351ページ目   雑記

新生マリオンの顔

本日の日経紙には三越伊勢丹HDが来春、羽田空港に「メンズ館」を出店する旨が載っていたが、このメンズ物で最近気になるといえば先月には有楽町に「阪急メンズ・トウキョー」がオープンしている。このマリオンには同店と共にその後西武の閉店セールがまだ記憶に新しい中を「ルミネ有楽町店」もオープンしているが、過日近所に所用があった序にどんなものか一寸覘いて来た。

オープン直後だけにそこそこの人手であったが、エントランスには先に世間を騒がせたあの海老蔵の写真が掲げられ銀座地区へ対しなんとも挑戦的な感、それは兎も角ザッと見た感じではなかなか小奇麗にハイブランドも纏まっており、「セルジオロッシ」や「ナラカミーチェ」などレディースに傾斜しているブランドなどなかなか国内では品数が乏しいメンズ物がそれなりに揃っていたのには一寸感動。感動ついでに、衝撃の日本撤退をしたあの「ベルサーチ」も再度復活していたのがまた印象的で、ホンノリとバブル再来の香りさえ感じた。

メンズ特化ということで上記新宿伊勢丹のコピーも連想したりしたものだが、失礼ながら風俗マネーがコアの消費層とされる伊勢丹メンズとはやはり毛色が違う。イタリア系ラグジュアリーブランドなどウィンドーショッピングでホンの一寸会話しただけにもかかわらず、何れの店も店員が名刺を差し出し何時でも使ってくださいと実に丁寧な応対。個人的な感ではなにかこうメンズを謳ってはいるものの女性こそが金を落しそうな感じがする。

対する「ルミネ有楽町店」も所詮はアゲハ系ブランドで固めた駅ビル系を想像していたのだが、意外?にもココもまた店員の対応は商品知識からマナーまで素晴らしく、「有楽町イトシア」や「プランタン」などもウカウカしていると顧客が流れそうな感もした。

何れにしても関西で成功した「阪急メンズ」、初の(脱)駅ビル形態の「ルミネ有楽町店」、共に成功できるかどうか今回試金石となるのは間違いなく、呉越同舟で迎え撃つ三越伊勢丹と松屋など銀座勢と併せまた目が離せなくなってきた。


TPPと既得権益

さて先月末の日経紙世論調査では首相が交渉参加に意欲を示すTPPに「賛成」が45%で、「反対」が32%となっていたが、このTPPの意見集約などを明日に控えて不利益を被るとされている各種協会などの反対意見広告も目立ち、ビジネス誌等でもこのTPPが格好のネタにされている。

このTPP、自由貿易を柱とする海外との包括的な経済連携協定の一つで主要貿易国との間で関税の壁等を取り払い連携を深める狙いだが、国の成長に不可欠な一方で安い輸入品流入等で影響を受ける業種もあってこれが反対派を勢いづかせている。農業関連と共に医薬品業界をも戦々恐々とさせ、株式市場では直近まで物色難から消去法で買われていた医薬品ポストも軟調な物が目立ち、武田薬品など主力も直近で年初来安値を付けるに至っている。

確かにこのTPPはメリット・デメリット双方が混在し一概に賛成とも反対とも言えるものではないが、反対派でやはり目立つのは農業関連、10月の末頃だったか日経紙でも前農相が到底受け入れられなく徹底して戦うと激しく反対の意を表明していたが、それもその筈TPPはこの農水始めとした現業官庁の既得権益が破壊の方向へ向かうのが自然。こういったことが絡む為にマスコミ報道もプロパガンダ的歪曲が一部指摘されるが、結末はどうあれこうした国策絡みの件は利害関係が露骨に浮き彫りになる。


社会保障考

さて、今週あたまの日経紙一面には厚生労働省が会社員の加入する厚生年金保険料の算定基準を見直し、対象となる月収上限を引き上げる方向で検討に入った旨が載っていた。また直近では、年金財政が逼迫しその年金の支給開始年齢が最大で70歳に引き上げられるという話が出ていたが一昔前の段階的引き上げの話は早くも反故か。

しかしこんな報道が為されると真っ先に試算したくなるのが払い損になるか否かの分岐点で、マトモに通れば中年世代がその辺に位置するが、こんなもので世代間格差が広がるのは当然いい訳がなく、上記の厚生年金月収上限引上げ然りこんな最近の報道を見ていると正直またかといった感じは否めない。

