341ページ目   雑記

今年のせともの市

さて、本日で終了となるが今週は週明けから近所の人形町では恒例の「せともの市」が開催されていた。最終日とあって通りの途中に設けられた陶栄神社では店主が厳かに集まっている光景も目にしたが、値札も最終日で更に下がり品定めの人出もソコソコの賑わいであった。

この「せともの市」、個人的には灯台下暗しでなかなかマトモに覘いたことはないが、蚊取り線香の懐かしい香りが漂う中を少し観てみると、中にはマンツーマンで指導してくれる「ロクロ教室」なる物もあり焼き上げた作品は後日宅配してくれるという体験型などなかなか面白いものもある。

他、定番モノはともかくもサンドブラスト系の小奇麗なガラスコレクションがあったり、明治から昭和初期のアンティークな薬小瓶なども無造作に置いてあったりで、この辺に関してはさながら欧州のこの手の市を彷彿させつい食指も動きそうになるものである。

そういえば余談だがちょうどこの「せともの市」が開催される時期には、近所の東穀取も「日本橋ミツバチ・サロン見学会」など開催していたものだが、今やミツバチは近所のアネックス棟へヒッソリと引っ越し、東穀取の屋上は連日建機が瓦礫の中を慌しく動き回っている。


本人のみ知る真意

さて、昨日はFX(外国為替証拠金取引)の規制強化について触れたが、規制強化といえばヘッジファンド界もまた然りで、先週には複数のメディアが米著名投資家のジョージ・ソロス氏が同氏率いるソロス・ファンド・マネジメントの顧客の預かり資産を今年末までに全て返還することを決めたと報道している。

最近のジョージ・ソロス氏関係の報道では5月だったか金関係のコモディティ物を相当数処分したとの報道が記憶にあるが思えば整理過程の一環だったのもかもしれない。ただ、キャッシュ比率75%、そのディスクロされてきた運用規模からいって今回の返還総額は10億ドルというから外部資金など既にけっこう整理が進んでいたとも考えられるか。

同氏が閉める背景にはSECへのルール変更で顧客登録や取引実態報告等などの規制強化に伴う当局への詳細な情報開示などを回避するのが狙いとされているが、同氏ほど話題にされていなかったものの今年3月にはRJRナビスコに敵対的買収を仕掛けた米著名投資家カール・アイカーン氏も顧客資産を返還すると公表している。まあある意味ニュアンス的には自由にやりたい上場企業のMBOと似ているだろうか。

斯様に現況世界の金融当局は規制強化の動きに入っており、米国などリーマンショックの反省やらトラウマやらでその最たるものだろうか。ただ実体経済始めとしてリクイディティーが其れなりに確保されなければ縮小の弊害も出て来る懸念が燻ぶり、この辺が規制リスクなるものになって来るだろうか?


現実味を帯びる日本脱出

昨日の日経紙経済面には「エネルギーを問う」として、IEA(国際エネルギー機関)によると、産業用電気料金の日米の差は2.3倍、日韓では更に2.7倍に広がっているなど国際的に見て日本の電気料金は高い旨が載っていた。

目下のところ電力不足がいわれる今夏、この電気料金に関しては値上げやらペナルティー論も出ているが冷静に外から見てみればこれも酷い話で、先ずはまだまだ関係者の私腹が肥えるシステム中心に無駄の削減ありきが筋だろう。しかし今年は直近の円高も相俟って、数年前にもいわれた日本の企業群の脱出論がいよいよ現実のものとなるとも喧伝されている。

こうも試練が重なると今迄何とか目を瞑っていた物まで耐え難くなってくるものだが税金もその一つ。当欄でも何度か触れたが法人税は先進国中で最高、これだけの足枷がありながら逆にいえば今迄海外勢と競争してこれたものだと感心するもの。

斯様に電気料金、為替、法人税と企業を取り巻く環境は非常に厳しい。既に諸外国では人材含め企業誘致等に躍起になっており、こんな素地が用意されている中で政府の場当たり的な対応如何では更なる環境悪化も考えられる。そうなれば恰好の口実を得た企業群の海外移転が思った以上に加速する可能性は現実問題として有り得るケースであるのも認識しておかねばならないか。


Hommage 

さて、ちょうど一週間前までフランスでは2011年秋冬パリ・オートクチュールコレクションが開催されていた。ラガーフェルド氏手掛けるシャネルの新作始め、ジャンポール・ゴルチエの今シーズンはあの「Black Swan」の世界からインスピレーションを得たというチュチュや羽飾りなどバレエ色の強い作品を発表。余談だがモデルのイヴ・サルヴァイル、やはりカッコ良すぎである。

一方で伊の大御所ジョルジオ・アルマーニは大震災に見舞われた日本へのオマージュとして、大輪の花をプリントした着物風コートや帯のベルト、梅花の刺繍を鏤めたジャケットなど和風の美を取り込んだ華麗な作品を発表していた。

ジョルジオ・アルマーニといえば、高島屋のアニバーサリー絡みの「ヘリテージ・コレクション」で、東証上場の川島織物の生地を使い日本の帯を思わせる柄をあしらったバッグも発表しているが、この手のコラボモノでは昨日まで京都の金閣寺方丈にてグッチが設立90周年記念の催しで、「時の贈り物」としてバッグを展示する催しも行っていた。

そういえばドルチェ&ガッパーナも先のインタビューでは日本の震災に絡めてファションを語っていたが、斯様にイタリア勢の日本傾斜が目立つ。勿論重要な戦略拠点というのもあるが、上記のアルマーニ氏は東北の被災地で就学が困難になった小中学生を支援する奨学金制度も設立する予定で、文化や技と共にこうした部分も共鳴出来るのは素晴らしいことである。


それぞれの御家芸

さて、先週末のNIKKEIプラス1では「中国の新幹線、海外で特許取れるの?」として、最近話題になっている例の中国鉄道省による高速鉄道車両の特許出願の件が取り上げられていた。

しかし「(パクリ)モーターショー」や、ちょっと前の「上海(パクリ)万博」に続き今回はコレを持ち出したかという感じだが、もう一つ一つ挙げるとキリが無いくらいのパクリ疑惑技もその毎回同じテーマから一つの御家芸というかブランドとしてこれはもう独立しているだろうか?

しかし、どの問題を取ってみても大真面目に開き直って?其れなりの理由もこじ付けているという事で、ここは立場を変えて別の視点で眺めてみると産業の空洞化が問題になったようにローコストな人件費に惹かれこうした国へせっせと技術を流していた方もワキが甘かったのかも知れない。

近年では老舗の商標を続々押える暴挙も目立つが、そのくらいのテクもある意味見習うべきであっただろう。まあ、国際社会でこんな姿勢が何処まで通用するのか見物なものの、ある意味賛否両論。そういえば本日の日経紙では、海外市場で上場する中国企業の会計不信が拡大している旨出ていたがこの辺はまた後述したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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