繰り返していた疑いがあることが発覚したとの報道があった。証券やら為替デリバティブやらと詳細は諸説あるが、近年の業界の厳しさを反映してこのエドウィンと共に和製の双璧であった「ボブソン」に至っては民事再生申請するも再建のメドが立たずにとうとう破綻している。

安値合戦の標的にされた余波でジワジワ浸食が進行してきた格好だが、思えばちょうど3年前にユニクロが1,000円を切る価格帯のジーンズを打ち出し、その後にイオン、ダイエー、西友が800円台を、更にはドンキが600円台を出すなど証券会社の手数料並みに安価の売出し合戦を繰り広げていたものだ。

大手がやはり本腰を入れてくると専業はコスト面で対抗出来得る筈もなくやはりきついワケで、そんな逆境の中でこんな事件発覚を見るとまさに弱り目に祟り目といった感だが、他の業界でもこれと同様の環境のものは多業種に亘っておりまだまだ予断を許さない状況である。


匠の技と昇華

さて、大手百貨店ではセールも終りこの時期になると開催されるのがワールドウォッチフェア、ちょうど1週間前に終ったが今年も案内を頂いたので三越ワールドウォッチフェアに過日行って来た。

だいたい毎回見たい物は決まっており、昨年であれば時計ではなかったのだが「カランダッシュ・1010Diamonds」の特別製作モデル、更にその前であれば「ショパール&山田平安堂の漆と蒔絵シリーズ」の作品等であったが、今年は「ハリー・ウィンストン・プルミエールフェザー」である。以前よりこのダイアルを担当したフェザーアーティストのネリー・ソーニエ氏には興味があったのだがはたして実物は圧巻、フェザーもここまで昇華出来るものかと改めて感動であった。

ところで一昨年のこの会場では中国人客もメイン層と捉えそれこそ通訳スタッフが会場の彼方此方で見受けられ、実際其れなりの顧客が思い思いの品を手にとっていたのが思い出されるが、少なくとも私が訪れた日にはこの手の顧客は全く見当たらず心なしか例年より閑散とした雰囲気も感じられた。中国景気も失速感がいわれる昨今、あの「ヴァーチュ」のブースも消えこんな一角からもその片鱗が読み取れる感もあるか。


Red Devils

昨日の日経紙には、香川選手と日本の人材赤字なるタイトルが「経営の視点」に出ていたが、彼の所属する英の名門マンチェスター・ユナイテッドといえば周知の通り直近でニューヨーク証券取引所に上場を果たしている。注目の初値は14.05ドルとほぼ公開価格と同値となったがそれでも調達額は190億円近くになった計算だからやはり名門の貫禄である。

欧州各国リーグはファンを熱狂させるが、その裏ではイタリアやドイツ勢などの上場組は過去上場以降の采配を誤り何れも財務状況の悪化を引き起こしているというジンクス?のようなものがある。今回の静かな上場シーンもその辺が市場関係者の脳裏を過ぎったのかもしれないが、細かいところではオーナーのLBOやら種類株等の問題もよく聞くところ。

そんなマンUであるが、先週はあのジョージ・ソロス氏率いるヘッジファンドがクラブの全発行株式の1.9%を保有していることが分かったとロイターで報じられている。プライベートでは最近42歳年下の女性と3度目の結婚波話が報じられているソロス氏だが、クラブへ食指を動かしたのは今回が初めてではない。放映権が狙いとの噂もあるようだが、何れにしても上記の通り過去上場後に低迷したというジンクスを破れるかどうかファンならずともこの辺は気になるところ。


一先ず一歩

周知の通り先週は東京証券取引所グループが大証に対して実施したTOBが成立している。果たして買い付け上限を上回る応募があったことで撥ねられた株の還流懸念から先週のストップ安に続いて大証は本日も続落で年初来安値を更新となっていたが、何れにせよこれでまたひとつ「日本取引所グループ」への作業が進展することになった。

東証といえば先に挙げたシステムトラブルなど近年不祥事が相次いでいるが、これに限らず高速化の流れの裏では世界中でこれらに絡んだ事故も最近は多い。統合ではシステムや市場の一本化となった後に再度この手のトラブルが発生したら代替取引が利かなくなる脆さも持ち合わせることになるわけで、今後投資家を如何ほど誘致出来るかは統合メリットを生かしその技術を以ってこの辺に対する信頼をどれだけ築けるのかにかかってこよう。

またもうひとつ統合によって銀行よろしくメガ的な規模になるとはいえ、上場ベースでいえばかつての大証のウリであるデリバティブというステージで見れば、先週水曜日に触れたCMEなどからするにその時価総額は1割そこそこというところ。世界規模での再編劇では未だ未だ予測出来ない動きも水面下で進行していると思われるが、これに絡んだサプライズもまたあるや否やこの辺も併せて注目されようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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