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投資家保護と規制緩和

さて、今週目に留まった報としては日経紙金融面などでも載っていたが、東証など全国の証券取引所が「証拠金規制 年内にも緩和」として、信用取引売買当日の再利用解禁の旨がある。周知の通りマル信では受け渡し日迄は次の売買を同一証拠金内で出来なかったが、9月をメドにこの部分の契約規約を変更する規制緩和によって再利用を可能にするという。

ところでこのマル信の規制緩和で先ず思い浮かぶのが、やはり松井証券の「即時決済取引」か。これは当欄でも約一年前に触れたもので店内発注を立会外のJ-NET当日取引として取次ぎというものだったが、そのエッセンスをパクって早くも何処の証券会社でもこれが可能になる。

しかし、斯様にこの手の古くからの街金の即金サービスが堂々と一般の証券会社でやれるようになり、そこから一年で取引所側も契約規約変更の規制緩和でこれが可能になるとは時代の変化を感じる。ただ本来であれば街金や一企業が先駆けて手掛けたものを模倣するのでなく、当初より取引所側が率先してこの手のものを投資家に提供すべきであると思う。

ただもうひとつ一方で、他人の模倣でもやらないよりマシとはいえ売買の薄さに悩む各取引所や証券会社の最近の傾向はなにかこうリスク選好を煽っている感も強い。腕に覚えのある向きにはより機動的で便利な市場にまた進化したと思うが、初心者マークのなかにはこれらに則したテクが追いつく前に中毒性に嵌りヤラレてしまう向きもあろう。「投資家保護」とある部分で対の「規制緩和」、金融庁はこの辺の舵取りの按配が今後問われよう。


交渉術?

さて、昨日入ってきたニュースのひとつにテルモが粉飾決算による株価急落で損失を被ったとして、オリンパスに対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした旨があった。ちなみに両者はもともと医療機器販売に関する包括業務提携の一環で、7年前にオリンパスが行った第三者割当増資をテルモが引き受けた経緯があり、現在たしか約2%を保有している。

この手の訴訟は今まで上場廃止で消えていった企業中心に個人でも毎度のことながら行われてきた経緯があるが株価暴落もキツいものの上場廃止にでもなればそれこそ株主は否応無しの一発退場、この辺に関しては先に東証は「特設注意市場銘柄」制度を新たに設けている。現にこのオリンパスはこれに属するが所謂「被害者」である株主救済に一歩近づいたといえようか。

話は戻るが、ところでこの両者といえば、周知の通り直近でソニーが資本・業務提携でテルモとの協議が詰めの段階に入っているところへテルモ側が新たに経営統合を打診という発表があったばかり。そこへこの訴訟話であるから下種の勘繰りかもしれないが、今回の件は殆どお膳立てされている和解案と引き換えに経営統合交渉における優位性を得る為のストラテジーの一環か?


選手と企業事情

昨日はメダル数と株価について触れたが、もっと個別の部分ではそのメダルを獲得した選手の所属する企業や契約先企業の株価も毎度乱高下することが多い。昨日などは重量挙げで銀メダルを獲得した三宅選手が所属するジャスダックのいちごグループホールディングスがザラバ360円高まで急伸する一方で、コナミは体操不振の影響か否か突っ込む場面があった。

しかし所属する企業側も夫々が事情を抱えサポート環境も様々、日本電産サンキョーなどは一時その業績不振から存続の危機に陥るも永守社長がポケットマネーを出して存続させた経緯もあったが、そんな業績不振といえばバドミントンのスエマエが所属するルネサスエレクトロニクスもリストラの嵐の中とはいえ同部は存続させる意向という。

そうそう、かつて金メダリストが所属していたもののこの手で存続叶わず廃部になってしまったものといえば、今は無きかつて上場企業であった取引員グローバリーがあった。金メダルを取った当時は会長が5,000万円のビッグボーナスを出す云々と景気のいい話が飛び交い、いま思えばまさに幻となった株価もその頃がちょうどピークであったのをふと思い出す。


メダルと株価(倫敦編)

第30回夏季オリンピックがロンドンにていよいよ開幕した。今回はサウジ等の女子選手も初参加し世界204カ国の男女参加が実現の運びとなるがその開会式のテーマは「驚きの島々」、芸術監督にはアカデミー賞で幾多の部門を受賞した映画監督を起用したらしいが、ストーリー性もあり花火の演出がCGだった先の北京の開幕セレモニーと比較するに一味も二味も違う完成度を感じた。

さてオリンピックといえば巷ではそのメダルに関心が向かうところだろうが、JOCは金メダル数5位以内を今大会の目標とし、具体的には15〜18個のメダル獲得との胸算用をしている。金メダル獲得最多のアテネ超えも視野に入れていることになるが、先週末の日経紙「まちかど」では、金メダルを10個以上獲得すれば日本勢の活躍による心理改善から消費が活発化し、五輪期間中に日経平均が上昇するという旨が書いてあった。

この手の行動ファイナンス理論は北京のときにも触れたがどこのサンプルを取るかで検証結果はコロコロ変わってくる。そういった意味では7/12記の「ジブリ」モノのアノマリーの方がはるかに正確?とも思えてくるが、株価に影響するといえばもっとマクロで見るとオリンピックが開催された後は金融市場でも大きなニュースになるような出来事が起こっていると指摘する向きもありで、さて今回のマーケットはこれら各々に即しどのような動きになってくるのか興味深いところ。


うなぎレーショニング

さて、明日はご存知「土用の丑の日」。うなぎ専門店は老舗含め何処も一番の書き入れ時だろうが、今週初めの日経紙・サーベイには土用の丑の日にうなぎを食べないと回答した人が39%となり、そのうち21%が昨年は食べたものの今年は見送るとしている。その理由のトップは今年は値段が高いからという結果であった。

例年言われてきたことだが、稚魚の不漁で今年の活うなぎ相場は1年前より5割高い1キロ5,000円〜6,000円前後と過去最高の水準という。値上げする店も少なくないが、商機を逃がすまいと本来は冷凍蒲焼に加工する割安品の転用やら、うなぎ以外の食材を使った蒲焼も次々と登場、逆に老舗が出展する百貨店など限定ながらここ直前で値下げする等も動きも見られる。

上記のようにここまで高騰してしまった背景にはしらすうなぎの慢性的な品薄が云われているが、相対取引がメインのこの業界はやはり業者の言い値がモノを言う世界と巷では喧伝されており、こうした業界の歪な力関係もまたこの高騰の主因という。

市場原理を働かせるためにはやはり取引所ということだろうが、この手の特有の商習慣を持つものは今まで上場廃止になってしまった商品先物の銘柄など見るに上手くいかないのが常。この辺の圧力構造がそういった商習慣が廃れない所以だろうがセリの無いものとて要はやはり末端の力、この辺の存在を踏まえつつ何れこの件も均衡を見出せるかどうか興味深い。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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