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複合施設続々

さて、先週の日経紙の全面広告でも見られたように大型複合施設の麻布台ヒルズがオープンしている。高さ330メートルと東京タワーとほぼ同じ高さで日本一を誇り緑と健康がテーマ、というわけで敷地の3分の1を320種類もの植物が占め緑化されているのが特徴で、ホテルのような人間ドックの慶応義塾大学予防医療センターが入る。

また都心では最大規模のインターナショナルスクールが入居し、浅草の老舗パン屋のペリカンや、米でミシュランの星を取った鮨AZABUも逆輸入で入るなど店舗も面白い。そういえば先月には森ビルが進める再開発事業、虎ノ門ヒルズの最後の1棟である虎ノ門ヒルズステーションタワーもオープンしているが、この一連のプロジェクトではあのアマンが手掛ける300億円とも噂される超高級レジデンスも話題になったなと。

複合施設といえば虎ノ門ヒルズステーションタワーと同じく10月には旧代官山東急アパート跡地にフォレストゲート代官山が開業しているが、東急といえば渋谷。100年に一度の再開発のラストピースとなる来年に全面開業する渋谷サクラステージが先週お披露目されているが、冒頭の森ビル系と今後どう差別化してゆくのか?いずれにせよこうした複合施設が我々の生活に新たな提案をしてくれることを期待したい。


凍結解除の是非

先週に経済産業省が発表したガソリン全国小売平均価格だが、原油価格の下落に伴い政府の補助金の支給額も減っていることなどを背景に2週連続の値上がりとなっていた。ところでこの政府補助金といえば、ガソリン価格発表と日を同じく行われていた衆院予算員会で、国民民主党代表から補正予算案に賛成する条件としてトリガー条項の凍結解除を求められたのに対し総理は解除を検討すると表明している。

当欄ではガソリンが13週連続の値上がりを演じるなど高騰が止まぬ8月に「凍結されて久しい特例税率上乗せ免除なるトリガー条項が再度思い出されるが、そろそろ特例法改正の機運は出てこないのであろうか?~凍結解除に今はまさに好機だと思うが。」と書いていたが、政府側はこれまで解除には慎重な考えを一貫して示していた。

それでもなお財務大臣はトリガー条項を発動すれば1兆5千億円の巨額の財源が必要になると慎重な姿勢を崩さないが、ガソリン補助金の予算総額は既に6兆円超に膨らんでいる。先に発表された石油元売りの4-6月期決算は大手勢が軒並み前年同期比2倍以上の好決算に沸いていたが、GS価格への反映が見えにくいなかモヤモヤしている消費者も多いのではないか?

また直近の会計検査院検査報告では、このガソリン補助金の二重交付など過大交付が見つかり、基金の62億円を投じたGSの価格モニタリング調査も資源エネルギー庁調査と重複しているなど無駄遣いが指摘されている。そもそも論で政府の温暖化ガス排出量実質ゼロ目標に自ら逆行している政策との指摘がなされるなかはたして排除は叶うのかどうか、先ずは行方を見守りたい。


イルミネーション2023

本日から西のUSJではクリスマスイベントがスタート、ナイトショーも4年ぶりに復活ということだが、東の東京ディズニーリゾートでも4年ぶりにクリスマスツリーが復活とクリスマスムードが高まるこの時期に楽しみなのはやはり街のイルミネーションか。既にこの近所であれば東京駅から日本橋エリアまでを東京イルミリアが艶やかに日本橋さくら通りで灯っている。

都内では他に定番の六本木けやき坂や丸の内のイルミネーションも先週からスタートしたほか、近年はイルミネの名所になりつつある日比谷でも先週から日比谷ミッドタウン周辺5か所で「マジックタイムイルミネーション2023」がスタート、今年は5周年のアニバーサリーイヤーでコンセプトは“魔法のような瞬間”日比谷仲通りでは1本1本カラフルなカラーで彩られ、日比谷ステップ広場では7つのツリーが虹色に染まっている。

