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首都代替構想

連休明けの本日はクリスマスイヴとあって、何処も彼処も通常以上の人出でごった返していた。こんな総出の時に災害など起きませぬようとふと思うことがあるが、先週は国の中央防災会議がマグニチュード7級の首都直下地震の被害想定を見直し、それによれば被害想定額は国の年間予算に匹敵する95兆円に上るなど厳しいシナリオが公表されている。

今回想定で浮かび上がったのは首都を襲う大規模火災で逃げ惑いなど厳しく算出されたが、もう一つ高度成長期以来海面すれすれかそれ以下に発達した地下都市を考えるに水のリスク管理の計算も重要になってこよう。

これら鑑み中央省庁や多くの企業本社が集中する地域だけに、各々がBCPを見直しその影響を最小限に抑える必要がある。上記の霞ヶ関などの政府機関や日銀、東証等の重要施設は耐震化や非常用電源確保等の対策済みで迅速な決済機能を回復としているが、これらと併せてまた首都代替拠点に関しての議論も頭を擡げようか。


足銀再上場

さて昨日、本日とここ年末に来て目白押しのIPOラッシュとなっているが、そのなかで本日は一時国有化された足利銀行の受け皿として設立された足利ホールデインングスがはれて再上場となった。

朝方は800万株を越える買い注文から買い気配でスタートし、注目の初値は451円とコンセンサスのほぼ上限で公開価格を7.4%上回った。あと上値を伸ばす場面があったが、昨日に続いての大幅続伸地合いに助けられ、また東証一部直接上場規模としてはその吸収金額もさほど多いというわけでもなかった事でIPOラッシュの中ではまずまずといったところか。

しかしこんな光景を見るに国有化されるまでの軌跡を思い出す。破綻後に株券が紙屑?へと向かう過程で数千万だか儲けたとかで元銀行員という男が名古屋テレビ塔展望台から大量のドル紙幣をバラまいた珍事などやはり記憶に新しい。その後受け皿の公募には魑魅魍魎の面子が集まり一時は地銀連合有力とも言われていたが、果たしてというかノルマ、いや野村が勝ち取った。

銀行モノは不良債権化した担保付不動産というお宝を抱えておりイグジットもこの辺に旨みがあるが、同じ国有化モノではりそなHDが既に公的資金の完済計画を発表、あおぞら銀もこれに先駆け10年完済を表明するなど再生も加速しており此処も今後の成り行きが注目されることになろう。


鰻屋の構図

本日の日経紙商品面には「鶏卵小売価格9%上昇」として、農水省が昨日に公表した12月の鶏卵全国小売価格が前月比で9%上昇、7月の直近安値比で23%高く2005年3月以来8年9ヶ月ぶりの高値になっている旨が載っていた。

この鶏卵については今年の9月にも「優等生の構図が変わる?」として指標品の卸値が前々月に比べ約4割ほど高くなった旨を当欄でも取り上げたが全般更に一段高といったところか。恒常的なコスト高騰の一方で転嫁も思うように進まない事で業者の事実上の廃業は昨年度の2.7倍となっている旨が昨日の日経紙にも出ていたが、この構図は昨今の鰻屋と同じだろうか。

前回の当欄でも輸入シフト問題絡めてとも書いたが、昨年からの円安進行やら世界的な需要増で輸入品の調達も依然難航しているという。これらも鑑み首都圏のスーパーでも今月からPB商品のブランド卵を引き上げた模様だが、同じ優等生仲間?だったヤクルトも22年ぶりに値上げし優等生も今後それを続けてゆくのが微妙な環境に昨今なりつつある。


営業変遷

本日は厚生省が若者を使い捨てにする所謂「ブラック企業」の疑いがある事業所について集中立ち入り調査した結果を発表し、この中で売り上げノルマを達成出来なかったことを理由に基本給カットする制度を設けていた例などケース別事例も発表されていたが、ノルマといえば先週末にも野村證券の職場で、営業目標が達成できない場合は所有車を売却するよう等のパワハラを受け退職を余儀なくされた元社員の訴訟で会社側に損害賠償命令が出たとの報道もあった。

さすが?ノルマ証券といわれかつて記章から揶揄されたヘトヘト証券ともいわれただけの名残はまだ残っていたという感じだが、この賠償命令も注意・指導のための言動として許容される限度を逸脱したとの判断といいこれは至極まともな見解に間違いないものの、一昔前の世代だったらこんな光景は野村でなくとも何処でも普通に眼にする日常だったろう。

営業といえば海外でも「ノックお断り」のドア張り紙を無視して飛び込み営業をやったガス会社と営業担当の雇用元企業が、連邦裁判所から罰金支払いを命じられたニュースが先週にもあったが、これとて昔の営業だったら先ずこういった張り紙のところこそ商機ありとして逆にこういったところを選んで飛び込みしたものだ。

そうそう、かつて飛び込みといえば一日中飛び込み営業しても成果があがらず、夜も更ける頃支店に「もう飛び込むところがありません。」と報告した営業に「電車が入ってくる線路があるだろうが。」と応えていた支店長が居たが、こんな輩もいつしかにわかアナリストに鞍替えし借りてきた猫のような顔でしばらく付け焼刃の相場解説などやっていた時期もあったなと。

ともあれここ数十年の間に営業系の構図も様変わりで、浄化なのかどうかまあ世の中そういう時代になりつつあるということなのだろう。


税制五里霧中

さて、先週各紙で報道されているように自民、公明両党が2014年度の税制改正大綱を纏めているが、果たしてというか来年4月の消費税増税の影響を和らげる負担減と、その財源を賄う負担増とが混在する内容になった。

他の税目の増税とはいうものの、そもそも消費税増税に向けての下地作りが始まった頃から言っているように悪の巣窟はやはり歳出である。前政権でも事業仕分けを引き合いにこの歳出抑制を強調したものの、水面下での無駄遣いの酷さは震災後次々と明るみに出たところで記憶に新しい。

加えて今回も法人税率の抜本的な見直しに踏み込んでおらず、また個人の投資関係にしても何処が便利なのか解らないNISAのチマチマした小手先修正でお茶を濁し、損益通算の範囲一つを取ってみても投資家が長年望んでいる基本的なものはまたも見送りである。

現状としては二極化が進んでおり消費税増税の影響にしても、前回を引き合いにして数ヶ月で消費が元に戻るという楽観論も一部喧伝されているが個人消費はGDPの半数以上を占めるだけにこれが落ち込んだ場合その影響は想像以上のものになる。辻褄合せに辟易しより大局的な包括戦略が今後もまた要求されることになろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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