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破壊と創造-フランス大使館

さてもう月末だが、今月は某大使館に所用があってちょっと麻布界隈に出掛けた際、帰り掛けにフランス大使館(旧)にて開催されていた「NO MAN’S LAND」が延長開催されている事を思い出し、ちょうど近所ということもあって様子を見に行ってみた。

この「NO MAN’S LAND」、一部にご存知の向きも居ると思うが、昨年にフランス大使館が新庁舎へ移転した後の旧大使館をそのままフルに使い切ったコンテンポラリーアート展である。用が無ければ来る事はない大使館なので此処へ来たのは久し振りだが、早速エントランスが何やらTDLの某アトラクション風?に変身しており妙な期待が高まる。このイベントが延長開催されているのを知らない向きも多いのか人もマバラ、フレンドリーな女性に声を掛けられながら中へ。

ここを抜けて目に飛び込んで来るのはパーキングに停めてあるフランスならではのプジョーだが、路面から続くピンクのペインティングがベタベタと車体にも。それを横目に(メタル製の)折り紙風飛行機が突き刺さった路面を歩き建物へ。これに参加したアーティストは約70組だそうだが、真面目に執務が執り行われていたと思われる部屋が大量の紙屑にバスケットゴールや、はたまた金ピカなデコレートやら雑木林に変身していたり、粘土で被い尽くされたキッチンや階段の壁には何かのメッセージなのか?鼻血?なる文字のネオンが怪しく灯っていたりで、想像以上になかなか面白かった。

そんな斬新でユニークな創作もさることながら、国を代表する大使館だけにそもそもこの敷地自体が聖域であり、加えて普段ではまず見る事自体が不可能な歴史的建造物の金庫や、その他厳重な施錠機能が施されたシークレットルームなどワケ有の部屋まで殆ど全てを見ることが出来る機会というのは一般にはそうそう無いだろう。

そんなワケで、そうせ全て破壊するのだから其の前にこんな創造をという文化的且つ奔放な発想と行動に感心であった。
と、ここまで書いて年明け早々に当欄で「欧州流のIR」というタイトルでカレンダーの話を取り上げてコメントしたのを思い出した。さて果たして日本の役所などこんなイベントが出来るであろうか?

少しはお手本にするくらいの器量が欲しいものである。


はたして連携効果は?

さて、昨日の日経紙で目に留まったのは三井住友銀行が富裕層向け金融サービスに参入する旨の記事か。この件は既に年明け早々に欧米型の本格的富裕層向けサービス参入意向と発表していたのだが、その頃はサプライズな二度目の巨額増資の方が話題であまり取り上げられなかった経緯がある。

一昨年にバークレイズに出資、そして昨年には大和と別れる原因となった日興コーディアルの完全小会社化が為されており、これらの連携で高収益が期待出来る富裕層を囲い込むのが狙いとしているが、一般的なイメージからしても国内系メガバンクのプライベートバンキングというのはその歴史自体が浅いからかどうもピンと来ない。

ところで全体像を測る意味でWorld Luxury Index(EUR)などを見てみると、なるほど昨年の春先に底を打ってからは見事なV字型の急回復を遂げている。実際、日経MJなどではリーマンショックから一年余りが経ち、富裕層の高額商品の購入意欲が回復傾向にある事が詳細に載せられていた記事を目にした。

斯様にエントリーには好都合な時期ながら、その商品の中身が重要なのはいうまでもないが、もう一つ上記の通りイメージというものも大きな課題だろう。これは以前にも書いたように日系老舗ホテルと侵食著しい外資系ホテルのそれにも似た部分が幾つかある。

つまり、コンサバ系の顧客はその特性から日系にとってはありがたい存在とはなろうが、昨年シャングリ・ラホテル東京がオープンした時に当欄で書いたようなイメージを覆すハード以外の部分をこうした客層に見せる事が出来るか否かにかかっているといえるか。


今年は家系?

