344ページ目   雑記

各所の空洞化

さて、今週は大阪本拠のりそなホールディングスが東京都に本店を移転する方針が明らかにされている。同行は大阪府や大阪市の指定金融機関で、各種残高においても近畿圏が約4割を占めるなど関西が本拠だが、他の関西系金融も一部追随の動きがある。

例えば住友信託銀行なども中央三井トラスト・ホールディングスとの経営統合を機に本店を大阪市から東京に移す予定がある。ところでこのりそなホールディングスや住友信託銀行に限らず有名な関西企業もまた然り。流通や食品からはダイエーや日清食品ホールディングスが、ゼネコンからは先月に大林組がそれぞれ大阪市から東京に移転している。

斯様な動きの背景の一つには各々企業の維持コストの問題に因るところが大きいと言われているが、こうしたコスト関連としては証券取引所にも同様の問題が出てきた。重複上場をやめる動きがそれで、昨年ではニコンが大阪含めた三取引所へ、富士通ゼネラルもニ取引所への上場廃止を申請、他にも三菱自動車、山陽特殊鋼、東京ドーム等々、今年に入ってからは経営再建中のアイフルも大証へ上場廃止を申請している。

一寸昔には重複上場など知名度が上がり地方投資家の資金誘致にもいいといわれていた時代があったものだが、1999年には1,042社あった重複上場も昨年には773社に減少したという。上記と含めまさに大阪空洞化現象ともいえるが、もっと広くでも国内空洞化が火曜日に書いたようにまた別な部分で進行中であり時代を如実に物語っているか。


食文化の啓蒙

本日は移動の途中で築地を通ったのだが、休場にもかかわらず外国人観光客らしき人々が辺りを歩く姿を見てフト思い出したのが、先週に都が発表した築地市場の冷凍マグロの競り見学が8日から一ヶ月ほど中止になった件か。

このマグロ競り見学といえばここ数年は見学者が急激に増えたとかマナーが悪いとかで見学エリアを年末年始に一時閉鎖した経緯があったが、一寸調べてみたら今回の場合は3月頃から同様に見学者が急増しキャパを超えたとかで9割が欧米からなどの外国人という。

この見学者が急増した時期から察するに今年の場合、当欄でも先月「世論と文化」として触れたように中東のカタールで行われていたワシントン条約締結国会議において例のマグロ問題が否決された影響も多分にあったのではないか?

こんな結果も鑑みて文化を持ち出すのであれば、本来こうしたマグロ見学などはそれこそ外国人に対して日本の食文化等の啓蒙には打ってつけだと思うのだが、何処で要人が混じっているかも知れぬ外国人観光客を業務支障の下にシャットアウトしてしまうのは勿体無い思いがある。許容人数分だけ見学継続させ、溢れた向きには株主総会のようにモニター見学等で我慢してもらう代わりに、美味しいマグロ料理でも試食して貰うなど工夫すればそれなりに満足且つ文化への理解も深まると思うのだが。


春の消耗戦

本日は吉野家の前を通った際に、朝から何気にいつもより店が活況を呈していたようにも見えたが、なるほど本日から13日まで通常価格から業界最安値という旨が店頭のポスターに告知されていた。

この牛丼というか吉野家については当欄ではちょうど一年前の4月にも触れた事があったが、牛丼業界では昨年にすき家が初めて業界最安値を実現、その後に松屋も値下げに踏み切ったものの、肉の違いか吉野家は値下げに踏み切れず苦戦した経緯がある。

さてそんなわけで今回の起死回生を狙った値下げ作戦なのだろうが、その直後にスタンバイしていたかのようにすき家と松屋も更に安い価格帯のキャンペーンを打ち出してきた。これで業界最安値を謳えるのはわずかに数日となってしまうが、なにやら昨年のSBI証券と楽天証券の手数料引き下げ競争を髣髴させる出来事だ。

折しも昨日は同社の2010年2月期の連結最終赤字があのBSE問題当時を上回り過去最悪との見通しも出ているが、なんとも痛々しい消耗戦である。素人考えだが肉が違うなら価格ではなくもう少し素材の優位性というか品質を謳う戦略もオプションとしてはあったのではとも思う。

この辺はファストフード界では例えばマクドナルドも低価格で右往左往した時期があったが、ここ直近は一部高級?化が奏功している。ちょっと昔の話になるが、かつては吉野家も赤坂に高級路線店を出した事があったが逆にこんな時代、ファンにはウケると思うのだが。


4月の催し色々

さて、エイプリールフールが終るとここ近年は直ぐにイースターとなるが、イースターというとどうも日本ではクリスマスに比べれば静かなものだ。投資家でも先週末の海外市場休場が「Good Friday」というのは知っていても、「Easter」は知らないなどという例もあるくらいでなんとも理解に苦しむものである。

それでも一部インターナショナルマーケットでは子供向けの「Kinder」がレジ近辺にディスプレイされたり、欧州系のパティスリーショップにはイースターエッグが早くから並び、先週末は例年の如く『ニコライ堂』や紅梅坂の近辺は多くの外国人で賑わいを見せこの季節を物語っている。

例年このイースターには大使館関係者などの都合もあり知人宅でパーティーが催されるのだが、そこで振舞われるラム料理もこれまたこの時期独特のものである。料理といえば欧州ではこの時期食料品を扱う店までもが閉まる場所も多い事もあって、そういった点で逆にこの時期イースター関係の食材が豊富に手に入る日本は便利という外国人の意見もよく聞く。

新年度に入っているが、外国勢と共に厳かな鐘の音色とこうした催し物で漸くリセットされる気分になってくるものだ。


花冷え下の華

さて、昨年は期末と新年度の合間をぬって『池坊展』へ出掛けたが、今年もまたお誘い頂いたという都合もあって今週は同展を観てきた。今年の桜開花は平年より7日ほど早かったらしいが、花冷えも影響してか会場付近の上野公園は昨年ほどの混雑をみせていなかった感も。

ちょうどボルゲーゼ美術館展が開催されていた事もあって平日でもそこそこ人が多かったが、池坊展の方は余計な人の流れもなく丁度いい感じであった。さて、昨年はトロピックな素材の多用を新鮮に感じたが、今年も昨年見たアンスリウムやストレリチアに加えモンステラなど大振りの葉や珍しいオーキッド類も目立ち、その組み合わせの完成度はさすがに見事であった。

この組み合わせといえば、竹などが意外にトロピカル素材に合うのが解ってきたが、アンスリウムに桜や紫陽花とか、百合に松とか胡蝶蘭に桜等々素人目には通常合わせに考え辛い物を縦横無尽に合せしっくり全体を纏めてしまう技にはやはり感服。それにしてもどれも素材が素晴らしい。

ところで昨年の秋には当欄でフラワーデザインコンテストのクイーンズカップに触れ、花と組み合わせた物に毛糸球や羽毛など面白い素材を指摘した事があったが、今回の池坊の中にも芥子に色とりどりの風船をあしらった作品や人形を添えた作品もあり、思わずそれらを彷彿させる一面ありでまた新しい感性を感じた。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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