ところでイルミネーションといえば、今年も引き続きSDGsを意識した環境への配慮がうかがえる取り組みが目立つ。上記の日比谷では白熱電球からLEDへの変更で電力消費が約40%減少しており、ルミネーションに使う電力は日比谷ミッドタウン屋上のソーラーパネルを活用。この手では目黒川のイルミネーションも廃油原料のバイオディーゼルを燃料としているが今年も引き続きこれを踏襲している。

ちなみにココは家庭内で出た使用済み油を回収するアップサイクススポットも今年設置しているが、個人の貢献が煌びやかなイルミネの元になっているというような目に見える体感でその意識も変わってくるか。東京オリンピックで皆が持ち寄った都市鉱山がメダルで使われたパターンもまたこれと同じであると思うが、貢献の可視化に工夫を凝らすような動きが広がれば循環型社会もより一層進んでゆく事になるのではないか。


オーバーツーリズム考

さて、週末に所用で久し振りに築地界隈に出掛けたがしばらく見ない間に何処も彼処も外国人観光客が押し寄せていて驚いた。それもその筈、政府観光局によれば今年1~9月までの訪日外国人数は1,737万人、そして先月は251万6500人と2019年比0.8%増となりコロナ後で初めて2019年実績を上回っている。

上記の通り築地も凄かったが、TV等では京都でも地元の人々が通常使いのバスに乗れなくなっている事態が報じられているのを見掛けた。こうしたオーバーツーリズムの問題に絡んでは確か先月には政府が観光客の急増による過度な混雑で、地域住民の生活に影響が出るオーバーツーリズムの未然防止・抑制の為の緊急対策を取りまとめ持続可能な観光に向けた取り組みを図る旨も報じられている。

対策には混雑状況に応じた鉄道運賃の引き上げや、通勤や通学への影響を抑えるため観光地への急行バスを導入など盛り込まれた模様だが、他に箱根等では名所の渋滞予測や飲食店等の混雑状況を集計し混雑していない地域店のクーポンを提供し分散を図っているようだ。海外でもオーバーツーリズムは課題となっており、伊ベネチアやインドネシアのバリ島では来年より訪問税を導入予定としている。

こうした問題ではあらゆるシーンで分散化が言われて久しくクーポン発行にしろ財源の問題等もあり実情はなかなかうまくいっていないが、世界の潮流は一極集中しているところに観光税などチャージを課し分散を図るものがトレンドになっている。訪日客は今後も増加する見通しだが、持続可能な観光の為にはこの喫緊の課題に対する舵取りが問われる。


ボージョレ・ヌーヴォー2023

さて、本日は秋の風物詩であるボージョレ・ヌーヴォーの解禁日である。昨年は空輸ルートの制限や輸送コストの高騰で価格が2倍になるモノも見受けられたが、今年は円安の影響こそあるものの航空運賃の下落や地政学リスクの顕著化前に輸送などヘッジしていた事などもあって去年より店頭価格が1~2割ほど安くなる見込みで値下がりは14年ぶりの事という。

上記に加え今年は新型コロナの5類移行で行動制限も解除されたことからパーティー需要が復活する兆しもあり夜の外食シーンでボージョレ・ヌーヴォーの企画が各所で行われる模様。そういったことで今年のボジョレ・ヌーヴォー市場は11年ぶりに前年を超え、2割贈の売り上げが予想されているというが久しぶりにマーケットの活性化に期待する声もある。

ところでこのワインといえば毎年の如く「〇〇年に一度の」「〇〇年で最高」との評価が恒例となっているが、今年の専門家の評価はどうなのだろう?輸入元は「まるで摘みたての赤い果実そのまま口にほおばったような味わい」とのことだが。ともあれ日本は日付の関係で世界のどの国より早くヌーヴォーが飲める地の利を生かした特別感のあるイベントが定着しており、今年もまたこの時期がやってきたなと感じる季節の風物詩である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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