昨日はバレンタインデーであったが、今年の場合日曜日という事もあって殿方・御婦人方共に一部にはホッとしている向きもあったとか?ただ年に一度の祭典とあって売る方は商戦に変わりなく、休日バレンタインを考慮してチョコレートドリンクやらチョコレートビール、中にはチョコレートフォンデュなどという創作系も今年は目立っていたところか。

ところで昨年のバレンタインでは、男性から女性にプレゼントする「逆チョコ」なる現象を当欄で取り上げたが、こんな現象に掛けて森永などは逆ダースや逆小枝などの期間限定モノを発売とか。さて今年はコレに加えて女友達同士でチョコを贈り合う「友チョコ」などもトレンドに上がっているが、前にも書いたようにいずれも欧州では当たり前の光景で逆に改めて日本らしさを認識させる。

さて、有名処を集合させてイベント化するものなど伊勢丹なんぞが代表だろうが、幾つかは当該の人気ショコラティエが来場しサイン会や試食会を行うなどの参加型が盛況。これも年々大規模になってきているような気がするが、差し詰めフレンチの「ひらまつ」が有名シェフを招聘して一度にこれら味わえるという先に話題になったイベントを彷彿させる。

ともあれ大店でも大量閉鎖の時代を迎え苦悩が続く百貨店業界において一時の希望の星になるや否や、このバレンタインも歳暮系の意味合いを帯びてきた昨今、今後の動向にも関係者は目が離せなくなってきたのではないか。


世界に誇る伝統技術

さて、年末からやっている三井記念美術館で開催されている特別展もそろそろ終了が近くなったので立春を過ぎた頃、「柴田是真の漆×絵」展を鑑賞してきた。

花鳥画系が好きなので以前から絵などはマークしていたが、今回はエドソンコレクションの逸品の数々が里帰りするということでこれら実物を見る機会に恵まれた。前々から特に観たかったのが、粋と遊びを得意とする中でも「だまし絵」ならぬ「だまし漆器」の類であったが、果たしてどれも本物を越える「だまし」以上の素晴らしさであった。

例えば、同コレクションの「砂張塗盆」などはどう見ても銅に錫、鉛が頃合良く寂れている感じが絶妙なのだが、まさかこれが紙器とは驚く。また竹製の「瀬戸の意茶入」などはこれまたどう見ても陶器にしか見えない。他にも「紫檀塗香合」や「花瓶梅図漆絵」などはその名の通り、どこから見ても紫檀にしか見えないもので、何れも種明かしをした時の客人の反応もまた至福の瞬間であったのだろうと思う。

他の印籠など蒔絵ものもため息の出る美しさであったが、フト思い出したのが昨年の<バーゼルワールド>にて発表された新作の時計か。それは特に異彩を放っていた「ショパール」の「漆と蒔絵」シリーズで、2006年のジュネーブウォッチグランプリを受賞したモデルに漆と蒔絵が施された「五行五神」と「森羅万象」から成る六つの作品である。他に国内勢でもシチズンのカンパノラシリーズなどダイヤルに漆を使用していたが、やはり名家のショパールなどがこうした伝統技術を使用した意義は大きいのではないか。

明らかにこうした名作の下に日本の伝統工芸が、今日の世界的な高級時計人気の一翼を担っていると思うだけでもなにやら誇らしい気持ちになるし、また名家もこうした技術に歩み寄る事で東西伝統技術が融合した素晴らしい作品の数々が誕生すると思うとこれまたわくわくしてくるものである。


PIIGSと複合性

本日の日経平均は先週末の所謂「PIIGS」を絡めた財政懸念が尾を引いてか、2ヶ月ぶりに10,000円の大台を割り込んで引けた。南欧経済の脆弱性はかねてからいわれていたが、こんなソブリンリスクはファンドなどのバランス絡めた構造的な問題から日本企業などの業績と直接の関係はなかろうが、これら一部も売らざるを得ない状況と負の連鎖が起きている状態か。

ところでこんな造語も「BRICs」から始まって次は以前にも取り上げた「VISTA」、そして今度は「PIGs」、しかし前者は兎も角、南欧はなんともコッケイな名を着けられてしまったものだが、素朴な疑問でこんな幅広く役に立っているわりにどうしてその使われ方はロクでもないことの形容が多いのだろうか?この類ではダイコンなどもこれに当たるしまだ探せば幾つかありそうだ。

話は逸れたが、そんな上記の株式の状況よろしく商品相場においてもこれは同じこと。これらソブリンリスクからユーロに対してドルが上昇、そんなわけで一般的にはドルの代替資産として支持されていた金に売り物が殺到、加えて国内では受け皿という観点からドルよりも消去法的に円が買われ円建ての金など泣きっ面に蜂、先週末のTOCOMでは他も含めた貴金属4商品が全てサーキットブレイカーの発動となった。

しかし、先月はオバマ新政権の新金融規制案、今月はPIIGSのソブリンリスク台頭がマーケットを連鎖的に侵食しており、リスクマネーもとんだトバッチリからなかなか動き辛いが、前述の通りマーケットも複合的に繋がっている昨今この辺の構造も頭に入れておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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