増税にしても先ずは官の無駄の削減こそ前提だろう。そもそも高給取り議員が多過ぎこの給料削減に議員定数の削減、一部公務員も給料共々削減が先だろうと思うのは私だけではない筈。いっそのこと保険も年金も全て一本化との声も出てきそうだが、月収上限引上げひとつ取っても負担増を迫られる高所得者層や企業からの強い反発は必至で、こうした層の部分でも空洞化?が進むと国力の問題にも絡んでくる点も政府はそろそろ気付くべきであろう。


投機マネーの居場所

本日は一寸書店に向かう際に、近所のビルに入っていた某ヘッジファンド会社の看板が消えていることに気付いた。はて移転したのかはたまた?とあれこれ想像していてフト頭に浮かんだのが、週末の日経紙にて「ヘッジファンド1.6兆円流出」として世界の投資マネーがヘッジファンドから資金を引揚げ始めている旨が載っていた件。

ユーリカヘッジによれば9月の資金流出額は210億ドルと前月の6億ドルから急拡大し、約2年半ぶりの大きさになったとしているが、夏以降の相場モノが急激に悪化した影響が大きかった模様だ。この辺は直近でもサブプライム問題に絡んだショートで一躍有名になり、まさに飛ぶ鳥を落す勢いであったジョン・ポールソン氏のヘッジファンドが50%近いマイナスを出しており、その顧客流出に絡んだ思惑が一寸した話題になっていたのは周知の通り。

先週も書いてきたが、国内でも週間を通じて東証一部売買代金が9,000億円にも満たない超薄商いで十分なリクイディティが提供されていた時期がもはや懐かしい。これでは動きようもないが、株の方もファンドの名前が挙がっても株価が反応するのはほとんど一日天下、バリュー系でじっと抱いている向きはあるもののアクティブ系は近年目立った姿を見ていない。

ところでちょうど1年前に当欄では「買収ファンドも順次撤退」として、日本で活躍する外資系企業買収ファンドの撤退が目立つ旨を書いたが、お国事情で弾かれその後も市況環境悪化とこの1年で投機マネーの居場所がますます狭くなった感がある。ここへ来てあのジョージ・ソロス氏やカール・アイカーン氏も顧客資産を返還し表立った活動から隠退?表明をしているが、両者「何が起きるか分からない」としている通り民主化デモ一つ取っても既に激動期、まさにブラックスワン時代である。


大手にも波

さて、今週は週明けの日経紙一面に「証券大手、人員を削減」として大手証券各社で人員削減の動きが広がっている旨が載っていた。直近では三菱UFJモルガン・スタンレー証券が全社員の約2割の希望退職者を募集するがこれは今年2度目、また野村證券やみずほ証券も数百人規模の人員削減に踏み切り、大和証券も今年4月以降およそ550人の社員を主に営業部門へ配置転換という動きが見られる。

先に東証が超高速システムを導入してからというものその後は中小のディーラーがお手上げで飽和状態から職探しが横行したが、プライマリーまでもが環境悪化してきている昨今はこんな波が大手にも押し寄せ、一寸前なら営業職など投信販売で使い道がある銀行やまた保険関係など引き合いがあったがこれも既に買い手市場になっている。

しかし配置転換と粛々と片付けてはいるが、現場から離れていた次長クラスが無機質な部屋で研修という風景はなんとも荒涼感漂う。取引で例えれば、相場に見切り千両で他へ飛び出すことが出来る向きはまだいいとして、最後まで残る向きはさながら維持率割れで強制決済されるのを待っているパターンも多い。

火曜日にもコメントしたような本日まで売買代金は4日連続で9,000億円割れというこんな薄商いの環境下では個人向けもキツイが、上記の通り大手の旨みで優位にあったプライマリーなど主力のビジネスも環境悪化が表面化して来ており、その上に大手はリーマンショック後にファイナンスで高い株券と引き換えに投資家からガッツリと掻き集めた資金も枯渇しつつあるのが現状。

まあ人員削減は国内に限った事でもなく、海外でも大手中心にこの嵐が吹き荒れゴールドマンなど今年のボーナスは最低でも20%のカットということだが、相場産業ゆえに山高ければ谷深しというところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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