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旧北浜モノ

さて、昨日で日本取引所グループが傘下の東京証券取引所と大阪取引所の現物株部門を統合してちょうど1年が経過した。この統合、大阪から約1,100社を引き継いだが特にここまで大証単独モノにその統合効果は顕著で、昨日の日経紙にも「日本取引所、現物株統合1年」と題しその辺が載っていた。

その知名度から統合効果の前評判が高かった王将フードサービスなど、同紙によれば統合1年間の1日平均売買高は統合前に比べて2.9倍にまで増えた模様で、他に名村造船所も元々ファンドの買い集めなどで独特の動きが人気だったものだが、これまた売買高は統合前に比べて2.2倍にまで増えた旨が載っていた。

また上記のような一部に限らず二部銘柄を取ってみても、昔の北浜銘柄らしく通好みの仕手モノが多数ありこれらは一部モノまでいかなくともそれなりに物色機会も格段に増え、取組を作れるものは相場を楽しめる期間も明らかに旧大証時代より長いものになってきた感がある。

斯様に現物株の方はまずまずといったところだが、今後はやはりもう一つのデリバティブが焦点か。世界規模でみるとどうしても後れを取っているのは否めず、此処をどう舵取りしてゆくのかが課題になってこようか。


PGM系シフト

本日の日経マネー&インベストメントには「貴金属投資 金以外に裾野」として、分散投資先として買われてきた金の人気が一巡し、その金に向かっていた資金が価格の高騰するプラチナやパラジウム等に流入し、先物やETFの売買高がにわかに増えてきた旨が載っていた。

なるほどNY市場ではポルトガル大手行絡めた金融不安への警戒感が一先ず後退し指標の先物価格は約1か月ぶりの安値水準まで急落、昨日の東商取も一時同様に約1か月ぶりの安値水準まで売られている反面PGM系は堅調持続している。

また、本日のETF市場を見ても三菱UFJ信託の純パラジウムが年初来高値を更新、同シリーズの純プラチナも年初来高値まであと少しのところまで来ている。ただ何度も指摘しているが同じ原資産でもETFSモノはコモディティーの種類が多い割に商いが薄い状況がここ数年続いている。原資産そのものの市場規模が相対的に小さいだけにこの辺は課題だろうか。


ターゲット層

本日の日経紙商品面には「世界主要商取の売買高 5四半期ぶり減少」として東商取のほか、NYMEXやLME、ICEなど世界の主要な商品取引所の4-6月期の売買高が4月、5月の低調によって前年同期比で12%減少し5四半期ぶりに前年実績を下回った旨が出ていた。

とりわけ東商取は41%減と振わなかったが、同所は目下のところCMEとの関係強化に動いている。当欄では今月頭にLNGデリバティブについて触れたが、前述の通り昨年からの中期経営計画にLNG先物創設を盛り込み準備を進めており、先ず既設のOTC市場が軌道に乗るかどうかというところが試金石となっている。

またこの辺はちょうど一週間前の同紙にも「市場再生へ海外マネー頼み」として出ていたが、この9月にもCMEデータセンターとの高速回線を接続しHFT等の誘致に期待をかけている。上位の通り売買高は41%減少となっているがこの41%という数字、奇しくも東商取に関連するものでもう一つあって、それは5月の全売買高に占める海外取引比率が約41%ということ。ここに照準を合せうまく誘致出来るかどうかに今後が懸かっている。


しまじろう

いまだに紙面を賑せているニュースには、先週報道された教育大手ベネッセHDの約760万件の顧客情報が漏洩したとの件がある。流出元もそれを買って自社の営業に使っていたところも共に上場企業であっただけに翌日の株価はベネッセが急落、後者のジャストシステムに至ってはストップ安まで売られる場面もあった。

さてこのジャストシステム社は、名簿業者の「文献社」から名簿を買ったという。その「文献社」は別の名簿業者「パン・ワールド」から名簿を買ったという。そしてこの「パン・ワールド」もこれまた別の名簿業者から買ったと言い、詳しい入手経路はわからないという。

まさにマネーロンダリング?のように彼方此方経由させた「出どころ不明の名簿」を装う小細工の跡が垣間見れるが、少子化が進むなかこの層は宝の山に映り犯罪の食指も刺激されるのだろう。これらデータ流用の類ではつい最近も電子機器大手オムロンがJR東日本4駅で撮影した乗降客の映像を、JR東日本に無断で別の研究所に流用していたことが発覚している。

しかしこのJRもスイカのデータをマーケティング目的とやらで日立に提供して批判が上がった時期もあったなと。データ活用名目で個人情報が知らぬところで独り歩きしている事でやはりビッグデータは怖いとの感が世間に伝播してしまうようなことがあれば、それこそこれから表舞台へ立とうとしているビッグデータ活用への影響が諸々懸念される。


恐怖指数あれこれ

さて本日の日経平均は4日続落となったが、値幅調整という感には乏しい。先週末の日経紙には「世界株に広がる過信」として、低金利で運用難の世界の投資マネーがより高い利回りを求めて株式等へ流れ込み金融マーケットに楽観論が広がっている旨が取り上げてあった。この辺を物語るのに(米VIX指数)が挙げられ、直近では米住宅バブル末期の2007年2月以来ほぼ7年ぶりの低い水準に下がった旨も書いてあった。

見出しの「世界株に広がる過信」の通り、上記の日経紙が挙げた米VIX指数のみならず、例えば欧州ではVIXに当たる(VSTOXX指数)も足元では2006年12月以来の低水準となっている。当欄でも先週取り上げたばかりであったが、なるほどこれらの楽観ムードからタイトルで「年初来安値」とした通りこれらに連動するETFやETNなど軒並みショートの対象になっている。

さしずめ日本で欧米のこれら同様物差しにされるのは(日経VI)というところで、こちらも足元では2011年2月以来の水準となっている。ただ本邦の場合は週明けの売買代金は04/22以来の1兆4000億円台にとどまるなど市場参加者の減少がいわれるなかで、TOPIX系への傾斜を割り引く必要があることからやはり周りに支えられている感が否めずこのリスクを内包しているという事は頭の片隅に置いておいた方がよさそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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